　この日は友達と遊んだ。高校からの友達で、気が合うと断言できる、数少ない友達の一人だ。遊びといっても、メインは焼肉。

　奮発して少し高めのところにしようということは前々から決めていた。

　17時、早めではあるがさっそくお店に向かった。雨じゃん最悪！というやりとりはしたものの、正直僕はそんなことなどどうでもよくなっていた。そもそも、オシャレに興味のない自分にとって、雨など少し不快というだけで、被害なんて大袈裟なものを被ったりはしない。まあ、晴れに越したことはないけれど。

　お店は見るからに高そうだった。全体的に白く塗装されており、入り口の上部には銀の牛が施されていて、焼いた肉とはむしろ対象的な色合いをしていた。

入りにくい。

　もっと大衆的でいいのに。そう思いながら、顔の引きつりをどうにか抑えつつ僕たちは入店した。

　緊張は長引いたものの、店員さんに愛嬌があったおかげで、多少は表情も和らいだ。

　値段は１人７５００円。普段行くお店は、食べ放題で約３０００円。二倍強だ。学生の僕たちにとっては十分高い。

　ヒーヒー言いながら注文し(言ってない)、友達と顔を見合わせて、またヒーヒー言いながら肉を待った(言ってない)。そして、肉の盛り合わせが出てきたときに、僕の顔はまた少しひきつっ

た。

あっ眩しい。

　人によっては大したことなんかないのかもしれないけれど、僕には十分なインパクトだった。

　丸いさらに丸い醤油皿ではだめなのか。

味もやはり普段とは全然違う。シャトーブリアンなんか僕の大好物だ(今日から)。ウニと肉を同時に食べたのも初めてだ。いくらでも食べれる。

　店員さんが焼いてくれる形式なのだが、こうも焼き方が違い、味も違うのかと驚いた。さっさっと油を塗った網を肉で撫で、数秒間だけ片面ずつ焼き、お皿に盛りつける。なんというか、おシャレだ。やるじゃん。

　食べ終わったころにはお腹は8～９分くらいで、焼肉食べ放題後のあの独特な気だるさ(胃もたれ)とは無縁な、気持ちの良い気分でお店を出られた。よかった。非常に良かった。ぜひまた来たい。

　その後は、TOHOシネマで「記憶にございません」を見て、感想について話しながら帰路に就いた。

　映画はなかなか笑える部分も多く、終始コミカルな雰囲気で、気を張らずに見ていられた。　なんだかんだ王道でそこそこ満足できるものだった。

2019 9/22(日)