ヘルペス
症状
感染部位に痛痒さ、灼熱感を感じ患部が赤くなる。
その後、性器周辺もしくは臀部付近に直径1~5ミリほどの水疱ができ、 水疱が破れるとただれ潰瘍を形成する。
稀に太もも、肛門付近にも出来る。
女性の場合は排尿時に痛みを感じ、患部が子宮頚部にまで及ぶ事もあり、歩行するだけでも強い痛みを伴うこともある。
性器ヘルペスは男女比で1:2と女性に多い性感染症である。
初感染時は強い痛みや発熱を伴うが、再発時は比較的症状が軽い。
一度感染すると単純ヘルペスウイルスは
核酸の形で腰仙骨神経節の神経細胞に潜伏し、 疲れやストレス・性交渉や自慰による皮膚への摩擦・紫外線や免疫力の低下で症状が再発する。
再発は性器ヘルペスに多い2型では8割の確率で初感染時から1~12ヶ月の間に起こる。
ウイルスが口へと感染するとヘルペス性口内炎や口唇ヘルペス、目に感染すると角膜ヘルペスを発病し、稀に脳にも感染しヘルペス脳炎を引き起こす。
ヘルペス脳炎の原因となるウイルスは重に口唇ヘルペスに多いⅠ型であり、性器ヘルペスに多いⅡ型ではない。性器ヘルペスでは稀にヘルペス性髄膜炎となる。
ヘルペス脳炎は抗ウイルス剤が開発されてからは致死率10%(開発前は30%)まで低下したが、死に至らない場合も脳に健忘症や人格障害などの重度の後遺症が残り、約30%の患者の社会復帰は難しいと言われる。ヘルペス脳炎の発症例は年間3~400例程度。
ヘルペスの特徴的な症状は、皮膚や粘膜に水疱ができる他に神経痛がある。
神経痛はヘルペスが再発する前後一週間ほど顕著に起こり、臀部や性器周辺、ふともも、ふくらはぎ、足のつま先と下半身中心に疼く様な鈍痛を感じるようになる。
神経痛はヘルペスウイルスが各部の神経を刺激することが原因で引き起こされる。
HSV-2型感染が主な原因である性器ヘルペスは、世界に広く浸透し米国では若年成人の5人に1人が感染しているとの報告がある。日本での感染率は5%~10%とされている。
原因となる細菌、ウイルス
単純ヘルペスウイルス(HSV=Herpes simplex virus)。
性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルスⅡ型が主に原因となるが、 Ⅰ型も性器ヘルペスの原因となる。
Ⅰ型による性器ヘルペスよりもⅡ型による性器ヘルペスの方が再発率、症状ともに重度となる。
性器ヘルペスはアルファヘルペスウイルス亜科単純ウイルス属(simplex virus)に分類される。
ヘルペスウィルスには1型から8型まであり、HHV-5、HHV-6、HHV-7はベータヘルペスウイルス亜科、HHV-4、HHV-8はガンマヘルペスウイルス亜科に分類される。
● 学名:HHV(human herpes virus)
- HHV-1型(HSV-1) : 口唇ヘルペスに多い病原体。ヘルペス脳炎の原因となることが多い。
- HHV-2型(HSV-2) : 性器ヘルペスに多い病原体。ヘルペス性髄膜炎の原因となることが多い。
- HHV-3型 : 水痘と帯状疱疹の病原体。
- HHV-4型 : 伝染性単核症の病原体。
- HHV-5型 : サイトメガロウイルス単核症サイトメガロウイルス性急性肝炎の病原体。
- HHV-6型 : 突発性発疹の病原体。
- HHV-7型 : 突発性発疹の病原体。
- HHV-8型 : エイズの症状で代表的なカボジ肉腫の病原体。
感染経路
キス、オーラルセックス、性交渉。感染力が強いウイルスなのでトイレの便座や電車の吊り革、サウナや温泉・銭湯などの利用でも感染すると言われている。
そのため性的接触の経験のない者でも性器ヘルペスに感染することもある。
ヘルペスに感染し再発せず症状が表れていない時でも、無症候性ウイルス排泄により、ウイルスが排出されている場合があるのでパートナーの性器に異常が認められ無い場合でも感染することがある。
潜伏期間
4~10日
治療法
泌尿器科・性病科・婦人科で診察を受ける。
抗ウィルス剤のバラシクロビル、アシクロビル、ビタラビンを使用。
製品名は飲み薬のゾビラックス、バルトレックス、塗り薬のゾビラックス軟膏、アラセナ軟膏などがある。バルトレックスはゾビラックスの改良型でゾビラックスよりも効果が長く持続し効果が高い。
軟膏よりも飲み薬の方が効果は大きい。
これらの抗ウイルス剤を投与しても、ヘルペスウイルスは完全には死滅することはできず、ウイルスが神経節に潜伏し続けるため現在の医学では完治は不可能とされている。
ヘルペスはいかにウィルスの増殖を抑え、再発を防ぐかが対処法となる。
潰瘍による二次感染を防ぐために抗生物質を処方されることがあるが、ヘルペスウイルスには抗ウイルス剤が有効なのであり、抗生物質自体はヘルペスウイルスに対して何ら効果は無い。
バルトレックスを毎日服用する抑制療法により高確率で再発を防ぐことができる。
費用は月に6000円前後。
バルトレックスの抑制療法はパートナーへの感染を数%まで低下させる効果がある。
しかし、バルトレックスによる抑制療法は腎臓など内臓器系への負担も大きくなるので、水を多めに補給して内臓への負担を軽減することや、定期的な健康診断を受けるなどの注意も必要である。
サプリメントではリジンがヘルペスの再発防止に効果があると言われている。
予防法
コンドーム
の使用である程度の感染のリスクを避けられるがヘルペスウイルスは感染力が強い為完全に防ぐことは難しい。
性交渉の相手がヘルペスに感染していないか水疱や潰瘍を確認する。
しかし、無症候性ウイルス排泄があるのでヘルペスの症状が無くても感染することもある。
STD全般に言えることであるが、性器ヘルペス感染者はHIV感染率も高くなる。
理由はヘルペスの潰瘍によって皮膚や粘膜が傷つけられているため、HIVウイルスが体内に容易に侵入し感染しやすくなるためである。
睡眠不足、ストレスや疲れを溜めない、性交渉や自慰による皮膚への摩擦、多量の飲酒は控える、紫外線対策を心掛け免疫力の低下に注意する。
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