自転車の後ろに座る息子から掛けられる声。妻が入院中、お迎えに公園にと当時年少の息子を乗せて自転車で色んなところへ行った。
先日タイヤの空気を入れていた時のこと。息子もあと数か月で小学生…。「もうこの席いらなくなるんだよな…」そう思った時に昔読んだあるママの投稿を思い出した。
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<ある育児応援サイトへの投稿>
息子が小学生になった時、もう乗せることはないからと、自転車の後ろにつけていた子供用座席をはずしたんです。長く使っていたのでいたるところが錆び付き、ドライバーを使ってもなかなか外れない。
必死になって外しながら一息ついたとき、急に涙が溢れてきました。
私は車の運転が出来ないので、息子とどこかに行く時にはいつでもこの自転車と一緒でした。
具合が悪くて小児科に行く時、寒くないようにバスタオルで息子をくるんで乗せたな…。
幼稚園バスに乗ると気持ちが悪くなるからと、毎日二人で歌を歌いながら幼稚園に向かったな…。
春は桜を見上げながら、夏は汗びっしょりになって、…。
冬はだるまさんのようにモコモコにさせて…。いつも二人、この自転車と一緒だったな…。
「ママ、あのね・・・」
「ママ、おなかすいた」
背中から、いつも息子の声…。
毎日何気なく、当たり前のようにしていたことがもうできないんだ、と思ったら涙が止まらなくなりました。
早く大きくなればいいのに…。何でも一人でできるようになればいいのに…。
早く自分の時間がほしい…。早く…。
ずっとそう思っていたはずなのに…。今はどんなに望んでも、あの頃に戻ることは出来ません。
長い間、ありがとう。これからもママがんばるよ。そう言ってさよならしました。
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改めてこの投稿を読んだ私は、『今しかない』子どもたちの一瞬一瞬を脳裏に焼き付け、噛みしめながら過ごしていこうと改めて思った。