オレの場合「このステージが終わったらどこで飲むかな」くらいのことしか考えてないな。
そうなんですね。
まぁ、強いて言えば「ZONE」で弾いてるな。
ZONEですか。
「ZONE」と言ってもこの「ZONE」じゃないよ(笑)
初めてギターを手にしてGのコードをバーン!と弾いた時からZONEを感じたね。
ZONEとは過酷なトレーニングの末にたどり着く悟りの境地なのではないでしょうか?それが初めからあったと?
うーん、ちょっと誤解しているようだな。ZONEは誰にでもあるんだ。例えばラーメンを食べるとするだろ?一口目「美味い」。まずはこれがZONEだ。完飲するまでめちゃくちゃにすすりまくる。すると、この人はラーメンを全てZONE内で堪能したと言える。だが、普通は、塩分が、、、とか、糖分が、、、とか匂いが、、、とか、、、色々考えちゃうだろ?こういう食べ方はZONEを出たり入ったりしてると言える。
そうなんですか。
オレにとってそういう不純物は、例えば4バースだな。アレの時は全くZONEから外れて単なる気弱なおっさんに戻ってしまう。だからオレの音楽には4バース的なものはあまりないんだ。
4バースはドラムの見せ所であり、ドラマーのためにやってあげないといけないと聞いたことがあります。
はァ!?ドラムの見せ所は「曲の最初から最後まで」に決まっているだろう?4バースしか見せ所がないなんて、そんな退屈なものじゃないんだドラムって奴は!!
失礼致しました。話を戻しましょう。全てZONEで弾いているということは、コードやメロディ、リズムなどは全く考えずに、直感だけで弾いているということですか?
ジェームスブラウンは「あなたの歌はほとんど叫んでいるだけに聴こえます」と言われた時「そうだ。だがコード進行にのっとった上でシャウトしている。そんなことはオレにしかできない」と言ったそうだ(笑)。エラフィッツジェラルドのスキャットは全て書きソロだったという説もある。
そうなんですか?
彼等のサウンドを聴いてどうだ?エモーショナルそのものだろ。ZONEにいるっていうのと何も考えてないのは違うんだよ。