ショパンコンクールの優勝者は中国系カナダ人の「ブルース リウ」さんに決まりました。前回書きましたように反田さんの演奏で生まれて初めて音楽で鳥肌が立ました。優勝が「リウ」さんに決まってから決勝の演奏を見ました。結果がわからない「反田」さんの演奏を聴くのと、優勝が決まったのがわかって「リウ」さんの演奏を聴くのでは同じ条件ではなく「聴き比べ」になってしまいましたが個人的感想を記します。リウさんの音はまさに「クリスタル」で、透明感が素晴らしかったです。しかし第一楽章、第二楽章を聴いた時点では反田さんのほうがグッと胸に迫りました。消えていく音が限りなく儚く美しいのです。反田さんが弾いたスタンウェイは今までのピアノの究極の音と感じますが、リウさんが弾いたファツィオリは音が明るく、澄んだ音がします。悪く言えば「音が軽い」と言う方がいるかもしれません。しかし第三楽章でファツィオリの音の立ち上がり軽快さが生きてきました。リウさんは第三楽章を、抜群のノリで(言葉の表現方法が貧弱で申し訳ありません・・・)弾き通し、まさに、「天才が弾いている」と感じました。弾き終えると同時に聴衆だけでなく指揮者までもが興奮状態でした。コンクールなので順位をつける必要があるので仕方ありませんが優劣でないことは確かです。両者とも最高のピアニストと思います。

 

優勝した「ブルース リウ」さん。