タイムスリップ闘病記

タイムスリップ闘病記

このブログでは30年以上前にタイムスリップして、闘病生活を振り返ります。
完璧な記憶ではないので、そこらへんはご容赦下さい。
沢山の先生方や看護婦さん、友人そして家族、一丸となって私を助けてくれたのです。
あの時、諦めていたら、自分は今存在していない。

退院の日、午後になり、昼食を食べた後は何もすることがない。笑っていいともも終わり、テレビも見るものが無いのだ。
勿論、教育テレビも午前中が面白いのだ。
母親が流石にもうすぐ来ると思われるが、私が思っているほど早く来るわけではなかった。
看護室にある鳩時計の時間の節目に鳴るが、、、その度にストレスになる。
もう寝てしまおうかと思っていたが、もう、面会時間開始の30分前になろうとした時、母が荷物を持って、入ってきた。
もう、時間が経ちすぎて、私の喜びは無かった。
流石にあまり面会時間の変わらない時間ということもあった。
少しすると事務のお姉さんが部屋に入ってきた。
黒髪のロングヘアの女性だった。
とても綺麗な女性だ。
退院の手続きを母と話していた。
少しすると母が
「お母さん、一階の会計行って来ちゃうね。」
そんな話をしていたところ、看護婦さんが入ってきた。
かがみ主任だった。
「あっ、こんにちわー、おめでとうございます。
しんちゃん、おめでとうねー」
私は少し照れて、笑った。
かかみ主任は本当に頼り甲斐のある看護婦さんだ。
「看護婦さん、先に会計行ってきても良いかしら?」
母は慣れた感じでかがみ主任に聞いた。
「そうですね。先に行ってきていいですよ。」
当たり前のように返答した。
少しすると、母は部屋を出て行った。
私はまた1人521号室で、この前の誕生日に買ってもらったシロクマのぬいぐるみと2人きりになった。私はこのぬいぐるみが好きで、退院の日まで持って帰らないように母に頼んでいたのだ。
母はなかなか帰ってこなかった。
少し眠くなってきた。やはり、体力は落ちている、何もしないと眠くなってくるのだ。

もうすぐ3時のおやつが回ってくる。
そんな時に、せきもと先生が入ってきた。
「どう?身体は大丈夫そうかな?」
「今日、退院だけど、、帰れる?」
冗談まじりに質問しながら、、
「じゃ、退院前に診察してみよか」
白衣のポケットから聴診器を手に取り、耳にかけ
「横になって」
私は毎回の事なので、すぐに横になって、パジャマを顎まで引き上げた。
沈黙が数秒間、
「よし、おっけー」
耳から聴診器を取り、折りたたんでポケットに戻しながら、せきもと先生は
「お母さんは?」
「今、会計に行ってるよ」
と話した。
「じゃ、また後で来るから」
そう言うと、部屋から出て行った、
すこしすると、やっとのことで母が会計から戻った。朝からなので少し長く感じる。