1月某日、1組の友人カップルが籍を入れた。

実にめでたい。が、カップルとして過ごしていた期間がそれなりに長かったのと、
それぞれ"個"としての認識が強すぎて、傍から見ていると何かが変わった感はない。

よって掛け直す色眼鏡も貼り直すレッテルも存在しない。まあセットとしては扱うが、相変わらずよろしくというくらいだ。

案外双方が知り合いならそういうものなのかもしれん。

それはそれとして、どこかの機会でちゃんと祝わせていただこうと思う。

 

彼らは婚姻届を提出した2日後、新幹線に乗ってスノボ旅行に行った。
夫婦としては初めての旅行ーー

 

 

 

 


ーーーーに、この無職(僕)が!?

 

どういうことだろう。

 

いや、元々7人くらいでのスノボの予定だったんだ。

急用で人が増えたり減ったりしてなんかそんな感じになってたんだ。
そしてペアルックウェアで新婚ホヤホヤ夫妻の横に全身ワークマンウキウキ無職という珍妙な光景になっただけなんだ。

夫妻と一緒と考えるから不思議な響きになるだけなんだ、
ペアと一緒にスノボ旅行と考えれば……
ほら、俺あれだから、ギラティナみたいなもんだから
ディアルガとパルキアがペアだとしたらギラティナいても不思議じゃないから……

 

 

🤔?

 

 

というわけで、やってきました湯沢駅。
あまりにも白すぎる。俺の履歴書かと思ったら"外"だった。

 

駅出た瞬間からもう空気が違う。
フリスク食った後にしか感じたことないくらい胸がスースーする。

 

眼前にはキッサキシティ(ポケモンDP)でしか見たことがないような
足跡もすぐ消えそうな雪(ギラティナ自認の崩壊)

 

目的地へ向かうバス停は、マイ板を持ったボーダー達の列だった。

 

僕の前に並んでいた若い女性に
「すみません、タバコ吸いたいのでちょっとボード見てもらっていいですか?」と声をかけられたので
「あ、はい見てますよ」とボードを受け取ろうとしたら
「……?あ、置いといて大丈夫です!」って言われてさっそく超恥ずかしかった。

 

こんな大量の雪を見るのもスノーボードも初めてだし?
なんか持ってないと勝手に滑って行っちゃうかと思ったし?
(頭の中がコミケの最後尾札だった。)

 

 

バスに揺られて60分、苗場スキー場に到着。
映像越しにしか見たことない雪まみれの電話ボックスに
感動するあまりバスの中から写真を撮った。

 

 

 

 


ほんとうに実在するんだあれ……
あれが実在するなら高校生カップルがえっちなことする専用の
バス停とかも実在するのかもしれない。

 

リフト券を引き換えて、

秋田から来た熟練スノボ夫婦や、ゆかいな仲間たちと合流し、

靴の結び方からボードの付け方まで教わった。

 

リフトは実はかなり怖い。すべてゴンドラだと思っていたが、

ドンキーコング3、ベニーのリフトタイプがほとんどだ。

 

 

      ベニーのリフト 落ちたら死ぬ

    

 

 
   ヌルっと滑ったら余裕で10mは転落しそう。

 

最初はかなり怖かったが、もし落ちる時は隣の新婚のイケメンも一緒だから

プラマイで考えたらオトクかもしれない🤔と思ったら恐怖は薄れた。

 

 

 

実際にボードを装着したのは、

中級者コースのリフトを降りてからだった(舐めプ)

 

まず立てない。

片足に装着した時点で勝手に板が進んでいく。
両足に器具を固定してから立つ?正気か?
リフトは乗るときは片脚だけ固定して、降りる時は片脚ボードで降りる。正気か???
もうこれ転がり落ちるしかないだろ……等と半ば諦めモードでいると、

 

スノボ熟練秋田夫婦に
「斜面に向かって踵で体重をかければ止まるから!」
「俺たちにはいくらぶつかってもいいよ」

とありがたい言葉をかけていただき、夫の腕をグイグイ引っ張り、

嫁に引っ張り上げられ、ロズウェル事件になること30分、ようやく立ち上がることが出来た。

 

                          ロヅウェル事件

 

立ち上がるまでにここまでかかるんじゃ滑るなんて……と思ったが、

一度立ち上がることに慣れてしまえば案外こっちのモンだった。


最初は転びまくったが、やはり斜に構えることに関しては天賦の才があったのか、
斜面に対する体重の掛け方が自然に身体に染み付いて、

1時間もすれば木の葉で滑りながらピタっと静止できるようになった。

 

それでも、吹雪が強くなってくると、麓が見えないほどの距離を滑るのは怖い。

ドンキーコング無印でしか見たことがないような雪山を、これから滑らないと

降りられないのか……?

