1984/11/1 ムック「女子プロレス 炎のコノヤローッ!!」発刊 極悪特集その① | 時系列でみる! 極悪同盟 ダンプ松本 ファンブログ

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極悪同盟(特にダンプ松本さん)のプロレスを時系列で整理します。思い入れのある雑誌処分のためブログに残して廃棄します。「テーマ別」で時系列で閲覧することができます。妄想で書くこともしばしばですが1年(+α)かけてやる予定です

このムックは、フジテレビ放送中に志生野さんが「こんな本が発売されました」と盛んに宣伝していた、第三次女子プロレスブームの最初の大々的なムックだと思います。

その中できちんと極悪同盟も取り上げられています。

極悪部分のみ抜粋してみます。

 

 

 

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地獄の底からやってきた恐怖の使者、極悪軍団登場!

熱気ムンムンの場内。リングだけがポッカリと浮き上がっているような照明。リングスターたちが戦う四角いジャングルだ。

観客はその薄暗い光のなかで、出てくる目当てのレスラーを何かソワソワしながら、待っている。鉢巻きをしめて、ハッピを着込み、メガフォンを持っている女の子たち。ポケットカメラをジッと握りしめている娘。ひいきのレスラーのポスターを抱いている少女。「リングスター」という本を読み漁っている男の子。ウチワで扇ぎながら、ジッと触っている女性。ただ腕組みをしているオジサン。

 

色々な人がそれぞれの姿の試合が始まるのを待っている。心の中も様々だ。「千種、絶対に勝って・・」「飛鳥、早くこないかなぁ」 熱い思いを秘めたファンは一様にソワソワしている。デートのときの待ち合わせの心境に似ているだろうか? 心の熱さはますます、場内の気温を高める。どこか、ライブコンサート会場に似た雰囲気が漂う。

 

これから始まるであろう死闘の結果は誰も知らない。が、リングの上では強烈な生体エネルギーがぶつかり合い、その波動が人々の心を感動へと導くことを誰もが知っている。

 

突然、場内の雰囲気がガラリと変わる。そのとたん、大洪水のように流れだした喚声が耳をつんざく。クラッシュギャルズだ! 日本のマットに革命を起こし、世界をも狙うクラッシュギャルズの登場。早くも場内には紙テープが乱れ飛び、リング上は極彩色に包まれた。会場には黄色い声が飛び交い、興奮の渦が包囲する。今にも、爆発してしまいそうなファンたち。

 

と、急に、その興奮をかき乱すように、まるで地獄の底から響いてくるようなヘビーな音楽が流れてきた。場内の空気は悪魔のはき出す息のようなものへと変化しようとしている。ドロドロとした悪の空気と善の空気は、対流となってリング上で渦巻き始めた。

そのとたん、いつもは熱狂したファンによって塞がれる花道が、まるでモーゼが紅海を渡るときのように、サーッと開かれた。その道から遠ざかるファンたちは、君子危うきに近寄らずといっ心境が・・。

そしてついに、見えてきたのは白地に黒々と"極悪"と染めぬかれた悪の象徴、極悪フラッグだ!

極悪軍団の入場。

戦いの聖地であるリングを死者たちのひしめく地獄にしようと極悪軍団がいま来た。

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リングの暴走葉極悪軍団、花をもけ散らす冷血漢ぶり

極悪軍団の先頭に立っているのは、 いかにも悪の真骨項ともいうべき太々しいまでのダンプ松本。両肩を振りながらノッシノッシと歩く姿は、野尻湖にいたといわれるナウマン象のようだ。片手に持ったチェーンがいかにも不気味。いったい誰にチェーン攻撃をしかけようとしているのか!

心なしか、松本の金髪が炎のように燃えているような、怒髪天をつく、といった感じだ。すっかリシンボルマークとなってしまった皮ジャンスタイルも、闘う暴走族、 マッドマックスという危険な臭いを放っている。

そして、松本を西の横綱とするなら、片や、悪の東の横綱という感のクレーン・ユウ。身長一七五センチ、体重一〇〇キロという前方後円墳にも似たその体は、フツフツと煮えたつ悪の歴史を秘めているようだ。

松本の凶器のような入場に対し、ユウはいかにも冷静。しかし、冷静なだけにリングに上がったときが恐ろしい。サイレント・ダーティ、クレーン・ユウ。その豹変ぶりは、二枚舌のビートたけしより落差がすごい。まるで悪の真理を知りぬいてしまったような態度は、善悪を超越した、あの大魔神のよう。冷血の大魔神といった感じだ。ユウの隠し持っている凶器は、ハンマか、スパナか、それともセンヌキか? どんな反則ワザを見せるのかクレーン・ユウ。そして、その極悪コンビにピッタリと影のようについているのは、謎の覆面マネージャー、ザ・ベートーベンだ。極悪フラッグを大きくはためかせている。女子プロレス界は、俺たちが牛耳ってやるんだ、という意志の表明なのか? それとも、試合をブチ壊してやるという考えなのか? その考えは、 マスクの下の顔同様、まったく謎に包まれている。そのスジの情報によると、メキシコ人と日本人のハーフで、ジャガー横田のライバル、ラ・ギャラクティカさえもコントロールしているといわれているザ・ベートーベン。いったい、何の理由で日本へやってきたのか、それは誰も知る者がいない。ひじょうに不気味な存在だ。

