スキルス胃がんは有名なのでよく知っている人が多いと思います。5年生存率が10%も無いため恐ろしいがんとして有名ですね。

一方で、印環細胞がんと言われてすぐに分かる人は医療関係者か余程マニアな一般人ですw

何故こんなことを言い出したかというと、印環細胞がん=スキルス胃がんという話がよく出てくるからです。

ちなみにそれぞれをざっくり説明すると

印環細胞がん・・・未分化がんという悪性度の高いがん細胞の一種。名前の由来は細胞が指輪のように見えるから。sigとか略されたりしています。ほとんどが胃で見つかりますが稀に他でも見つかるからしい。

スキルス胃がん・・・胃の粘膜内を這うように進行する胃がん。その結果、胃全体が硬くなる。ちなみに、スキルスはギリシャ語で“硬い”の意味らしい。

要するに、印環細胞がんががんの種類を指していて、スキルス胃がんは病巣の進行の仕方を指しているわけです。

それでもこの2つの言葉がよく出てくるのは、スキルス胃がんのほとんどは印環細胞がんタイプだからです。

ちなみに「早期のスキルス胃がん」という言い方は正しくありません。というのも、スキルス胃がんは胃が硬くなっているのですから病巣は結構進行してしまっているものを指すからです。ですので「早期のスキルス胃がん」は「軽い重症です」と言っているようなものです。スキルス胃がんの中ではマシな方、程度の意味では正しいですが、「早期ガン」の早期とは随分意味が違うわけです。

ここまで来ると、なぜスキルス胃がんの5年生存率がめちゃくちゃ低いのか理解できると思います。そもそも結構進行しちゃったタイプを集めてで集計しているので予後が悪いのです。

もっとも、それ抜きにしても印環細胞がん自体、見つかりにくい、30代以下でもなる、転移が早い、高確率でスキルス胃がんになる、と胃がんの中では最悪クラスのがんなことには変わりありません。

患者やその家族としても、正確に病状を把握しないといけないですという話でした。