2日後にスーパーフライ級WBA王者・井岡一翔vsIBF王者フェルナンド・マルティネスの試合があります。
7月7日ABEMAで無料放送(メインイベントは夜8時くらい)今からわくわくドキドキが止まらないこの至極の一戦、年に2回の超お楽しみ♪
さっそく試合をプレビューしてみます。
彼らがそれぞれ戦ってきた選手の比較ですが、マルチネス選手の対戦相手を見るとやはりアンカハス選手が最も実績のある選手です、マルチネスは日本でも知名度のあるアンカハスとは2度戦って2度とも勝利していますがいずれも判定決着、マルチネスは強打の選手だけどKO率が特別高いというわけでもありません。
井岡選手のディフェンス技術はアンカハス選手よりもさらにレベルが高いのでよほど効かされるパンチをもらうことがなければ判定決着になる可能性も高いです。
井岡選手の場合は4階級制覇の田中恒成チャンピオンだったり同じく4階級制覇のドニー・ニエテス選手であったり色んなタイプの選手との戦いを経験しています。
3階級以上制覇してる選手ってやはり普通のチャンピオンとはなにか違うんですよね、3階級制覇あたりからちょっとレベルが変わってくるという印象があります。
ニエテス選手はボクシング技術で言えば世界最高峰。彼より上には歴史上のボクサーしかいないぐらいの技術の持ち主ですが井岡選手は2回目の対戦でその技術の部分ですらニエテス選手を上回っていました。
スピードで言えば田中恒成選手も史上最速レベルのスピードの持ち主ですが、井岡選手はこのスピードにも対応出来ることはすでに証明済みです。
パワーの部分で言えばフランスシスコ・ロドリゲス・ジュニア選手なんかは今回戦うマルチネス選手に近いかもしれません、ややマルチネス選手の方が一発一発のパンチ自体の重さ・強さはあるような気がします、そしてパンチの回転が早い。
マルティネスの強みはパンチの強さと回転の良さ、そしてそれを12ラウンド続けられるスタミナだと思います。
ただし一撃でガツンとノックアウトするようなパンチではなくバチンバチンと殴りつけるような、ぶっ叩くようなパンチを打ち続けながら相手にどんどんダメージを蓄積させていきます。
なので序盤の2~3ラウンドぐらいまでにまだ本当に体力があるうちにマルティネス選手は井岡選手に効かすパンチを打ち込めるかどうかが鍵になってくると思います。
井岡選手の場合は実際にリング上で対峙した相手との距離やパンチのスピードなどを把握さえすれば、多少大振りに見えるマルチネス選手のパンチが的確に急所に当たる確率はだいぶ下がると思います。
井岡選手は今回近い距離で戦うと宣言しているけど、多分それは近い距離だと頭と頭がくっつくような状態から腕を伸ばした強いパンチっていうのはなかなか打てないというディフェンスも兼ねた理由もあるような気がします。
左ボディのレバーショットが決まればこんなに楽なことはないですが、さすがに相手も警戒してくると思うので至近距離でのアッパーやみぞおちの辺りに突き刺すようなボディへのアッパーが有効な気がします。そしてそれを序盤に何発か当てて少しでも効かすことができればマルチネス選手も嫌がるだろうし簡単には打ち込んでも来れなくなり次第に井岡選手のペースになっていくと予想します。
まあ何が起こるのか分からないのがボクシングなんですが、やはり警戒すべきは強打をまともに食らうこととあとやっぱり一番気になるのはこのマルチネス選手ってなんか「持ってる」感じがするんですよね、明るくて無邪気で日本を楽しんでるような印象もあるし井岡選手が今まで対戦してきた相手の中では一番「持ってる」感があります。
ただマルチネス選手は負けなしで勢いもありますが、それは同時に劣勢になった時には今まで経験したことが無い状況に直面することになります。
うーん、井岡選手有利なんだけどマルチネス選手が番狂わせを起こす力も持っているって感じですかねー。
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試合後の展開ですが・・・
SNSなんかを見てるとこのマルチネス選手に勝ってその後のバム・ロドリゲス戦にも勝って有終の美を飾ってほしいなんていうコメントを目にしますが、いやいやバム・ロドリゲスに勝ってからが始まりですからっ!!
井岡選手はそれぐらいの気持ちでいるんじゃないかな!?
よく皆さん年齢のことを口にしますが彼は今35歳ですが全然問題ないと思いますよ、なぜかというと今の時代コンディショニング技術や栄養学、子供の頃からの栄養の取り方などが昔とはだいぶ違い昭和の野球選手みたいに35歳を超えたら急に落ちるとかそういうことは無くなってきています。
井岡選手は特にコンディショニングをしっかりしてるので息は長いはずで40歳で全盛期ということだって全然考えられるタイプの選手です。
彼のプロでの試合数はこれまで34試合。
私が気にするのは年齢ではなく試合数なんですよね、今までボクシングを見てきた経験からするとだいたい試合数が40戦を超えるぐらいから過去に打たれたダメージの蓄積なんかが出てくるような感じがします。
しかし井岡選手の場合はもともとパンチを貰わないタイプの選手なのでそこからさらに上積みは可能でしょう、じゃあ45戦までやるとしたらあと10戦。年に2試合だったらあと5年で40歳まで出来るという推算です。
有名どころのボクサーを見てみると・・・
オスカー・デ・ラ・ホーヤ(45戦)
マニー・パッキャオ(72戦)
フロイド・メイウェザー・ジュニア(50戦)
シュガー・レイ・レナード(40戦)
ミゲール・コット(47戦)
サウル・アルバレス(65戦)
ゲンナジー・ゴロフキン(45戦)
ローマン・ゴンサレス(55戦)
だいたいこんな感じです。。
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あと話は変わりますがここ最近の動きでボクシング界で気になったのが力石政法選手が大橋ジムへ移籍をしたってことですよ!!
世界挑戦直前にして育ててもらったジムを移籍するなんていうのは有りえるんでしょうか?こんなことして良いんでしょうか!?(よく解ってないんだけど今はよくある話なの??)
このままだと本当に大橋・帝拳ジムの帝国状態になりますよね、「一極集中」になるともうマッチメイクやらなんやら全部そこを通さないと出来ない状態になるでしょうし、ファイトマネーの取り分や条件面の調整やメディア対応など言いなりにしないと試合ができないような状態になっていくと思います。
かつてジャニーズ以外のアイドルグループが音楽番組に出演できなかったりとかそんなような流れになっていくんじゃないですかね・・・。
もし井岡選手が引退してしまったら「一極集中」状態がさらに加速して大橋・帝拳ジムに物を言える選手やジムは無くなっていくでしょう、まあ歴史上そういう事はどんなジャンルにでも有り得るとは思いますがよくよく考えると恐ろしいことです…。
それこそ業界の中で見えない圧力がどんどん大きくなっていって、忖度が蔓延し様々な弊害が出てくるような気がしています。
いや本当に…でもそこに今唯一対抗してる井岡選手って本当に凄いし実はとっても「ありがたい」存在なんですよねえ。(抵抗じゃなくて健全な対抗です)
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今の時代、広告代理店とかテレビ局のサラリーマン的発想でスターを作ろうとしますがそれって解ってないんですよ。
会社って社長が辞めればその下の中から誰かが社長になるじゃないですか!?
でも、長嶋茂雄が引退しても誰も長嶋茂雄になれないわけです。
井岡選手も同じで引退したら彼のポジションには誰も就けないんですよ。
なので井岡選手にはこれからも少しでも長くリングに立っていて欲しいです。