★2019年に「MDS→AML」になった妻・移植までの日々を夫の目線から振り返ります★

 

<タオル帽子を彼女に>
 
 いよいよ抗がん剤が始まる…。 ある方の闘病記に、「キャップの中が蒸れて不快…」という投稿があった。それをみて妻に通気性のよさそうな帽子を探すことにした。そして、”フェイスタオルから手縫いで作った『タオルキャップ』”の記事を見つけた。

・「治療中の親友にかける 言葉がなく思い悩んでいる時に、この帽子を知りました」(40代女性)

「岩手ホスピス」。この団体では、「縫い仕事なら手伝える」とボランティアを申し出たお年寄りなど、12人のボランティアの方がフェイスタオル1本から手縫いで1個の帽子を作っている。材料費と送料として1000円で、型紙と見本の帽子を送っていただける。

抗がん剤の影響で抜けてしまう髪。私も妻にうまく言葉で応援の気持ちを伝えることができなかった。この団体がいうように、確かに心に寄り添うことには、特別な言葉はいらない。

 届いた帽子は、肌触りが良くて私は妻が喜んでくれるかなと思った。私の気持ちだけでなく、何より作った人の思いも伝わる。


 そして、ママはベッドで子供たちに、”どうしてママの髪の毛は抜けか”を伝えるためのイラストを描いていた。

「ママのかみのけは、わるいキンといっしょにぬけちゃいまいた」。

 こどもたちも少しは理解できたと思う。ママ頑張れ。髪と一緒に、悪い菌が無くなるように…。こころからそう思った。