極悪コンビのマネージャーとしては、まさに適材適所、人事異動、といった感じのザ・ベートーベン。試合中、どこからともなく、ありとあらゆる凶器を用意し、極悪コンビに提供する手際は見事なもの。悪のコントロールタワー、脳みそIBMといった、悪のインテリジェンスすら感じる。

そして、いつものように自と黒の縦縞模様のレフリーコスチュームを着て出て来たのは、不正レフリーといわれる阿部四郎だ。正規軍の選手にとってみれば、これほど嫌なレフリーはいない。いかに正々堂々と闘おうとも、勝利を必ず極悪軍団へ持って行ってしようという、超えこひいきレフリーだ。プロレスの辛酸をなめつくしたような顔は、悪の権化、阿修羅の阿部四郎。そういえば、似ているぞ、ダンプ松本の顔に。阿部四郎とダンプ松本、どうも似すぎている。これは他人のような気がしない。 一部では、親戚ではないかとい噂まである。そうすると、謎は解けてくる。連立方程式のようなレスラーとレフリーの関係は、xに親戚という要素を代入すると、見事に解が出るぞ。親戚の情愛が、執拗なまでの不正判定に結びつくのだ!

ここで、強大な極悪軍団の勢力が確立されたのか? 極悪軍団の絆は強いぞ。なんといっても呪われた血の絆だ、鉄のディフェンス、徹頭徹尾ワルの内申書二重マルだ。この極悪軍団の四人がリングに上ると恐いぞ。いかに正規軍といえど油断はできない。鬼が出るか、蛇が出るか、はたまた嵐が吹き荒れるか。積木くずしもどきのリング内暴力が炸裂するのも近い!!

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リングの不良、極悪軍団落ちこぼれの意地を見せるか!!

リングに上がろうとする極悪コンビ。しかし、ここで早くも問題が起きたぞ。阿部四郎だ。阿部四郎がレフリーをやるのが気にくわないと、長与が、飛鳥が、大いに叫んでいる。阿部四郎の肩をバシバシ突いて、お前の出る幕じゃないとアピールしているクラッシュ・ギャルズ。が、阿部四郎も負けてはいないぞ。張り手で応戦だ。いかにプロレスラーとはいえ、女には負けないぞという、阿部四郎のアウトロー根性か?

レスラー対レフリーの張り手の戦い。もうすでに決着はついているかに見えるが、なかなか阿部四郎もゆずらない。だが、ジリツジリツとおされている阿部四郎。やはり現役レスラーとの対決は、自分を省みない、短絡的他力本願の無謀な暴走行為だったのか? これでは、警察署の前を三連ホーンを鳴らしながら原チャリでつっ走る暴走族一年生、初心者マーク貼りたてといったところだ。

ここでダンプとユウが阿部四郎の応援に来たぞ。そして、ザ・ベートーベンも入り、クラッシュとで六人が入り乱れる。ダンプのチェーンが危いぞ! これにつかまると大変だ。ダンプのなすがままになってしようぞ。つかまるな、クラッシュ。さァて、場内は早くも場外乱闘の色が濃くなって来た。ファンからの猛烈なブーイング。
「帰れ! 帰れ!」
もう場内割れんばかりの帰れコール。これを聞いたダンプ松本、怒った。チェーンをバシバシと床に叩きつけて、「うるさい」としきりにわめいている。その隙に長与が植田コミッショナーに嘆願直訴、青年の主張だ。

さすがに阿部四郎のえこひいき判定を見逃すことはできないのか植田コミッショナー、阿部四郎レフリーに退場を命じた。しかし、阿部四郎の方は納得がいかない。植田コミッショナーに食ってかかる。空前絶後、言語道断、冷酷無比の不条理の世界、とでも言っているかのようだ。
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ダンプと阿部四郎が親戚という笑い話みたいなのが面白いですね。

 

クラッシュギャルズメインの本でありながら、女子プロレス全体と、さらに極悪同盟に12ページも割いているあたり、かなり極悪同盟の扱いも上になっていることが分かります。

フジテレビとしても、クラッシュギャルズvs極悪同盟をウリにしていきたかったのかなと感じ取れます。

もちろん、ジャガーやデビル、ダイナマイトギャルズやJBも取り上げられていますが、極悪だけはちょっと別扱いな感じです。