葉室麟、スポーツの新記録の不思議 | 新時代思考記

新時代思考記

令和の時代も考え続けます!

葉室麟「霖雨」(2012年)という作品。直木賞作家の葉室麟氏の作品は、今回が初となる。読み始めの最初、語彙が難しくて読み難いなぁ、と思って読み進めてたら、徐々に文体に馴れてゆき、スラスラと頭に入るように理解出来た。文章が頗る上手い作家だと思う。

ハードボイルド小説とか、そんな荒い感じでは全然なくて、クライマックスとか盛り上がりは、殆ど無いようなものだったけれども、そのことが却って私には好印象となっている。そんなもの評価には関係がないと思う。葉室麟氏らしさ、という良さが文章に滲み出ている。

2017年に66歳の若さで亡くなっている。とても惜しいと思う。

 

 

世界陸上オレゴン大会。

スーパースターが不在なのが気になる。

いつもなら、誰か一人くらいは居るもんだが、大注目の選手がなかなか居ないような気がする。

ずっとテレビで見ている訳では全然ないので、単純に見ていないだけで私が知らないだけだろうか。

 

しかし私が不思議なのは、スポーツの記録という記録は、どんなに凄い記録でも、殆どが綺麗に破られてしまうということだ。

あの素晴らしい記録が塗り替えられるなんて……。ということが多々ある。

例えば、昔のアメリカのマイケル・ジョンソンの400メートルは、当時ぶっちぎりの記録だったのだが、結構最近になって破られていなかったっけ? 違ったかな。

 

人類の記録、つまり運動能力というのは、僅か数年というこんなにも短期間の中で、果たして目に見えて進化するものだろうか。

このまま記録が常に塗り替えられるなら、未来のスポーツは一体どうなっちゃうのか? 

進化とは不思議なことだなぁ、という感想を持つ。

ダーウィンの進化論のような考え方であれば、簡単なことだが、私はこの進化論というものなど全く信じていないのであった。

 

飽くまでも仮定だが、もしかすると、世界新記録を出させる為に計測する方法や使用する道具に、何か細工や不正などをしてはいないか?? 

きっと、そんなことは無いのだろうけれども、私なんかは不思議なのでそのように思ってしまうことも、しばしば。

 

例えば、プロ野球巨人の江川卓氏は剛速球投手で知られていたが、彼は全盛期であっても150キロそこそこくらいの球速だった。

それでも当時では凄かったのだが、今や大リーグの大谷翔平投手は、いとも簡単に163キロなんていう、とんでもなく速い球速を出してしまう。投手の全体の平均球速も、昔と比べてかなり速くなっている。

昔の野球選手と今の野球選手の何が違うのだろう。

体格が大きくなったというのは一理あると思うが、では小さな投手でも、昔の投手よりも速いことが多いのは何故?? 

トレーニング方法といっても、たかが知れている気もするし、食事の栄養面でも、そこまでは変わらないだろうと思う。

昔の方が精神的メンタル的に強い選手が多かった気がする。だからトレーニングも沢山しただろうし、沢山食べることもしていただろうと思う。

では何が違うのだ?? やはり、スピードガンが違う(笑)?? 球速が簡単に出るようになっている??

 

分からないけれども、そんな風にいわば癖のように疑ってしまう。疑い癖は直した方がいいな。

 

オリンピックもこの世界陸上もプロ野球も、基本的に収益が取れてナンボの世界であり、商業ベースで成り立っているのだから、選手の記録は常に新しく塗り替えられた方が、断然、競技場の観客やテレビ視聴者にとっては、とても盛り上がるのだった。