現場は「東海道三大難所」のひとつ
2014年10月6日(月)の午前9時頃、JR東海道本線の由比~興津間(静岡市清水区)で落石警報装置が作動。確認したところ、線路脇の斜面が40mにわたって崩れていました。台風で列車は運転見合わせになっており大惨事は免れましたが、東海道本線は復旧の見込みがたっていません。
実はこの災害が発生した由比付近は断崖が駿河湾に迫る険しい地形で、古くから「東海道三大難所」「東海道の親不知」とも呼ばれる危険度の高い場所でした。この場所における東海道本線の被災も現在に始まったことではなく、これまで幾度か発生していたりします。
ちなみに本来の「親不知」は新潟県糸魚川市にあり、「北陸道最大の難所」といわれています。地名の由来は以下の2説などがあります。
・断崖と日本海の波の厳しさから親は子を忘れ、子は親を顧みる暇がなかったことから「親知らず、子知らず」と呼ばれるようになった。
・平頼盛(清盛の弟)の夫人が、夫の後を追ってこの場所を通りがかったところ、2歳の子供が波にさらわれてしまった。その悲しみを詠んだ「親知らず 子はこの浦の波まくら 越路の磯の あわと消えゆく」が地名の由来になった。
話を戻して、今回災害が発生した「東海道の親不知」ですが、その「難所」らしさが、発達した現在の交通にも如実に表れていたりします。また、こう言うと語弊があるかもしれませんが、被災したのが東海道本線だけでまだ良かったのかもしれません。
さった峠から眺める「東海道の親不知」。左から東海道本線、国道1号線、そして海上を行く東名高速道路。
災害発生現場は断崖と海に挟まれた細い場所を縫うように、山側を東海道本線が、海側を国道1号線が通っており、それ以外はほとんどスペースがありません。
また現場の少し北側では写真のように、国道1号線のさらに海側、というか海上にせり出す形で東名高速道路も走っています。
つまりこの災害が発生した地点は東海道本線、国道1号線、東名高速道路という日本の大動脈が肩を寄せ合い、針の穴を通すように走っています。東名高速道路にいたっては、押し出されて海の上です。言い換えれば、ここは通れる場所がそれだけない地勢の険しい難所である、ということです。ちなみに新幹線は付近をトンネルで通過しています。
ただ地勢の険しい場所は、風光明媚なことが多いもの。この場所も例外ではなく、付近のさった峠から眺める景色は駿河湾越しに富士山が望め、歌川広重が浮世絵「東海道五十三次」で「由比(さった嶺)」として描いています。
しかしその美しいさった峠に国土交通省が設置した案内看板には、そうした秀麗な風景を説明する言葉のほか、合わせて以下のような恐ろしい記載があります。
「(この場所には)日本の大動脈である、国道1号・東名高速道路・JR東海道本線といった重要な交通網が集中しており、大規模な地すべりが発生した場合、東西の重要交通網が寸断されることによって生じる経済被害・人的被害は計り知れないものがあります。このため、平成17年度より国土交通省富士砂防事務所が、地すべり対策事業を行っています。」
今回の土砂崩れで東海道本線が大きな被害を受けたのは残念ですが、そうした危険箇所であることを考え落石警報装置の設置といった対策が行われ、正常に機能したこと、運転中止の判断が適切であったことは注目すべきところでしょう。また、併走する国道1号線や東名高速道路まで被災して、地域交通や東西の物流に甚大な被害が出る事態にはいたらなかったことは不幸中の幸いでしょうか。
agnes b.
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