1984/8/25 タッグトーナメント開始。チェーンを当てたら相手の骨が見えたことがあるぜ! | 時系列でみる! 極悪同盟 ダンプ松本 ファンブログ

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極悪同盟(特にダンプ松本さん)のプロレスを時系列で整理します。思い入れのある雑誌処分のためブログに残して廃棄します。「テーマ別」で時系列で閲覧することができます。妄想で書くこともしばしばですが1年(+α)かけてやる予定です

AJWW 1984/8/25 後楽園ホール フジテレビ杯 タッグトーナメント戦開始。

優勝賞金500万はいただくぜ!!

Evito-X-PuroさんのYoutubeより

 

 

(AI でフルハイビジョンに変換したものです↓)

 

(さらに60fpsに変換したものです)

 

フジテレビでのゴールデンタイムでの放送も始まり、いよいよ女子プロレスの黄金期が始まります。

人気の筆頭はクラッシュギャルズで、次々に雑誌等で取り上げらていきます。

 

そのクラッシュギャルズを中心にして、人気をさらに盛り上げてしまおう!!という企画が、この時期に始まったタッグトーナメントだと思います。もっとも、昨年から実施はされていますが。今年は優勝すると500万円という懸賞がついています。どうせ全女はクラッシュ人気で儲けていますから、500万なんて安すぎます。2000万くらいの優勝賞金でも良かったんじゃないでしょうかw

 

この年の出場ペアは以下の通りです。

 

(勝敗結果が出てしまっていますが・・)

 

(ふて腐れた感じが良く出ている極悪同盟)

 

以前は「松本ゆかり」なんてタスキを付けさせられましたが、待遇が改善されました(笑) 下手すると「クレーン・松本」と書かかれてもおかしくない全女ですからね・・。

 

中野恵子は小倉由美とのコンビで出場です。昨年はダンプと小倉が組んでいましたが、今年は同期コンビで中野と小倉なんですね。この2人は近い将来ベビーフェイスとヒールに別れて同期のライバル関係となるので、最初で最後のような凄い組み合わせでした。(結果は全敗ですが・・)

 

各タッグチームの入場シーンですが、クラッシュの入場で、会場中から女子中高生から悲鳴のような声援が送られます。ゴールデンタイムでのテレビ放送が始まってからは急激に人気が高まりました。クラッシュのあとに、物凄いギャップのある極悪同盟の入場です。会場はクラッシュのざわめきの中、当然ダンプ松本を支持する声はありません。当たり前ですが。

しかし、それほどブーイングは起きていないんですね。

いっそのこと、極悪としては、この入場シーンでクラッシュに襲い掛かれば面白かったのにと思いますが(セレモニーは滅茶苦茶ですが)。

 

すでに上図に勝敗が記載されていますが、このトーナメントの優勝候補はジャガー横田・デビル雅美の女帝コンビです。このペアが優勝できなければ世代交代かなという感じです。

対抗馬としては現WWWAタッグ王者のジャンボ堀・大森ゆかりのペアと、クラッシュギャルズです。極悪同盟もダークホース的な存在でしょう。

 

このトーナメント入場式の後、すぐに第一回戦の女帝コンビ(ジャガー・デビル)vs極悪(ダンプ・ユウ)の試合が始まります(^^;

 

いきなり優勝候補を相手にするダンプ・ユウ組、さすがに実力的には相当に厳しそうですが、どこまで反則で食い下がれるかが見ものです。

 

 

 

志生野アナ「ダンプ松本、クレーンユウ、そして先頭を切りまして阿部四郎であります」

志生野アナ「なんとレフリー、阿部四郎!!」

志生野アナ「極悪同盟の旗をかざして、いまゆっくりとリング上に登場です」

志生野アナ「この声は非難轟々の声」

志生野アナ「先ほどのデビル雅美、ジャガー横田に対する声援とは全く違います」

お客様「カエレ!!カエレ!!カエレ!!カエレ!!カエレ!!カエレ!!カエレ!!カエレ!!」

 

この頃のお客様って不気味なほど足並みが揃っているというか、練習しているとしか思えないくらい、「カエレ!」コールが上手いですね。それだけ極悪を会場全体が嫌っていたということでしょう。

ちなみに今回はザ・ベートーベンは登場せずです。ダイナマイトギャルズ戦で、肩を痛めてしまい、治療中です。

 

 

阿部四郎が自分で勝手にレフリーをしようとして、勝手にリングに上がっています。

 

志生野アナ「コミッショナー席にいって抗議であります」

植田「阿部四郎の態度が悪いため、2か月間の停止処分とします」

志生野アナ「これに対して今度は極悪同盟が怒っている!!」

 

