『等伯』著・安倍龍太郎
みなさん、こんばんは。“四季の旅人”の山城道霞です。立冬が過ぎ、季節はすっかり冬。北海道に行けば雪が降っていますね。僕の地元は朝と夜の寒暖差が激しくなりつつであります。日に日に、早朝の霧が濃くなります。通勤でちょっと苦労するので毎日安全運転です。夕方、やはり暗くなるのが早まりました。夏は19時台でも明るかったのに、今は17時台になればすっかり真っ暗に・・・。これからどんどん寒くなるでしょう。体調には気を付けていきます。今日は、一度手放し、今年再び買った本を紹介します。安倍龍太郎さんの『等伯(上・下)』(文春文庫)こちらは安土桃山時代に活躍した絵師長谷川等伯の半生を描き、2012年に第148回直木賞を受賞された作品です。先述しましたが、この本は一度買い、そして古本屋で売り、今年再び買った、僕にとって珍しいことなんです。初めて買ったのは学生時代だったかな?1,2回読み、その後古本屋に売ってしまいました。表紙は長谷川等伯筆で国宝「松林図屏風」。初めて見たのは2017年京都国立博物館の国宝展で、スッキリとした構図と墨の濃淡が印象的でした。ですが今思えば、「松林図屏風」に興味は持っていたけど、あまり向き合っていなかったと思います。古本屋に売ってしまったのがその証拠です。では、なぜ再びこの本を買ったのか。それは……それはまた後日ゆっくり話します。すぐ近いので、どうか温かく見守ってください。必ずお話しします。物語は能登国(現石川県北部)の七尾で絵仏師として活躍する長谷川信春(のちの等伯)が京都で絵を学びたいと強い意志を秘めていたところから始まります。能登国の領主だった畠山氏再興の計画に巻き込まれたことで義父母が殺されてしまったことから、故郷からあちこちへ転居する日々を過ごしてしまいます。絵師としての不屈の精神を糧に、やがて京都で狩野永徳が率いる最大の絵師の集団・狩野派に挑みます。数多き悲劇に見舞われ、窮地に追い込まれながら、等伯の不屈の精神はいかにして身に付いたのか、何を悩み、何を求めていたか、そして日本水墨画の最高傑作「松林図屏風」はいかにして生まれたか…。骨太の小説でしたので読み応えがありました。ドラマ化、映画化してもいいんじゃないでしょうか?あの日の「松林図屛風」を思い出しながら、「ボクの一行」はこちら「描こうという欲はない。」(『等伯(上・下)著・安部龍太郎、文春書店下巻P.380)絵師でありながら、この気持ちになったのはなぜか。この言葉の背景には、等伯にとって数多き悲劇があったからこそ、安部龍太郎さんが紡いだ言葉でしょう。この小説での一行探しはまだ終わっていないと思います。数ヶ月経ったら、何か新しい境地にたどり着いて、違う一行と出会うかもしれないからです。この本は僕の愛読書にします。こちらのポストカード、実は某所で買いました。僕は美術館や旅先で見つけたポストカードを写真立てに入れています。季節に合わせて、水彩画、油絵、浮世絵、写真などのポストカードを入れていますね。一種の鑑賞法、みたいなものでしょうか。こうすると、まるで自分専用みたいに感じます。この「松林図屏風」は僕のもの、みたいな贅沢感。それにポストカードは100~200円で手に入りますのでお財布に優しい(笑)。季節に合わせていろんなポストカードを入れていますが、この「松林図屛風」がとても気に入り、かれこれ2,3週間ずっとこのままです。そして僕にとって一番好きな日本芸術の作品も「松林図屛風」です。次はいつ見れるかどうか分かりませんが、その日が来ることを楽しみましょう。松林図屏風や遠き島の黙山城道霞日日是好日今このときを大切に。