8月30日読了


「太平洋戦争」こう戦えば…―「If」の太平洋戦争史/三野 正洋

¥1,600

戦後65年を迎えてという高尚な理由で読んだわけではない。

もともとミリマニで祖父が海軍軍人だったので興味があり読んでみることにした。

帯には「真珠湾を再攻撃していたら!?」「ミッドウェー海戦で勝利していたら!?」「栗田艦隊がレイテ湾に突入していたら!?」などという架空戦記小説ファンが見たら垂涎のタイトルが並んでいる。

各章とも最初に前述のifに対する概略論が書いてあり、そこにはまさにifが実現となったら!「アメリカ軍は撤退を決意したに違いない。」「今後の戦局に影響を及ぼすであろう」などと書いてあるが、詳細のifになったら「あれっ!」というくらい結論は180度変わる。

結局のところ、日本とアメリカでは国力が天と地の差があり、ひとつの会戦を勝利したところでその後に影響を及ぼすのはわずか数週間程度であり、たとえ空母を数隻沈めても数ヶ月するとその倍くらいを製造できるわけで、まぁ冷静に考えれば当たり前の話の連続であった。

太平洋戦争は日本にとっては無謀な戦争であり、あの時代、世界情勢で戦争は回避できなかったにせよ、本書の指摘を当時の軍部、大本営が少しでも聞いていれば局面は少しはましだったかもしれない。

この本を読んで当時の日本を想像してみて、現在の政局を見てみたら本質は変わっていないような気がする...