そもそも阿部四郎は最初から明らかにレフェリーではないのですが、盛り上げ役としてリングに上がってハッスルしています。さすがに盛り上げのやり方は一流です。しかし熱血植田君が突然出場停止処分にしました。この人、あまり興行が理解できていないし、プロモーターの阿部四郎さんを出場停止させちゃって、良いものなのでしょうか。

ちなみに横の松永俊国審判部長(どうみても姿がヤクザっぽい)は冷静に対処しています。

 

 

などと揉め事を起こしている間に、いつの間にかダンプとクレーンは、ジャガーたちに奇襲攻撃!! どさくさに紛れて奇襲するのがうますぎます。阿部四郎は単なるカモフラージュだったようです。

 

 

志生野アナ「いきなり鎖攻撃であります!」

志生野アナ「いや~、テープが乱れ飛んでおります」

志生野アナ「ファンのみなさんも試合が始まったらテープを投げないようにしてもらいたいもんでありす」

宮本「松本、ユウにすればマトモにぶつかれば勝ち目はないと判断したんでしょうね」

志生野アナ「なるほどね」

宮本「だから反則お構いなしの奇襲攻撃に出てきましたよね」

 

 

「デービール!! デービール!! デービール!! デービール!!」

この会場のお客様は、一体誰に煽動されて「デビル」コールをしているのでしょうか。

開会式のときなんか、デビルに声援なんてそれほどなかったし。

この頃のミーハーファンの特徴として、応援は誰でも良いのです。気に喰わないヤツの相手側を応援するというスタンスです。

 

ユウがジャガーを持ち上げて落とした後、ダンプにタッチ。

ダンプがラリアートから、斜めに下ろすブレーンバスターへと綺麗につなげます。松本香時代にはこんなに上手に技が繋がっていないと思います。だんだんプロレスも上手くなっていると思います。

その後はダンプのサーフボードストレッチ、ユウの人間絞首刑と、続けざまに女帝コンビを攻め立てます。

 

(だいぶ技にキレが出てきたダンプの図)

 

この頃になるとダンプの動きや技の連携が非常によくなってきます。

毎日のようにジャガーやデビルのような上手い選手と対戦することで、どうしたら技を痛くないように受けられるのか、どのような技を繋げたらお客様にウケるのか、など色々と吸収したんだと思います。実践の勝る物なしです。

 

ところで人間絞首刑という技はよく池下ユミやマミ熊野がやっていましたが、ネーミングも面白く、見栄えもする反則技です。マミ熊野が考えたようです。

 

さらにダンプの得意技のヘアーホイップx2。ダンプがやると、大人が子供を投げ捨てているようで、凄い迫力です。絶対にこの技は痛いと思います。やられたことがないけど。

 

 

その後、ジャガーがフォールをブリッジでスルッとくぐり抜けて反撃開始。デビルにタッチしたところで大歓声。デビルは元ヒールなのでこういうところでは、さすがにアピールは上手いです。

しかし、すぐにダンプは鉄パイプでデビルを脳天を撃ちつけて、そのまま場外へ。

 

 

ちなみにダンプ松本の凶器攻撃は上手使っています。

実際に致命的なケガを負わさない程度の強さで叩いていると思うのですが、さすがに一斗缶で叩かれれば痛いし、鉄パイプも先端で叩いているか、いないか、微妙なところが調整しているんだと思います。本当に鉄パイプで額を殴ったら陥没してしまいますからね。

 

本当のところは分かりませんが、全女の場合は男子プロレスと根本的に違って、ある程度は痛みを伴うやり方で凶器を使っていたようです。ダンプの本にはそのような記載がありました。

 

「おかあちゃん」より-------------------

試合中、このまま相手のことを殺しちゃうんじゃないか、と思ったこともある。対戦相手はライオネス飛鳥だった。チェーン思いっきり振り回したら、飛鳥の頭にグスッグスッと当たった。肩にも当たった。肩の肉と骨が見えた。

"もう、これで向かってこないだろう"

しかし次の瞬間には元気よくまた向かってきた。

"なんでぇ、こいつまだ元気なのか・・"

チェーンを振り回したら、今度は手の甲に当たって、骨が出てきた。

"こいつ、このまま手が動かなくなるんじゃないか。もしそうなったらどうしよう。もう、向かってこないでくれ!お願いだから、向かってこないでくれ!"

