まだ一月は終わってませんのでぎりぎりで"初春"と言えそうです(笑)

 
 
さて, 日本に帰国した際にはコンサートをしました。
 
 
 
会場は, 長年大変お世話頂いている, 目白にある古民家ギャラリー "ゆうど"
 
 
 
 
 
 
素晴らしい空間でしょう! こんな場所が東京のど真ん中に存在するのです。
 
 
 
異次元への入り口。
 
 
ゆうどの主, ネコのトラちゃん。
隣のタワシそっくりな姿に...!!(笑)
 
 
植物の輪。本物の植物で作られています。
 
 
 
この大好きなゆうどで, "イスラエルからの歌便り"と題したコンサートを開催しました。
 
 
 
告知はFacebookのみ, イスラエル大使館の文化部に宣伝をシェアして頂いていましたが, いったいどのくらいのお客様がお見えになるか全くもって未知数でしたが, 蓋を開けてみたらなんと満員御礼と相成りました...!!
 
 
 
今回のテーマは"歌による男と女の融合"
 
 
 
女性が歌い継いできた, セファルディの民謡, そして, 本来は男性しか歌うことが許されなかった, ユダヤの聖歌 "ピュート"。
 
 
 
セファルディの民謡は, 彼らの母語であったユダヤ. スペイン語である"ラディーノ語"で歌われるのに対し,
 
 
 
 
聖歌ピュートは祈りの言葉であるヘブライ語で歌われます。
 
 
 
 
そして, このピュートのスタイルを発展させ, より洗練された詩に仕上げていったのは, 他でもないセファルディのラビ(ユダヤ教の導師)たちでした。
 
 
 
 
その詩の内容は, ユダヤ神秘主義. カバラーの内容を含んでいることも多々あるのです。
 
 
 
 
共演は, いつもご一緒させて頂いているマルチ. パーカッショニストでアラブの琴. カーヌーン奏者でもある海沼正利さん。いつもながら素晴らしいサポートをして下さいます。
 
 
これがカーヌーン。
なんと一音(例えば"ド"の音)を9分割することができてしまいます!!
 
 
 
なので1オクターブはピアノの黒鍵, 白鍵で数えると音は12音から形成されている訳ですが, このカーヌーンではなんと...72音を形成する仕組みになるのです。
 
 
 
 
コンサートの休憩にはお茶菓子を振る舞わせて頂いてます。
 
 
私がイスラエルから持ち帰ったアーモンド, ピスタチオ, ナツメヤシを使って, こうだりょうたさんが料理のマジックを。
寒天を使ってそれらを固め, 上からナツメヤシのシロップをかけ, キャラメリゼした胡桃を添えた一品。香り高いペルシアンティーを添えて。絶品でした。
 
 
なぜペルシアンティーか?
 
 
ペルシア(今のイラン)にもユダヤ人はいて, テヘラン, イスファハーンなどに大きなユダヤのコミュニティがありました。その中で, ペルシアのメロディーがついたピュートの歌があります。
 
 
 
ペルシアだけではありません。
 
 
 
バビロニア(今のイラク)に伝わってきたメロディー, イエメンに伝わってきたメロディー, モロッコに伝わってきたメロディー, それぞれ地域によってメロディーは変わってきても, その歌詞はヘブライ語による同じ内容の祈りの詩, それがピュートです。
 
 
 
そして会場には, ナカジマミサコさんのカバラージュエリーも。大人気でした💖
 
 
 
これは "四大天使の祈り"のペンダント。
ヘブライ語で書かれている祈りの言葉の中には, "ミカエル, ガブリエル, ウリエル, ラファエル"という, 大天使たちの名前が記されています。
 
 
 
 
お気付きでしょうか? この大天使たちの名前の末尾には必ず "エル" という言葉が入ります。
 
 
 
 
この"エル"という言葉は, "神様のあだ名"。
 
 
 
みだりに名前を唱えてはならない神様の名前の変わりになる言葉, つまりこの大天使たちは, 名前に "神" の名が入っている, 正真正銘の"神の御使い"である, ということなのです。
 
 
 
 
コンサートで歌った曲の中には, 11世紀のスペインに生きた, シュロモー. イブン. ガビロールというラビによって書かれた "Shechi lael"(シェヒ. ラエル)というピュートを歌いました。
 
 
 
 
"神に向かって頭を垂れる"という意味で,
 
 
 
私が親しくしている, ユダヤ教の戒律を守って生活している友人によると, この歌は安息日の朝, できれば起きた時に歌うのが良くて, そうすると天使がやってきて共に歌うことになるだろうと, 
 
 
 
 
ウソみたいな, 冗談みたいなことを真顔で話すのでびっくり(笑)
 
 
 
他にも, 宗教的な大学, バルイラン大学での"ユダヤ神秘主義入門"の授業では,
 
 
 
"通常, 天使は何千, 何万といて, 神からの伝令を実行する。普通の天使たちには名前がない。なぜなら, 彼らは命令を実行すれば役目を終えて消えてしまう。今もその辺を飛び交っている。消えずに存在するのは, ミカエル, ガブリエルら, 名前を持つ天使たちのみなのだ"
 
 
 
ということを, ごく自然に真顔でしゃべるわけです(笑)
 
 
あらら, ピュートと天使の話でだいぶ長くなってしまいました。
 
 
もう一つ, 非常にマニアック, かつかなりおもしろい話が。
 
 
今回のコンサートでも歌った歌で,
 
 
私が長年, 疑問に思い続けて, それをテーマに論文を書こう, ということに至った話,
 
 
 
しかもこれは, "歴史の裏話"とも言うべき, ミステリアスに富んだ話,
 
 
 
それは, 17世紀に現れた, "偽メシア", (しかもセファルディ) そしてそれに関する歌,
 
 
今ここから始めてしまうと長くなるので, これも続きはまた次回に...!(To be continue率が高い^^;)