コンサル業界に入って意外だなと思ったことは忘れてしまったことも含め少なくない。
個人的に印象的だったことを3つほどあげると
①作業を進める前にタスク設計をしてチームで合意形成した後に取り組む
(ただし、ある程度で出来るようになったら確認作業を省けるし、権限があるマネージャーであれば文字通り自分の思いのまま進められる)
②人に伝える際は、PREP(結論/理由/事例/要点)でまとめることを意識する
③論点を洗い出し、初期仮説を作って作業を進める
などがある。
③の論点の洗い出しの際、特に「筋の良い論点」で悩まされることが少なからずある
なぜなら求められる粒度やレベル感といったものがクライアント、チーム内のポジションによって異なるので、理解を難しくしているからだ
筋の良い論点とはなんだろう
安宅さんの「イシューからはじめよ」に
イシューの定義がある。
A) 2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
B) 根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
※このイシューと論点は同じものと思っていいと思う
例えば、自動化を導入してタスクの負荷軽減策
これに関してのイシュー(論点)は、
これまで熟練工の様な個人的なスキルを持っていた人にやってきたことが標準化/自動化されることで、その人のアイデンティティを奪うことになってしまう人の痛みが発生することにある
メリットの裏にはデメリットがあり、
いずれかの方向をとるとデメリットを受け入れないといけない
それには、会社の文化など目に見えないものも関係したり、この例でいう熟練工の人がのちにサイレントクレーマーになってしまい、施策導入後にうまくいかないことだってある
そうならないために、反対勢力になりうる人たちの思いに対してコミュニケーションで埋めて、「腹落ち感」を醸成していく必要がある
反対勢力になる方の立場として、
自身の存在を否定される
新しいことをするのが面倒くさい
なんとなくやりたくない
など、カテゴライズしてそれに対して啓蒙していくべき内容を考える
それが人の立場に立つということ
人の痛みを知るとはこういうイメージだと思う
そして、論点の筋の良さは、カウンターパートが変われば自ずと変わる。
例えば、担当者に対してグローバル全体の動向に基づいた会社の方針に対する論点とその解決手段について提案したところで、次へのアクションに繋がることはない。仮にそれはベンチャーでボトムアップでどんどん前に進める社風なら話は変わってきますが、大企業においてはそうではない。
という様に、カウンターパートが置かれるポジションで要求されることに対してアクションに繋がるレベルかどうか、大前提の社風はどうかなど念頭に置くことが重要。
いずれにしてもその変数の多さが、「論点の筋の良さ」の理解に苦しむ一つの要因であることは間違いない。