私は心の中で叫んだ。だが、やられてもやられても、ライオネス飛鳥はすぐに立ち上がって向かってきた。それだけ元気があるわけだしね。私に対して"ちくしょう!"って気持ちがあるわけでしょう。だからまたすぐに考え直す。

"なんだ、こいつ、このくらいではだめなんだ。もっと徹底的につぶしてやらなくちゃだめなんだ"

そこで手加減すると、"なんだ、こいつ臆病なんだ"と思われて、今度は自分がやられる。だからリングの上では相手が誰だろうと決して手加減しない。

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ちなみに凶器の使い方って、全女に伝統的にマニュアルがあったとは思うんですが、どうなんでしょうか。口頭伝承なんでしょうかね・・。鉄パイプの使い方、チェーンの使い方、バケツの使い方・・など。

この半年間、凶器攻撃ばかりしていますから、ダンプの凶器の使いどころや、使い方は本当に上手くなったと思います(使い方とは相手に致命的なダメージがなく、ギリギリまで追い詰めるという意味です)。

 

 

 

その後、ダンプはきちんと阿部四郎にも見せ場を作ってあげます。わざわざコーナーにデビルを投げつけて、クレーンが殴るのかと思いきや、阿部四郎に殴らせました。こうなってくるとお客様のヒートアップ度が違いますからね。阿部四郎はどんな凶器よりも、本当に効果的です。阿部四郎自体が凶器です。

 

 

ついに怒ったデビルは場外でパイプ椅子を阿部四郎の脳天に放ちます。いやだからパイプ椅子は危ないし、パイプが刺さるとヤバイからやめてください。ダンプはちゃんと考えてほとんど使ってないだろうし。案の定、阿部四郎が額から出血!! ちなみに鉄柱はよほどじゃないと血はでないらしいです。タンコブができるだけと高橋本に書いていました。

こういうところ、デビルはお客様の溜飲を下げるのが上手いのですが、問題は彼女がベビーフェイスなのに場外だと反則やりまくるところですよね。まぁ、ベビーフェイスは場外だと性格が豹変しますが。

その点、ジャガーはほとんど反則らしい反則はやらないです。寡黙に耐える雌豹です。やはり赤いベルトを巻いて全女を引っ張るだけはあります。ジャガーとデビルはタッグこそ組んでいますが、全然考え方が違ったんじゃないでしょうか。

 

 

その後、デビルがユウを豪快にブレーンバスター→ジャガーの卍固め→ボディアタックの相撃ち、そしてジャガーのトップコーナーからのミサイルキック。これで勝負アリ、かと思いましたが、なとんかユウが返して、さらにダンプがバケツ攻撃。賞金500万円はそう簡単には諦められません。

ここでジャガーはミサイルキックの時に、着地に失敗して肩を脱臼。

 

 

ここでデビルはついに伝家の宝刀の紫の木刀を抜きます。

ユウはパイプ椅子で木刀と相撃ち。ユウはパイプ椅子が大好きなので、結構持ち出してきますね。やるときはやるのが、ユウのポリシーのようです。

デビルが木刀を出したならば、ダンプもバケツでは歯が立たないので、自衛手段として(笑)、パイプ椅子でガード。

 

 

ジャガーが負傷したことでデビルも仕方なく、木刀で濁した感じもあります。

しかし、ベビーフェイス側が凶器を使ってしまうと、たいてい収拾がつかなくなって、両者反則ドローとなりますね。ジャガーも少々無念という感じだったのではないでしょうか。

 

デビルはせっかくゴールデンタイムでの放送が始まったのに、どうしても正統派になり切れないところが中途半端です。「どうしてもベビーでチャンピオンを取りたかった」というのならば、徹底して凶器を使わないでジャガーのようにフェアで勝つレスラーにした方が良かったと思います。もしくは、木刀を見せるだけで使わなくても顔が十分に悪役ですから、それだけで良かったんじゃないのかな。木刀を取り出してしまうと、どうしても試合が収拾がつかなくなって終わります。

 

以前に書きましたが、いまのデビルの立ち位置は、「ベビーにいるだけの中途半端な凶器を使うヒールっぽい選手」になっています。ダンプのほうが露悪に徹底している分、キャラクターが分かりやすいです。ゴールデンタイムでは、普段プロレスを見たことが無いように素人が視聴するので、善悪がはっきりしていたほうが、覚えてもらいやすかったと思います。この試合だけみると、正義の味方なのに、「デビル」ってう名前からして極道みたいなのがいるの?というように見えます。まぁ、「暴れん坊将軍」も「水戸黄門」も最後は悪を刀で全員ぶっ殺しにかかりますから、これはこれでいいのかしれませんが、セリフがない分、木刀で勝ってもなにか釈然としない感じはあると思います。

 

 

やはりジャガーは脱臼でした。

この試合、極悪チームはジャガーのアクシデントが重なり、女帝コンビから貴重な0.5ポイントをゲットしました。

 

このタッグトーナメント、極悪チームは反則を駆使して4チームで争う準決勝まではコマを進めますが、クラッシュに破れてしまいました。残念です。

 

 

 

今日の凶器 チェーン、鉄パイプ、栓抜き、バケツ、パイプ椅子

 

この試合、雑誌の記事がありましたので記載しておきました。