任天堂のDSの勢いが止まらない
。
最大のヒット「動物の森
」は260万本を突破し、トリプルミリオンも時間の問題。
「脳を鍛える
」は1、2作とも100万本を越えた。「英語漬け
」ももうじき100万本に手が届く状態。
任天堂は64でPSに完敗
して以来、かろうじてポケモン
で食いつないできたが、正直もうダメかと思わざるを得なかった。
その原因はやはりソフトメーカーの囲い込みの失敗だった。当時、スーファミ
のカセット製造のノウハウを任天堂は開示せず、その莫大な利益を独占するスタイルを確立していた。
エニックス、スクエアといったメガメーカーもそのことに相当な不満を抱え、最終的にソニー
に乗り換えていった。
一方、64、Cubeともにサードメーカーの参入はほとんどなく、ソフトは任天堂本体の「キャラクターもの」が主体となった。しかし、これら作品のクオリティの高さが維持されてきたことが、結果としてブランドの信頼
を育んできた。
そしてこれらの土壌が今のDS人気の潮流へとつながる大きな起爆剤
となったことは間違いない。
そしてDSの登場である。タッチペンを駆使した新しい操作性は子供ユーザーにとっては新鮮ではあったが、やはり従来の人気ソフトを抱えるPSPに携帯ゲーム市場までも独占されるのは時間の問題だった。
しかし、その状況を覆したのが「新たなユーザー層の開拓」という任天堂の戦略の成功
である。
「動物の森
」は若い女性層
、「脳を鍛える
」は中高年層の関心を集め、「ゲームは子供のおもちゃ
」という従来の概念を大きく覆した。
携帯ゲーム市場への大人ユーザー参加により、DSは各地で品切れを起こし、話題性を広げる結果となった。
そして任天堂の戦略は、「テトリス」「マリオ」といった往年の人気ソフトをDS用に開発することによって、この大人ユーザーを市場につなぎ止める方向に移りつつある
。
ソニーは技術力に頼ることで市場を拡大したが、やはりイノベイターではなかった。
彼らは新たな「ゲームの価値」を作り出すことはできず、その成功は所詮パイオニアである任天堂の市場を奪っただけに過ぎない。つまり彼らはフォロワーでしかなかった。
常に「ゲームの未来」を模索してきた任天堂はソニーに勝った
。それは単に発売本数の問題ではなく、ゲームに対する「思想の高さ」の圧倒的な差である。
先日のE3で任天堂はWiiを投入し、新たなゲームのあり方を市場に提案してきた。
ワイヤレスのコントローラ
はテニス
やゴルフ
のスウィングを体感できる機能を持たせており、そこには引き続き高機能を付加したPS3とは全く異なる「ゲーム機の未来像」がある。
クリスマス商戦
が楽しみになってきた。