DW5000のオーバーホール依頼を受ける。
ツアー中にベアリングヒンジにガタが出たので、この部分は既に交換済み。
新品のうちは全く遊びがない状態だが、使っているうちにどうしても経年劣化によるヘタリが出てしまう。
交換時期は使用頻度や持ち主のパワーによって一概にいつとは言えないが、ガタツキが感じられるようになったら交換するのが無難。
シールドベアリングなので注油は不要。

今回はロッカーハブ(写真2枚目左)、チューン、テンションスプリングを交換した。
既に交換済みのベアリングヒンジほど演奏に重大な影響は出にくい部分だが、持ち主がどうせメンテするなら全ての消耗パーツを交換した方が精神衛生上スッキリすると言うのでそうさせてもらった。私もその方が良いと思う。
ロッカーハブのベアリング部はシールドタイプ(密閉型)ではないので定期的なグリスアップが必要。
このときCRC556のような粘り気のない油を吹き付けてしまうとベアリング内部のグリスを洗い流してしまいベアリングの摩耗を招くので注意が必要。DWの場合、ロッカーハブの取り付け位置を動かす事によってビーターのアングルを調整する仕様。交換の際には元の位置に確実に固定しないとビーターのアングルが変わってしまうので慎重に復旧する。
テンションスプリングは特に交換の必要はなかったが、要望に添って交換。DWの場合、スプリング内部にノイズ防止の為にフェルトが仕込まれている。これは他社のペダルをメンテする時にも通用するアイデア。フェルトにCRC556等を吹き付けておくとスプリングのさびつきを未然に防ぐ事も出来る。
スプリングに関しては経年劣化によるテンションの変化は私が気付けるレベルでは発生しないが、不測のトラブルに対応できるようにスペアを常備しておくと安心。ベアリングヒンジについても同様である。

最後にチェーンを交換。ご覧の通りかなりサビが出てしまっている。サビも問題ではあるが、それより重大な問題は経年劣化によるガタと伸びである。
ペダルはすべてのドラムパーツの中で最も大きな力が加わり酷使されるアイテムなので、チェーンの伸びはどうしても避けられない。
チェーンの末端をU字型の割りピンを差し込み固定するが、慣れていないと外した時に勢い余ってどこかに飛んで行ってしまい失くす事が少なくない。無理にこじって外そうとすると破損の可能性もあるので、自信がない人は楽器屋かリペアマンに頼む方が無難。
ここまでやればほぼ新品同様のスムースなアクションが復活する。古いペダルを使い続けるなら手に入るうちにパーツのストックを確保しておかないと泣きを見る。