ICTは、介護現場での業務効率化のためにますますの普及が望まれています。このほか、介護職の身体的負担を軽減するために、介護ロボットもさらなる普及が期待されています。介護の仕事は、利用者の身体を支えたり、移動を介助したりと、身体を使う作業が多くあります。特に、利用者の移乗や歩行の介助は、介護職にとって大きな身体的負担となっているのが現状です。
介護ロボットのなかには、これらの作業を支援する機能を持っているものも複数あります。従来の介護職の身体介護に当たる作業を介護ロボットが担うことによって、介護職の身体への負担を軽減できるようになるのです。利用者をベッドから車椅子に移乗させる際に、ロボットが利用者の体重を支えてくれることで、介護職の腰への負担を軽減できるようになります。このほか、歩行が困難な利用者の歩行訓練を支援するロボットもあります。
介護ロボットの導入によって身体的負担が軽減されると、介護職は心身にゆとりを持てるようになります。心にゆとりが生まれると、利用者とより丁寧に向き合い、さらにきめ細やかなコミュニケーションを取れるようになるのです。そうすることで、結果として質の高い介護サービスの提供につながります。また、身体への負担が減ると腰痛などの身体の不調が改善され、長く働き続けることができるというメリットもあります。介護ロボットは、介護職の働きやすさを向上させ、より良い介護サービスを提供するために、ますます重要な役割を担っていくでしょう。
業務のICT化、介護の領域でも進んでいます。高齢化社会の到来に伴い、人手不足や長時間労働が常態化する介護領域で、ITを活用した業務改善が進行しています。介護職の報告業務や、要介護者のカルテ管理を、スマートフォンやタブレットなどの電子機器を用いることで簡略化していくのです。人の入れ替わりが激しい介護施設や、訪問介護を中心に業務を行なう施設では、業務内容の定型化が必要となります。ICT化を進めることにより、新規人材を雇用した際の教育コストの軽減化と、出先での業務状況の把握を容易にすることができるのです。
業務負荷やストレスが高いと、優秀な人材を外部に流出させることに繋がります。施設内にICTを導入することにより、日々の業務が簡略化され、担当者の負荷は軽減されていくのです。新しく人材を雇った場合でも、タブレットなどの情報端末を使っての情報共有や、動画教育を施すことができれば、時間を掛けずに業務に馴染んでもらうことが可能です。ICT化により、業務効率の改善と教育コストの軽減ができるのです。
介護施設へのICT化には、補助金を活用することが可能です。資金にあまり余裕のない施設の場合も、補助金を積極的に活用することで低コストでのICT化を実現できます。ITシステムの導入に際しては、パッケージソフトを導入するタイプと、クラウドサービスを活用するタイプから選ぶ形が多いものです。ソフトウエアによっては、遠隔地をリモート監視する機能が搭載されているものもあります。要介護者の容態を遠隔監視するような使い方もできます。介護領域のICT化を取り上げた情報サイト⇒http://ict-yoikaigo.com