「キュッとアップブラ」テーマ曲解析 | 牧歌組合~45歳からの海外ミュージシャン生活:世界ツアーに向けて~

「キュッとアップブラ」テーマ曲解析


(c) ワコール

音楽の構造について着々と研究を進めつつあるが(多分)、先日Outkast の曲を題材にちょっと変則的な終止形の話をしました(未読のかたは下関連記事からどうぞ)。音楽の基本形はⅠ→Ⅳ→Ⅴ7→Ⅰ(C-F-G7-C) なのですが、コレに代理コード、転調、裏コードなどなどのアレンジを施すことにより、様様な楽曲、色彩が生ずるという話です。

そこで今回は尾上 綾さんの主演するウィング「キュッとアップブラ」 のテーマ曲コード進行を研究してみましょう。キーはD(ニ長調)です。

サイドを キュッ、キュッ 下から キュッ、キュッ 綺麗な 谷間の できあが りー
|G D |A/E D |Em F#m |G F7|
キュッと アップブ
|G A7/G |D

ローマ数字で表すと、以下の進行になります。

|Ⅳ-Ⅰ|Ⅴ-Ⅰ|Ⅱm-Ⅲm|Ⅳ-♭Ⅲ7|

|Ⅳ-Ⅴ7|Ⅰ|

ⅡmはⅣの代理、ⅢmはⅠの代理と捉えると、1~4小節目は|Ⅳ-Ⅰ|Ⅴ-Ⅰ|Ⅳ-Ⅰ|Ⅳ-♭Ⅲ7|

♭Ⅲ7の存在がこの曲の個性になっているのが解ります。さて、この♭Ⅲ7はⅥ7♭5の代理と考えることが可能です。キーDの場合F7=F, A, C, Eb,に対して、Ⅵ7b5=B7b5=B,D#,F,A で、2音が重なっているからです。続いてⅥ7 はドッペルドミナント化されたⅥm7、これはⅠの代理。よって、|Ⅳ-Ⅰ|Ⅴ-Ⅰ|Ⅳ-Ⅰ|Ⅳ-Ⅰ|というコード進行の延長であることがわかります同じ理論で、D-Dmの同主調転調によるDmのトニックFであるとも捉えられます。単純にⅣ-Ⅰ(ヴァンプですね!)と行くところをⅣ-bⅢとすることで、単純な骨組みに装飾を加えとるわけです。まさしく商品=ブラジャーの目的のように。このコード進行はジェフ・ベックニュー・ウェイズ などで聴くことができます。

また、このコードアレンジにより、F→G→Aというメジャーコード3連発が、Outkast "Hey Ya" の型と近しいことも確認しましょう。では、あなたのレパートリーに追加。自宅で大声で弾き語りましょう:-)

■関連リンク: 夏ブラ キュッとアップブラ CM動画  ワコールオンラインショップ

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