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少年と少女の出会いが新たな神話を紡ぎ出す


今回のオススメは、私の人生を変えた作品であり、私の中で今なお人生で出会った中で一番好きなアニメであり続けている作品です。それは…



交響詩篇エウレカセブン


交響詩篇エウレカセブン DVD-BOX (初回限定生産)/三瓶由布子,名塚佳織,藤原啓治
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全50話


(C)2005 BONES/Project EUREKA・MBS


パチンコ・パチスロ化もされ人気となったこともあって、ご覧になった方も多いかもしれませんが、私が勝手にオススメ作品を紹介させていただく上では、書かないわけには参りませんので。


この作品は、スカブコーラルという未知の物質に大地を覆われ、空気中にトラパーと呼ばれる物質が充満することで空をボードを使って飛ぶことのできる惑星を舞台に、少年・レントンと少女・エウレカが「人間」として成長していく物語となっています。戦争や差別などのシリアスな問題を主題に展開しつつ、笑いあり、心温まるエピソードありと盛りだくさんで飽きがこない50話になっております。


最初は、ヘタレ&思春期全開だったレントンが、終盤と最終話に見せる男気には思わず惚れてしまいます。ちなみに、物語の前半では話の最後にレントンが大好きな姉(物語上は1話の時点で失踪中)に自分の気持ちを吐露するという形がとられていますが、後半ではこの部分がなくなり、レントンの成長(=姉への依存からの脱却)を表わしていたりします。


エウレカも最初は自分の子供達(戦災孤児を拾って育てている)とゲッコーステイトのリーダー・ホランド以外に接することもなく、人間味の薄い少女として描かれていましたが、レントンからのアタックや様々な経験をすることで、人間らしい魅力的な少女へと変化していきます。物語内では、エウレカの外見も変化(傷が出来るなど)していくのですが、変わっていく外見に反比例するように人間らしくなっていくエウレカ。終盤のエウレカは、序盤の冷たさがなくなり本当に可愛らしいです!!


また、物語もう一つの主題となっているのが「家族」。レントンエウレカ、そしてエウレカの子供たちだけでなく、レントンエウレカが所属するゲッコーステイトの面々は、彼らにとって兄や姉、父や母のような関係性があり、彼らの成長を見守っています。そして、「家族」の話で欠かせないのが、チャールズレイのビームス夫妻。


彼らはゲッコーステイトにとっての敵なのですが、ある理由でゲッコーステイトを家出したレントンと知り合い、彼を養子に迎えようとしたキャラクターです。父として母として、男として女として非常に魅力的なこの2人。最後には敵同士であることがわかり、レントンと別れることになるのですが、この2人のエピソードは非常に感動的でして、特にオススメいたします。


私が薦めてこの作品にハマった人もチャールズレイのエピソードに号泣され、「(パチスロで)もうレイチャールズの演出が飛ばせない」と語っていました。本当に良いお話です。蛇足ですが、『交響詩篇エウレカセブン』の登場する『スーパーロボット大戦Z』では条件を満たすと、この2人がレントンを助けに登場します。この時はワタクシ、思わず絶叫してしまいました。


そして、忘れてはならないのがもう1つのレントンエウレカの関係となっているドミニクアネモネのこと。レントンエウレカ以上に数奇な運命を辿ることになるこの2人。ドミニクはずっと嫌われながらもアネモネの側に居続ける、そんなドミニクをいつしか頼るようになったアネモネ。そんな2人がたどり着いた物語の結末は…作中屈指の名エピソード、48話「バレエ・メカニック」はそこに至までの長い道のりを経る価値のある話です。是非ご覧になってみてください。ドミニクの名セリフも満載ですので!



2009年には劇場版アニメ


交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい


も公開されました。


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(C)2009 BONES/Project EUREKA MOVIE



こちらは、キャラクターなどの外見や名前はそのままに、設定が異なるTV版のパラレルワールドとしての作品。TV版を観ていなくても十分楽しめますが、作中にはTV版の名シーンのオマージュもありますので、TV版を観てからならいっそう楽しめるのではないかと思われます。


こちらではレントンエウレカは幼馴染みとなっていまして、エウレカがより人間らしい少女として描かれています。なので、最初から2人はラブラブで、観てるこっちが恥ずかしくなるほどなのですが…それがさらに物語になっているんですよね。こちらも是非ご覧になってみてください。余談ですが、私は劇場で7回ほど観ました。


TV版・劇場版とも一貫して世界の終末と創世について描かれていて、レントンエウレカの物語を『神話』として表現しているのです(このことは英語タイトルでもわかり、「交響詩篇」の部分は英語では「Psalms of Planets 」、つまり「惑星の詩篇」と書かれています。「詩篇」とは聖書の一篇を表わす言葉で、惑星=世界の終わりと新たな始まりを記す物語ともとれるのです)。なので、この作品を語る上では神話的なオマージュは欠かせないものとなっています。このことを頭に入れて物語を観つつ、神話に関することも調べていくとより楽しめるかも知れません。


TV版ではわかりやすいところで「金枝篇」があります。物語のキーパーソンであるホランドデューイが常に持ち、読んでいる本なのですが、これは神話集でして、収められている神話が物語の根幹に関わっていたりします。ですが、「金枝篇」に関しては物語の中でチャールズが「金枝を持つ」と言ったり、ホランドが「選ばれた」といった表現をするだけで、内容そのものには触れられていません。なので、気になる人は中盤あたりで一度「金枝篇」を調べてみると良いかもしれません。


劇場版では最後の戦いからの一連のレントンエウレカの行動をある人物が「後の人に語られる神話」と呼び、神話の語り部=一連の出来事の傍観者を待っていたりする場面も。さらに、ラストで現れる飛行機が植物をくわえた鳩の形をしていて…。

気になった方、アニメを観るのと同時に神話についても調べてみてください。新たな発見、楽しみがありますから!!


全50話とちょっと長めですが、超名作の『交響詩篇エウレカセブン』是非とも一度ご覧になってみてください。レンタルの方は、一気に借りて観ることをオススメします。止まりませんから、正味の話。また、劇場版公開に合わせて製作されたDVD-BOXを購入されるのも手かもしれません。DVD-BOXにはTV版とは異なる結末が描かれた幻の51話の音声が収録されているので(イベントでの声優さんによる朗読なので、映像はなし)。



☆GUMP☆