例えば先日は、海に行こうと思っていた。かねがね考えてはいた。最初に思いついたのは平日で、もう何もしたくない、どこかに逃げたいという思いが手短に現れたのがそれだった。しかし結局延期に延期を重ね、土曜だって行けはしなかったのだが、先日の日曜は週末最終日であるから、せめてあの日には行こうと思った。8時半に起き、身支度を済ませて、10時にはすでに出立の用意はできていた。

が、外に出ようとした途端に体が動かぬ。微かな眠気、動かない体。私はベッドに入った。横になるくらいの気力はあるのだが、それ以上ができない。結局そのまま寝入ってしまった。

そして起きたのは既に夕方午後の5時。早めの夕食を取ってから睡眠薬(デエビゴ)を入れて眠る。元々睡眠薬がなければ寝入るのに1-2時間は平気でかかっていた。それが30分もしないうちに入眠できるというものなのだから助かったものである。夢も見るが巷で言うほどの悪夢を見ることはあまりない。見るには見るがいきなり覚めるほどのものでもなし、ありがたいものではある。

代償として、ずっと気怠くなった。これが一体デエビゴのものであったか、あるいはインチュニブの静穏作用のせいかは知らぬが、動けなくなった。意欲はあるのだ。海にも行きたければ都市部に観光にだって行ってしまいたい。が、体がいうことを聞かない。動かす時と言えば、大学や予約した病院などである。義務感でしか動いていないのだ。精神科の医者にかかってみれば、「引きこもりになりかねない」と言う。処方した立場の人間が呑気なものである。

時たまに用事があって夜遅くまで事務をやり、途中での休憩や終わった後の気晴らしに外の風に当たると、涙が出そうになる。自分は一体何をしているのか。この歳になるまで何をして、何を感じて、結局こうなったのか。逡巡する。批判する。できることなら、そのまま死んでしまいたくもなる。しかしそれをする気力もないまま、肩を落として部屋に戻り、ベッドに潜るのだ。