10月の半ばに、市役所から届いた認定結果を見て驚いた。
嘘だろ、と思った。要介護2から要介護5になっていたのだ。
いわゆる要介護5の状態とは、介護度合が一番重い状態である。
要介護度基準を見ると、①寝たきりのことが多く、日常生活全ての場面で介助が必要である。②理解力や判断力に乏しく、意思疎通が困難な場合が多い。、とある。
自分はそこまでじゃないぞ!
と思ったが、先月の認定調査で市の認定調査員からそう判断されたのは事実である。とてもショックだったが、最近の自分の状態を見直してみることにした。
「すくみ口」と体重の減少
パーキンソン病の運動症状の一つに「すくみ足」があるのはよく知られている。
「すくみ口」というのは聞いたことがなかったが、今年に入ってこの症状が出てきた。
食事中にスプーンを口の前に持っていっても、口が開かなくなるのだ。いわゆるオフになった状態のようであり、一度なると口を開けることががなかなかできない、という厄介な現象だ。
食べ始めて20分位過ぎると、頭がぼうっとし始めて、突然手が口の前で止まってしまう。姿勢を変えたり、水分を補給したりすると動き出すのだが、面倒なことこの上ない。
結局食べるのに、ひどく時間がかかるようになってしまう。朝食に1時間かかるのはザラで、夕食を食べるのには2~3時間かかる場合もある。夕食を午後7時に食べ始めて食べ終わるのが10時になるなんて考えられない。
片付けをする妻にも迷惑がかかってしまうので、途中で食べるのをやめてしまうようになった。すると徐々に体重が落ちてきて、昨年末には52kgだった体重が、6月には44kgまで減少してしまったのである。
「嚥下に問題あり」
週2回言語聴覚士からリハビリを受けているが、私は食物を飲み込む力が弱っているそうだ。確かに、前述の「すくみ口」と関連して、口の動きに問題がある、と感じている。
例えば、何かかたまりを飲み込むときには注意しないとのどに詰まらせてしまうことがある。以前梨やパン、ブロッコリーを飲み込むときにのどに詰まらせたことがあった。
また水を飲むときにむせやすいので、必ず顎を引いて飲むように指導を受けている。
そのほかにも、食べ物が口の中(歯茎と上あご・下あごのスペース)に溜まりやすいのも舌の動きがよくないせいだと思われる。
「歩けなくなってきた自分」
昨年から外を歩くときは、歩行器を使っている。家の中では、先に横棒を付けた杖の先をまたぐことですくみ足を解消して歩いているのであるが、最近はどうもうまくいかない。
というのは、私の体は以前から右に大きく歪んでおり、このため腰痛がひどい。特に夕方以降は右足に体重をかけると腰に激痛が走るのだ。こんな状態では歩くこともままならない。
この夏は異常に暑かった。このため外に出て歩くことをさぼりがちだったために「すっかり歩行器を使っての自主トレが出来ず、結果歩行器を使っても、すくみ足が頻繁に出て歩けなくなってしまった。
家の中でも杖を使ってもなかなか足が前に出ないので、見かねた妻に手引き歩行でトイレに連れて行ってもらっている。妻が不在の場合は恥ずかしいことだが、間に合わない場合もあるので、リハビリパンツにパッドを付けてはくようにしている。
「担当者会議にて、決まったこと」
このようにみていくと、どうやら自分は絶対要介護5ではないぞ!と言うことに自信がなくなってきた。
10月24日に我が家で、私の要介護5の認定結果について、ケアマネジャー主催の担当者会議が開かれた。メンバーは、ケアマネ、私の通っているデイサービスの責任者、介護用品レンタル会社の担当者、私、妻、息子、娘の7人だ。
会議では、私に対する妻の介護負担を減らすことを中心に話し合いが行われた。
先ずは家の中で使う車いすをレンタルすることを決めた。これにより、私を移乗する負担が減ることになる。
また、妻の気晴らしをはかるため、私を介護施設のショートステイに入れる手続きを進めることにした。ひとます、来年早々に2日間入るように手配する予定だ。
また、私用に介護用ベッドをレンタルすることも決めた。
私自身については、一人で外出しない、外出時は車いすか、歩行器を使う場合も必ず付き添いをつけることになった。
といったように、私の要介護5認定に従っていろんなことが決まったのだった。
写真は、室内用の車いすに乗る私
「要介護5をどう考えるか。」
実際にかなり病気が進行しているのは、まぎれもない事実である。
ただし、前述の「すくみ口」の問題に対しては、ご飯を柔らかくしたりおかずを小さく食べやすくしたり、食事の形態を変えて対処している。また、どうしても口が開きずらい場合は、食事の介助をお願いしている。
瘦せてしまったのには、極力間食を取るようにしたり、エンシェアドリンクを1日に2缶飲むようにしている。それでも体重は増えずに現状維持がやっとである。
嚥下の問題は結構深刻で、放置すると誤嚥性肺炎を誘発するかもしれないので、毎日舌を動かす訓練を必ずやるようにしている。
また、一人で外出することを禁じられてしまったのにはショックであるが、危険を回避するためなので仕方ないといえる。ただこのままだと、一切歩くことができなくなるのは確実である。はたしてそれでも良いのか。
要介護5になったことをいつもリハビリを担当してくれている理学療法士の先生に打ち明けたところ、こう言われた。
「横山さん、要介護5の人にはそれだけの介護サービスを使ってよいと認められたんですよ。そんなに落ち込むことはないですよ。」
彼は優しくそう言ってくれたのだが、何だかなー、という感じではある。
そうだ、いったんは要介護5になったことを、受け入れよう。
その上で、再び要介護3までに認定されるように、努力しよう。
それには、もう一度自分の体を見直しして、出来ることを少しずつでも増やしていくことだ。
私の所属するパーキンソン病の患者会の先輩(50歳代・女性)の言葉で、私が大切に思っている言葉がある。
「この病気の人が、大事にしなければならないこと、それは、姿勢、呼吸、血流、それに笑顔です。」
「10年後に良くなっている自分を信じて日々頑張ろう。」
「何でもよいから毎日続けることを持つことが大事。継続は力なり、です。」
彼女の言葉は、私に勇気を与えてくれる。
