お父さんのお小遣いが最も多いのは高松市！
最も少ないのは意外にも山陰のあの街だった。
～消費で見るお国柄大解剖 第3弾～
お父さんのお小遣い額が最も多い街と、最も少ない街の差は1年間でなんと10万6260円、格差は2.6倍 ――― 。
総務省の家計調査によると、2011年の日本のお父さん（世帯主）の1年間のお小遣いの総額は、10万9646円と4年連続で減少。10年前の2001年の17万6503円からは、6万7000円も減ってしまった。
しかし、各地域ごとにみるとお小遣いがカスカスに削られてしまった街がある一方、逆に減少を最小限に食い止めた街もあり、かなりのバラつきがある。
お小遣い額トップは高松市と鹿児島市
そもそも、お父さんたちは地域ごとにいくらのお小遣いをもらっているのだろうか。下表をみてほしい。
これは2010年と2011年の、お父さんのお小遣いが多い街ベスト3を示したものだ。
2011年の1位は高松市で17万0438円。2位は鹿児島市で16万5073円。2010年は１位が鹿児島市、2位が高松市で、順位は入れ替わるが、高松と鹿児島の2市が上位2位までを独占した。
では、（余計なお世話かもしれないが）お小遣いが最も少ない街はどこか？
お小遣いの最も少ない街は、2年連続で松江市。2011年はトップの高松市よりも10万円以上少なく、3分の1程度に過ぎない。
表にはないが、実は松江市は2008年、2007年、2006年のいずれもお小遣いの国内最少に輝いている。5年間で4度のタイトル獲得というわけだ。松江市のお母さんたち恐るべし、と言うべきだろう。
（なお2011年全国の主な都市のお小遣い額の一覧は４ページめに掲載している）
お小遣いを最も減らされたのはどの街か？
では、金額ベースではなく、2010年から2011年にかけての変化、すなわちお小遣いを最も削られてしまった街、逆にお小遣いの削減に戦いを挑み、お父さんがお小遣いの増額を勝ち取った街ははどこか？
下表をみてほしい。
まず先に増えた都市だが、2011年にお小遣いが最も増えたのがさいたま市の4万3538円（42.2％）増、2位が富山市で3万0742円（34.7％）増で、3万円以上増加したのはこの2都市だけだ。
震災の影響？！小遣い削減1位は仙台市
気になるのは、お小遣いが減った街だが、以下のとおりになった。
削減最大は仙台市で6万0897円（41.7％）の減少、2位は金沢市で5万8556円（40.7％）の減少となった。14万円台から8万円台へ、40％以上の小遣いカットはさすがにきついと想像される。
ここまででも十分以上にお父さんたちの悲嘆の叫びが聞こえてきそうだが、さらに追い打ちをかけたい。
お父さんたちのささやかな楽しみである飲み代や家庭での晩酌代は、どう変化しているのかみてみよう。
飲み代削減1位は高知市
これは2011年1年間に、飲み代と、自宅での晩酌代の減った上位3都市だ。
飲み代の1位は高知市、晩酌代の1位は鳥取市。福島市はそれぞれ2位と3位に顔を出しているが、震災と原発事故の影響も一因だろう。
お父さんたちの索漠を描き出すことが本稿の目的ではないが、せっかくなのでお父さんの娯楽の代表格のゴルフ関連の支出をみてみよう。
ゴルフ代も大幅カットに
下表は、ゴルフのプレー料金と、クラブなどのゴルフ用具の支出が減った上位3都市だ。
ゴルフのプレー代は宇都宮市と名古屋市が1万円以上のカット。お小遣い日本一の高松市もゴルフ代は1万円削られた。
一方のクラブなどゴルフ用具は、1年間に何度も継続的に購入するものではないので、傾向は読み取りにくい。いずれにせよ1回あたりの購入金額を下げるなり、大事に使って購入の頻度を下げるなりして、支出額を削減しているようだ。
お小遣い・飲み代・ゴルフ代、全部削られた総合1位は？
では、お小遣いを減らされ、飲み代・晩酌を制限され、ゴルフはお預けで、ついでにたばこ代も減った、合計の総合ランキングはどうなっているか。
小遣い＆お楽しみが最も減った総合1位は金沢市
2011年に、お小遣い、飲み代、晩酌代、ゴルフプレー、ゴルフ用具、たばこ代の合計が最も減ったが金沢市で7万8543円の減少。2位熊本市、3位と4位は震災被災地の仙台市、福島市が続いている。（たばこ代は金額が小さいので表からは削除してある）
いずれの都市も、減少額の最大を占めるのがお小遣いで、飲み代以上のお小遣いのカットがお父さんにとって痛手であることがわかる。
お小遣いの全国平均を下回る23都市はココ
最後に、主要都市のお父さんのお小遣いの金額を、額の多い順に一覧にした。
すでに述べたが、最多は高松市、最少は松江市。
また、全国の平均は10万8627円で、平均を上回ったのが対象51市のうち28市。平均を下回ったのが23市あった。
2012年もお父さんとお母さんの熱きバトルが繰り広げられることだろう。
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