今年の就職戦線は「氷河期の再来」とも言われる厳しさで、大学生だけでなく、高校生も就職難にあえいでいる。
昨秋の「リーマン・ショック」以降、企業が採用を控えているためで、高校生の中には就職をあきらめ、専門学校などへの進学に切り替える動きも目立ち始めた。指導する高校教諭からも「期待できない求人を待てとは言えず、やむを得ない。ただ、家庭の事情で進学できない生徒もいる」と苦渋の声が聞こえてくる。
宮城県内の公立高校。就職を目指していた3年生の女子生徒(17)は先月、専門学校進学に希望を変えた。10月に和菓子製造・販売会社の就職試験を受けたが、採用予定はわずか2人。4人1組の集団面接が何組も続いた試験では、思いをうまく伝えられず内定を逃した。「今年の就職活動の厳しさを実感した」
11月には80社の合同面接会に出向いたが、約1000人の生徒でごった返し、面接まで1時間以上の行列ができる企業も。あまりの混雑に「今年は無理。資格を身に着け、再挑戦しよう」と考え、就職活動を終えた。
進学先は学費負担が軽い公立の専門学校に決めた。「来年も厳しいと思うが、パソコンの資格などを取り、少しでも有利になるよう頑張りたい」と意欲を見せた。
別の女子生徒(17)は大学進学に切り替えた。10月に倍率4倍のメーカーで内定を得られず、11月には倍率25倍の法人に挑戦したが、面接にもたどりつけなかった。女子生徒は「大学を卒業する頃には状況が良くなっていればいいのですが」と話す。
同高の進路指導担当の男性教諭(45)は「就職希望の生徒のうち、4割ほどが決まっていない」とため息をつく。2002年前後の就職氷河期では、派遣の仕事も「最後の選択肢」としてあったというが、今年は派遣会社からの求人もない。「今年ほど積極的に進学を勧めた年はない」
高校教諭らでつくる「日本高等学校教職員組合」が、組合員を通じて28道府県の403校を対象に、10月末現在の高校生の就職状況をアンケート調査したところ、「就職から進学」に変更した生徒は843人で、「進学から就職」への変更(351人)の2・4倍に上った。同組合の佐古田博副委員長は「就職をあきらめる生徒がこれほど多いとは。先行きが見通せない今年の就職状況を反映している」と指摘する。
アンケートに答えた現場の教諭からは「求人が少ないため、進学に変更可能な生徒は変更させ、できるだけ就職希望者を減らした」「生徒の1割が進学に変更した」といった指摘が寄せられたほか、「家計にゆとりがなく、就職から進学に変更できない生徒も多い」という悩みも届いている。
◆内定率激減55%◆
文部科学省によると、来春卒業予定の高校生の10月末現在の就職内定率は55・2%で、前年同期比11・6ポイント減。前年同期からの下げ幅は1976年の調査開始以降では最大だった。昨夏までは「売り手市場」だったが、昨秋以降の不況の影響で、企業が採用抑制に転じたのが原因だ。
また、厚生労働省の調査によると、就職を希望する生徒は9月末現在で17万5799人。7月末現在の19万986人から、2か月で1万5187人減った。関係者は「就職の厳しさから、就職をあきらめる生徒が多数出ている」と指摘する。
大学生の就職も厳しい。厚労省と文科省の調査によると、10月1日現在の就職内定率は、前年同期比7・4ポイント減の62・5%。こちらも96年の調査開始以降、前年との比較で最大の下げ幅となっている。





