たぶん10月15日ころ読了
勝海舟 (新潮文庫)/子母沢 寛
¥820
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春先に出張帰りのJR内で読もうと思って買った「プレジデント」のある記事に目が止まった。


勝海舟「嫌われなければ男の仕事はできない」


私の認識で「勝海舟」といえば「咸臨丸でアメリカに行った人」程度の知識だったが、この大作を読んでびっくり。

今、(もうそろそろ終わってしまうが)話題の坂本龍馬が師と仰いだ人物であり、幕末の動乱時期に色々と尽力した幕臣だった。


世は幕末、尊皇攘夷、開国などと世の中がゆれる中、勝は「幕府だ、朝廷だなんて争っている場合じゃない。これからの日本をどうするかを命がけで考えなけりゃならない」と説いていた。


欧米列強が次々と日本に来航し開国を迫り、あわよくば植民地にしようとしている中で、「これからの日本に絶対必要なものは海軍だ」と説き、幕府を動かし神戸に海軍操練所を作り、人を育てようとしていた。


江戸っ子だった勝は土佐や長州、薩摩など出身などに拘ることなく門戸を開き、弟子にしていたため、どちらの勢力に加担するのかと疑われたり、刺客を送られることがしばしばあったようだ。

私はこの大作を読んで感動した。勝のぶれない思想、幕末に命をかけて日本という国のことを考えていた武士たちを、斬る、斬られる世の中で本当に命がけで日本の将来を考えて戦っていたんだということが。


幕末の人物が今でも色々と人気があるというわけが理解できる。

また、幕末は面白い。あのころ、いろんな人が命をかけてくれたおかげで今の私たちがある。


今の政治家にも読んでほしいな。「自民だ、民主だなど言ってる場合じゃないよ。これからの日本をどうするんだい?」


本当に憂国の思いが強くなってしまうね...