Bologna, Italia ~ボローニャの思い出
夜行列車で一夜を過ごし
朝目覚めるころには違う街。
そんな事をしながら宿泊費を節約していた。
学生だった当時はパンにワイン(水より安かった)を主食とし、
さまざまな国々の美術館をまわるために
あらゆる手段をとっていた。
今となって考えるとかなり無謀なことも数え切れないほどしたが、
結果こうして生きているのだから間違ってはいなかったようだ。
ヨーロッパのメジャーな駅にはシャワー設備もあり
早朝になると多くのBACKPACKER(リュックサックで旅する旅人)が列を作る。
待っている時は旅人同士、いろいろな情報交換をする。
旅人同士が話す時、お互いの言葉が通じない問題があったが、
そんな時はどんな国の人々も決まって英語を話した。
当然文法なんて気にもしていない。
自分の意思と相手の意思を理解すればいいのだ。
どの駅でどんな施設があるとか、どの街は必ず尋ねるべきだとか。
この街を尋ねる際、必ず行かなくてはならないレストランとか。。
イベントがアムストラムで来週あるから
ここを尋ねればチケットが半額とか。。
ネットがない時代だったが、
その辺の情報屋より確実に使える「生きた情報」だった。
【ボローニャ】
Italy
イタリア北部に位置するボローニャ市は
西洋で一番古い大学があることでしられている。
世界一流を目指す料理人も
この街に集まり伝統食や最新のレシピなどを学ぶ事でも有名である。
この街に「伝説の味パスタ店」があると聞いたのは
前日オーストリアで出会った旅人から聞いた情報だった。
当時一緒に旅するエドワードと
永遠に続くアーケードを駆け足で坂道を登った。
午前中に店のロケ=ションを確認して日中街を歩きまわる。

突然彼がつぶやく。
ED
「Oh,man... what about the dress code??」
ちょっと待てよ。。 ドレスコードはどうする?
D
「What dress code?」
何のドレスコード?
ED
「The dress code about tonight..
the place we are going to..」
今夜の予定だよ。 俺達が行くところ。
D
「.....」
日中かなり歩いたので店からだいぶ距離があった。
2人で相談した結果、電話してみることに。
D
「Abbiamo visitato il vostro posto stasera.
Che cos'è un codice di abbigliamento?」
今夜尋ねたいのですが、ドレスコードなどありますか?
かたごとのイタリア語で質問する。。。
「bene, vorremmo chiedere di .........................」
全くわからないが、ゆっくり聞いて見るとフォーマルみたいなニュアンスだった。
旅人である当時の服装はぼろぼろのパンツにアナがあいたTシャツ。
美術館用の服(といってもごく普通の服)に着替えたが、
カジュアルでフォーマルまではどう考えても追いつかない。
「We can't leave Bologna without having the pasta, dude..」
ボローニャまで来てバスタを食べずに去る事はできない。
とういうと彼は今来た道を戻りはじめた。
店の前まで来たものの、ドレスコードがマッチできない。
ない知恵を絞った結果、スーツをレンタルすることを思いついた。
確かに予算外の出費であり食べるだけを考えれば計算が合わないことだが、
お互いただ後悔だけはしたくないという考えが一致していた。
慣れもしないスーツ来て右肩にはリュックサックを背負い店に入ると
オーナーの奥さんらしき方が予約の受付をしていた。
予約がない事に気づいた彼女だが、自分達を見てニコッと微笑み
席に招いてくれた。
ホームメイドのパンにオリーブオイル・ビネガードレッシングをつけ食べる喜び。
まちに待った「ボロネッセソースのパスタ」をゆっくり食べながら
少しだけ大人気分になた気分を楽しんだ。
あの時のは味は昨日のことのように覚えている。
D.