前回は→その1
この車は、一体何を意味するでしょうか?
「アクセルとブレーキが故障して暴走する車」のようなものです。
癌遺伝子の活性化とは
「アクセルを踏み続けた状態」であり、
癌抑制遺伝子が働かないのは
「ブレーキが壊れた状態」と同じです。
しかし・・・・
一体どうしてこの車は暴走する様になってしまったのでしょうか?
参考文章:銀座東京クリニック様→こちら
【正常な細胞と癌細胞の違い】
●正常な細胞は、脂肪と蛋白質とビタミンとミネラルがあれば細胞を増やし、体を正常に維持することができます。
正常細胞は脂肪をエネルギー源として利用できるので、糖質は無くても困らないのです。
●癌細胞はそれとは真逆で、癌細胞が数を増やしていくには、ぶどう糖(グルコース)が材料になっています。
正常細胞と比べて数倍~数十倍ものブドウ糖を取り込んで消費しています。
つまり、糖質は癌細胞には必須栄養素ですが、正常細胞には必須では無いと言えます。この違いを利用すると、癌細胞だけを選択的に兵糧攻めにして死滅させることができるのです。
アクセルやブレーキを修理したり、あるいは車自体を壊すという方法もありますが、それより燃料を枯渇して補給しないようにすれば、どのような原因で暴走している車でも確実に止める事ができるという理論です。
燃料タンクから燃料を抜いたり、エンジンを制御する電位系統を止めるなどの方法があります。がん治療においても、がん細胞の燃料であるブドウ糖を枯渇したり、がん細胞のエネルギー産生系を制御しているシグナル伝達系を阻害すると、がん細胞の暴走(増殖)を止めることができます。
それでは具体的にどうやったら良いだろう・・・・?
ん?ケトンって?何やら聞きなれない言葉????
【ケトン体を沢山放出しよう!】
ケトン体というのはブドウ糖が枯渇したときに脂肪が分解してできる生理的燃料です。
肝細胞と赤血球以外の正常細胞はケトン体をエネルギー源として利用できます。
肝細胞は他の組織のためにケトン体を産生する工場であり、作ったケトン体を自分で消費しないように、ケトン体をエネルギーに変換する酵素が欠損しているのです。
赤血球はミトコンドリアが無いためケトン体を代謝できません。その他の正常細胞はケトン体を代謝してATPに変換できます。
がん細胞ではケトン体をエネルギーに変換する酵素系の活性が低下しているので、ケトン体をエネルギー源として利用できません。
ケトン体ががん細胞のブドウ糖の取り込みと代謝を阻害するので、結果的にがん細胞は増えません。
【つまりブドウ糖抜きの食事にすれば良いのです!】
主食の糖質を極力減らすことです。
糖質の1日摂取量は40g以下を目標にします
1回の食事につき糖質が20gを超えないようにします。
ご飯・パン・麺類・芋類は糖質が豊富なので摂らないようにします。果糖の多い甘い果物も避けます。
果糖も体内でグルコースに変換されるからです。糖質を食べるにしても、玄米や全粒粉小麦など精製度の低い炭水化物を少量食べます。
たんぱく質は体重1kg当たり1~2gを摂取します。体重60kgで60g~120gです。
たんぱく質源としては癌を促進する赤身の肉(牛肉など)は控え、
大豆製食品(豆腐や納豆)や魚や卵や鶏肉などを利用します。
豆の中では大豆は糖質含量が少ないので、豆腐や納豆や湯葉など大豆製品は有用です。
肉や魚は生の100gで10~20g程度の蛋白質を含みます。
食品中の栄養素の含有量は文部科学省が出している「食品標準成分表」を参考にします。
この表はインターネットで検索すれば見つかります。加工した食品には栄養表示があるので、炭水化物や脂肪や蛋白質がどの程度含まれているか確認しておきます。
主食を一切省いても、大豆や野菜や魚や肉などにも糖質はある程度含まれています。食品の栄養表示をみながら、糖質の摂取を極力減らし、1日の糖質の摂取量が40グラムを超えないように注意します。
~以上~
食事療法は他にも色々有ります。今回はケトン食べるを取り上げてみました。
この話をもっと知ってみたいという方は・・・・
銀座クリニック様のサイトに詳細が出ておりますし、本も出ている様です。
【1】詳細が載っているサイトは
銀座東京クリニック様→こちら
【2】ケトン食事法について書かれた本
福田 一典 著 (銀座東京クリニック)
定価1470円(本体1400円+税)
次は『抗がん剤ってどうなの?』という内容で書いていきます。
続きは→その2