日本酒はお好き?(下)
≪日本の技と心 引き継いでいくには≫
本学学生にも見られるように、日本酒に対する若者の目は優しいものではないようだ。この現状を打開するためのメーカーの取り組みについて、大関株式会社の営業推進企画部、開発・企画グループ課長の湧田浩一さん(42)に聞いた。
■より身近な存在に
「ワンカップ大関」は、飲みきりサイズの新しい容器を提案して1964年に発売された。一升瓶が主流だった時代、斬新な容器で若年層を中心に広がっていった。永く愛され続けているワンカップ。その認知度は98%もあるそうだ。
しかし一方で「高年齢層」「酒飲み」の飲み物というイメージがぬぐえない。
「既存の愛飲者には改めて世代を超えた良さを再確認してもらうこと、若い世代にはワンカップを『知っている』というだけの位置付けから身近に感じる存在として認識してもらうために、幅広い世代に人気の貫地谷(かんじや)しほりさんをCMキャラクターとして起用しました」
日本酒の広告は“大人”な雰囲気を前面に出したものが多い。その中で、貫地谷さんが出演するCMはいい意味で変わっている。彼女のかわいらしさや親しみやすさが商品とベストマッチしていて、つい手に取りたくなるだろう。さらにCMサイト「貫地谷しほりとサシ飲み」は、画面上の彼女と会話を楽しみつつ、お酒が飲める。遊び心満載のコンテンツだ。
他にもさまざまな層の人に親しみを持ってもらうために、WEBや交流サイト(SNS)を活用した販売促進活動が行われている。インターネット上で一般女性から意見を集めて酒質やデザインを完成させた微発泡清酒「花泡香」。今年3月には、米粉を使用した新しいリキュール「こめすうぃーと350ml缶」を発売し、twitterと連動した専用サイトで話題拡散を狙っている。
多くの人の心をつかむ販売戦略を展開している大関。だが、湧田さんは「若年層に楽しんでいただけるお酒の提案をしていますが、大きな広がりを作れていないのが実情です」と問題点も指摘する。
若者の日本酒離れの要因として、食生活やライフスタイル、飲酒シーンそのものの変化が考えられる。さらには、アルコール度数の高さからくる“悪酔い”イメージがついてしまっていることも挙げられるだろう。それらに対応するには、若者のライフスタイルや価値観に即した新しい日本酒の提案が重要だという。
■必要な「形」の変化
では、日本酒を若い世代に継承していくために、新しいものを生み出していく際の企業側の姿勢とは、どのようなものなのだろう。
「日本酒は日本伝統の文化であり、そのたぐいまれなる伝承の技と日本酒の持つ良さを『国酒』として未来に残していきたいです。そのためには、変化に対応すること、日本酒の良い部分は大切にしながら、必要に応じてカタチを変えていく。時代に即したスタイルを提案し続けたいと考えています」
時代とともに人は変わっていく。それでも伝えていきたい日本の技と心。先人の志をどう受け継ぐかは、私たち次第だ。(今週のリポーター 学習院大学 学生有志/SANKEI EXPRESS)
【編集後記】
■「大人になる瞬間」まで日本酒は待ってくれている
「おじさんくさい」
日本酒が好きだと言うと必ず言われる言葉。こんなに美味しいのに…と悔しくなり、本企画を立てた。
「若者の日本酒離れ」に関して、現在模索中で、具体的な方策は伝えられないといくつかの企業に取材を断られた。企業側もこの問題を深刻に受け止めているからこそ、答えを見つけかねているようだ。
なぜ飲まないのか、飲んでもらうためにはどうすべきか。そんな視点で進めてきた本取材。その中で、斬新な視点も見つかった。
「若年層はまだ味覚が子供」というものだ。つまり、複雑で奥深い日本酒の味わいを良しと思えるのは、本当の“大人”になってからという考え方だ。
若者に受け入れられるために、日本酒が変わることも必要かもしれない。だが私たちが大人になることを待っていてくれるおおらかな存在。日本酒の真骨頂は、そこにあるのだろう。(学習院大学 学生有志 加藤絵梨香)
お酒を飲むことで大人になれると思っていた。でも日本酒はやめておく。何だかおじさんぽいし。甘いカクテルだってお酒だもの。
しかし、ポテトフライをつまみにカシスオレンジを飲むことで、本当に大人のお酒の楽しみ方ができているのだろうか。
お酒に対する好みが人それぞれ違うものであるように、お酒に対する価値観も人それぞれ。日本酒を「おじさんくさい」とみるか、「洗練された大人の酒」とみるか。
人の価値観は不変ではない。きっと日々を重ねるごとに変わっていく。だからこそ、まずは一度実際に飲んでみることが大切だ。あさ開の試飲会場で丁寧に造られた一口を飲んだとき、うまい刺し身と一緒に冷酒を飲んだとき。私は素直に「美味しい!」と感じた。
大人になろうと無理に背伸びする必要はない。しかし大人になる瞬間は、きっといつか誰にもやってくるのではないだろうか。(学習院大学 学生有志綱島成美)
CM「貫地谷しほりとサシ飲み」は貫地谷さんと会話を楽しみながらワンカップを飲める、新しい趣向のサイトだ http://www.ozeki.co.jp/sashinomi/index.html
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