マリコ4
公募展の作品
インパクトに欠ける構図
上手で綺麗な絵なら 高校生が上手い
描けないと泣く
ベースは 都会の雑路を感じさせる時間
手前には 裸婦が踊る今
青でなく 蒼で透き通る空間
人生の苦悩が平面を交差する
「左下にレモンを置いて・・・」
アドバイスをした
新人賞の入賞
泣いて喜んでいたマリコ
施設の子供達に
いちごケーキのプレゼント
なによりも愛した施設の子達
マリコ
”お母さん”
マリコという名を付けた施設のお母さん
何度 泣いたか
マリコの涙がしみこんだエプロン
「マリちゃん ありがとう
本当は 祝ってあげないと・・・・」
「このうちわ 500円なんだって」
別の福祉施設でボランテァ
成作材料費は無し
収益は施設に
「マリちゃん
ソフトクリーム事件 覚えてる?・・・・」
「忘れるわけがありません・・・」
マリコ 一生の事件であり、想い出であった
マリコ3
水彩
パステル
鉛筆
油
遠くに流れる 旋律に想いを寄せて 風を知る
遠くに走る 記憶に想いを寄せて 陽を語る
遠くに逸る 出逢に想いを寄せて 涙を語る
500円の空間
でも 本当の空間
でも 安らぐ空間
「300円が店で、100円が経費で、100円が取り分かぁ・・・・」
希望 勇気 夢 信じる旋律と色彩
マリコのすべてが踊る
1ヶ月に1回の出番
新宿のちいさなJAZZ 喫茶
「みんな これで よく食べてるなぁ・・・」
「食べれないよぉ」
「50人来ても5000円だもんね」
「バンド5人で分けて、1人1000円」
「食べれないよぉ・・・・」
でもマリコはこの空間が何よりも好きだった
水彩を描いて売ったマリコ
食えない仲間によくカレーを食べさせていた
そんなマリコが
母の存在を知ったのは高校3年の夏
施設で育っても 持ち前の明るさ 素直さ 優しさ
誰からも好かれた女子美のマリコ
遠足が苦手なマリコ
運動会が苦手なマリコ
いつか また・・・
物置
寝むっている
だって やさしい寝息が聞こえるもの
パソコンもあったね
イラスト入れた箱
カレンダー
寂しくなったから そのままにしておくね・・・
スイカとトマトがたくさん入った
冷たいパスタ わたし大好き。
マリコの詩
道玄坂
吉祥寺
オールドカウンターの店
Stardust
Summertime
Sunny
Smile
Senntimental Journey
Singin'in in The Rain
September Song
Sing,Sing,Sing
リーシュハットをはみながら
足を組み
薬指でリズムを奏で
「いつか ニューヨークで描きたい」
Theme From New York, New York
決まって 聴こえてくるリズム
3年の月日 マリコ
好みのジャズの旋律
「わたし S ね!」
「えっ 」
「想像したぁ・・ バカねっ、 曲名の頭文字が Sばかり」
Mona Lisa
タバコに火をつけ気取ったマリコ
いつも泣いていた
Fly Me To The Moon
デッサンが上手い
構図が苦手
バランスが取れない
14号のキャンパス
パーマネントイエローディープ
1万円で売れた時は子供のように
はしゃいでいた
Charade
リズミカルにスカートの裾を上げ踊った
この旋律で 踊りまくった
Moon River
「休憩ね まだよ」
また同じ 会話をする
廻りはいつも 笑っていた
「そうだね いつも同じ会話してたね」
岡山の 小高くひっそりと 同じように
「いつもの仲間いたよ」
「いつものカウンターで・・・」
「いつものジルバ・・・」
「いつもの居酒屋」
津山
かなり山
彼女の母に挨拶
「写真を見せてきました」
「置いていきます」
マリコ
あっけなかった
女美のマリコが逝って1年
芸大との往復
夢や希望は時とともに虚ろ行く
蜻蛉は願いに遠く囁く
鳩はどうしてるかな
公園にたくさんいた鳩
いまだ忘れえぬ 恒久の温もり
絶えることのない 囁き
たまに女美にうかがう
変わらぬ佇まい
久々の友
変わらぬ友
上野の居酒屋
昔と同じ
違うのは 空席がひとつ
マリコの・・・・・
はずむ話
笑い 詩 歌 唱 うた
芸大は相変わらず へた
個性が消えた
「誰でもピカソ」 もっと個性を
教授にしかられても 良いじゃん
「でも この世界難しいから」
マリコも 悩んでた
色彩 前衛
二科展
私は好きだ
日展
久々の友は 変わってなかった
安心した
相変わらず貧乏絵描き
相変わらず貧乏彫師
みんな 元気
でもひとつ違ってた
あんな元気だった 友
なぜかしら 生活臭が見え隠れ
現実
いき方の上手いへた
特にこの世界に多い
マリコ
温めて温めて 頬に
手作りのシルバー
段々 深い輝きに
たまに 磨いている
都会に来たばかりのマリコ
好きでお願いした裸婦
久しぶりの上野
再会を誓い みんな現実に散っていった
一人 みんなで撮った写真を手に
岡山の君の眠るところに













