以下、パート1からの続きです。

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良いオリーブオイルを安く日本の家庭に届けるために考えました。

オイルの流通過程で次々加算される費用の内容を検討するうちに、私は、資本主義がもたらした弊害に気づきました。物流の過程で加算される費用の中で最も大きな割合を占めるのは利益(欲望)です。もちろん人は誰でも欲を持っていますが、一方ではそれを抑制する心も持っています。

しかし、株式会社は違います。株式会社は人の心を持っていませんから、その欲望には限りがないのです。

現在世界には八億五千万人、実に9人に1人が飢餓に苦しんでいます。それは極言すれば株式会社(資本主義)というシステムが原因です。

株式会社はその成り立ちからして株主への配当が社是となります。全ての上場企業は株主に配当し続ける宿命を持っているのです。ですから会社は常に、安く、安く、更に安く買い、高く、高く、更に高く売ることに狂奔します。その結果、会社に人が追い立てられているのが現代社会の姿になってしまいました。人間社会を支える為につくった会社に人間社会が追い立てられるなんて馬鹿馬鹿しい現象です。

それで私は、利益を追求しない会社が成り立たないものかと考えました。それには既存様式の会社システムの被害者である生産者と消費者が会社の持ち主、つまり株主になれば良いと思いつきました。そしてこの考えを周囲の方々にお話しするとたちまち40名の方々が発起人に加わって下さり、思いがけず発足できたのがこの株式会社貊村です。

私は、純良なオリーブオイルを日本に届けたいと願う内にこのシステムを思いつきましたが、想い巡らせているうちに、このシステムを1万人以上の方々が理解されたら、社会が変わる可能性があると気がつきました。
これまでにも生産者や消費者を助ける目的で、フェアトレードや組合のような組織が作られてきましたが、なかなか本来の目的を達成することは難しく、運営するうちに販売する品物の価格は結局普通のマーケットと大差ないものになっております。その理由は不特定多数の人々に多種類の品物を販売する形態から抜け出ていない事に原因があると思います。

この形態ですと、たくさんの店舗、倉庫、人員が必要で、それを拡大すればするほど組織が大きくなってしまいます。そして組織は組織の常として組織自体を守ろういたします。つまり利益を求める従来の会社と全く同じ性質を持ってしまうのです。

貊村は、持ち主が生産者であり消費者です。

生産者への配当は高く買って貰える事、消費者への配当は安く売ってもらえる事です。会社の持ち主全員がそれを求めているのですから、貊村は全く利益を求める必要がありません。

貊村は、発足にあたり一切の資産を持たないと宣言いたします。

貊村の社員になられる方々はその主旨を充分理解されて立ち上がり資金を提供して下さった発起人ですから、私は1万人の株主の方々が彼らを支援して下されば、必ず社会を変えるきっかけになると信じます。

皆様にはどうかこのプロジェクトにご参加いただき、良質なオイルが日本の隅々まで届き、子供達の健康に寄与できますよう心からお願い申し上げます。

 

平成28年7月1日

農哲学院 理事長

あしょう

asho

 

 

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以上、貊村(みゃくそん)発起人の方のお話、如何でしたか?私どもは早速”株主”に登録させて頂きました。そして日本に帰国するたびに、このオリーブオイルを大事に持ち帰らせていただいています。