 

 

        落ちたら死ぬ!

 

 

 

    ドンキーコング ふぶきの谷

 

 

―――けど、

この旅行から帰ったあと、
2000円しか銀行口座にない、
三十路無職童貞職歴無しの人生を生きることに比べれば、
こんなもの、怖くもなんともない――
―

 

スタートから約4時間後、ナイターの雪山にて。
木の葉を交えつつボードを縦にしながら中級者コースを

一度二度しか転ばずに滑り降りる三十路が爆誕した。

 

イケメン新夫も僕と同じくほとんど初心者だったが、

同レベル同士、切磋琢磨し慰め合い、トライ・アンド・エラーを積み重ね、

互いに木ノ葉崩し(木の葉をやめてボードを徐々に縦にしていく様子)を身に着けていた。

 

こうして1日目が終了。

秋田のスノボ夫婦は日帰りだったので別れたあと、

我々はナイターで少し滑った後ペンションへ向かった。

自分たちが滑る時間を削ってコーチングをしてくれたお二人に感謝感謝なのだった。

 

 

1日目が終わり、ペンションで酒盛りをした翌日。

ペンションのドアが一部雪に埋もれて封鎖されていた。

マジかよ。

 

愉快に朝食を食って、他に予定のある方々とはお別れして、ふたたび最初の3人でゲレンデに向かい二日目開始!

 

スキーをしていた新婦もスノボに履き替え、イケメン新夫と僕は引き続きスノボだ。

 

しかし、そこに待ち受けていたのは昨日よりひどい猛吹雪だった。

 

一日目が「ふぶきの谷」だとすると、

二日目は「ふたたび ふぶきの谷」だったのだ!

 

 

誰に伝わるんだこの比喩。

 

 

激しい吹雪により山頂付近行きのゴンドラは止まり、前はろくに見えず、

顔はハリセンでずっと叩かれているような痛みだ。

 

ただ我々の闘志は燃え尽きていなかった。

リフト売り場に隣接されたカフェで、吹雪がおさまるまで温かいコーヒーを飲みながら、

ショート動画でS字カーブのやり方を研究し、約1時間イメトレに励んだ。

 

昼になると吹雪は収まり、少し休んだことで我々のコンディションも絶好調だった。

 

30分間が3分間にわたるゲレンデマジック時間の中、

残り2時間を滑るに滑り倒し、バスと新幹線の時間ギリギリ、泣きのラスト1本!

 

僕とイケメン新郎野郎はS字ターンを成功させたのだ!

麓近くの比較的ゆるやかな傾斜ではあったが、我々は確かにS字ターンを描いて最後の1本を滑り終えたのだ!

 

「うおw俺は出来たぜ〜w」と後ろから見ていたら、

最後の最後でイケメンの目立つ蛍光色のウェアが

確かにゆるやかなS字を描いていたのだ!

 

やっぱ何事も同じレベルの人間と切磋琢磨しながらやるとおもしれえ……!

 

 

こうして我々のスキー旅行は終わった。

いや思ってた数百倍オモロかった。

ゲームとインターネットが無ければスポーツマンになってたかもしれん……

三十路まだイケるやん……

 

 

ゴルフとかアーチェリーとか、まだやったことがない他の事にも挑んでみたら

案外楽しいかもしれないと思えたそんな旅行でした。いや今度はスキーもしたい……

 

 

帰りの湯沢駅で日本酒をワンコインでガブガブ飲める施設で遊び、

お土産を買っていたら新幹線発車3分前になってかなりバタバタしたが、それはまた別のお話……

 

 

 

 
 

旧約聖書では"エデンの園"と呼ばれる場所 禁断のきゅうりが1本150円で売っている。

 

 

 

                新郎新婦のお二方

 

 

 なんないい写真が撮れてしまったので、己のカメラマンの才能に舌打ちしながら保存しました。

お世話になりまさした!めちゃくちゃ楽しかったです!