「重力ピエロ」を観てきました。


なのに何故テーマが「小田和正」なのか。


…それはまぁ、後述するとして。


何の予備知識もなくスクリーンに向かったのですが


繊細で、かつ骨太な作品でした。


揺れ動いているようで、誰の心も全然ブレていない。


悲劇のようで悲劇では終わらない。


ショッキングだけど、どっこいホームドラマ。


そんな未体験の感覚の映画でした。


多分


昼日中に家で観るのはちょっと違うと思うので、


可能なら劇場でご覧になることをお勧めします。



さて。しょっぱなから私は


「え!?」と、ひっかかるひっかかる。


舞台が仙台で、しかも東北大がロケ地で


出てくる料理が「おでん」から「シチュー」に変化する、とくりゃ


ちょっとディープなファンならピン!とくる


有名な小田さんの自炊エピソード。


これ、密かに小田さんへのオマージュなんじゃなかろうかと


ストーリーとは違う部分にしばらく気を取られていました。


エンドロールに行き着いた時、合点がいったのは


脚本にこの名前、「相沢友子」さんを見つけたから。


彼女の作品であるCX「恋ノチカラ」のために


かつて小田さんが書き下ろした主題曲が「キラキラ」。


調べてみると原作者が東北大出身らしいので


もしかしたら原作にもこのくだり、


盛り込まれてるのかもしれませんが…それにしても(笑)。


しかも途中から出てくるのが渡部篤郎さんですからねぇ。


彼は小田和正第二回監督作品の主演俳優で、


小田さん自身を投影した役を担っていたのです。


縁は異なもの味なもの。


映画の感想をもう一つ加えるとすると


鈴木京香さん演じるお母さんは


心のあらゆる部分をとことん使い切った


一生だったんだろうなぁと。


Where there is a will , there is a way.


意志あるところに道は開ける。


この映画は


私の母校の文法の先生と同じように


そう言っている気がする。


開けた道が


さらにタフだったりすることもあるけど


それはそれとして


視線を落とさず明日を見る力強さを


誰もが持ち得るということかな。