あざと〜〜〜〜い!

 

って、顔の表情が見えないところで

文字で書くと誤解されると思いますが

けなしてません。

 

褒めてます。

 

 

昨夜のフランスでのW杯 エキタ・リヨンでの

ジェシカの演技!!

 

 

 

 

 

フランスに留学して

わりと最初のうちに気づいたのは

 

成金を

英語では  Nouveau Riche と仏語の単語を使って

フランス語では New Rich と英語の単語で

 

言うんですよね。えー

 

パーティ会場などから

周りに挨拶せずに帰ることも

英語では "フランス式の去りかたをする"

と言い

同じ現象をフランス人は "イギリス的" と言う。

 

 

 

も〜〜〜、あなたたちってば

どれだけお互いのことがお嫌い?

 

 

 

って思うんです。爆  笑

 

 


でもドイツとは

接している国境が何度も変わって

同じ地域が時代によって

ドイツ領だったりフランス領だったり。

親子3代、同じ町で生まれ育っても

おじいちゃんと孫はドイツ人で

お父さんはフランス人だったり。

 

文化も気質も全く違うのだけれど

もっと身内感覚というか

町内会や親戚で一番生理的に合わない人

に対する感情に近いものがあるというか。

 

 

 

現代フランスの歴史上の最大の汚点は

ナチスの傀儡政権の成立を許してしまったこと。

ユダヤ人迫害に積極的に関わってしまったこと。

 

 

フランスは伝統的に

社会の輪から弾かれそうになる

あるいは

はじき出されてしまった存在に

寛容な社会でした。

 

イギリスで同性愛が非合法だったときに

オスカー・ワイルドを受け入れていますし

ブルックリンほど大きくはないですが

パリにはユダヤ教過激派のコミュニティもあります。

家賃を払わないことも多い

エキセントリックな画家さんたちも

受け入れてきた。

 

 

イギリス、ドイツが

法、規則、論理といった

男性性が強い社会なのに対して

 

フランスは(地中海沿岸地域は?)

「とはいえ、情というものがあるではないか」

 

という意識が強い。

 

そんな国民性なのでよけいに

ユダヤ人迫害に積極的に加担したことは

フランス人にとってこころの傷でもある。

 

 

シャネルとエディット・ピアフは

どちらももともと

過酷な生い立ちと育ちなのに

さらに戦争に翻弄され

 

どちらも小柄で細身だったそうですが

まだ女性が自らの経済力だけで

生き抜くことが難しかった時代に

そんなことはできないと諦めなかった

自らの可能性にかけて

自分自身の足で

何度でも立ち上がった女性たち。

 

 

作家のヴィクトール・ユーゴーと

歌手のエディット・ピアフは

 

人間の情というものをとても大切にした

フランス人にとって思い入れの深い

フランスの魂ともいえる芸術家です。

 

 

 

そのエディット・ピアフを

ドイツ人であるジェシカが

キュアの演技に使う。

傀儡政権が首都とした

ヴィシーにほど近いリヨンで。

 

騎手も馬も、女性。

 

過去なんて気にしない

後悔も懐かしみもしない

前だけを向いていく

 

 

という曲に乗せて。

 

 

 

EUという政治的な枠組みも

外から見るといつ崩れ去るのだろうと

懸念もされますが

フランス人が、そして願わくばドイツ人も

思い入れを抱いているのは

 

対独戦線に自ら2回も参戦した

故・元ミッテラン大統領が

フランス人のなかでも最も

ドイツ人を忌み嫌っても当然の

個人的な体験を押してでも

今後の欧州のために

フランスとドイツが手を結ぶことが

不可欠であると判断し

積極的に動いて成立させたから。

 

 

何百年もに渡る戦争と憎悪の歴史。

そしてそれを責めることをやめ

自らのこころの傷とともに相手を抱く。

 

 

 

イザベルの世代にはまだできなかった

深い深い表現。

 

ジェシカの世代、キャラ、そして

ダレラBB号も一触即発系ではなく

穏やかで落ち着いた演技をする馬

だからこそ似合う。

 

 

 

運命的に

その夜の主審はフランス人女性。

演技終了の敬礼を受けた

主審イザベル・ジュデ氏の表情にも

ぜひご注目ください。

演技開始前との違いを。

 

 

2024 パリオリンピック。

馬術はベルサイユ庭園を会場に行われるので

なんとかチケットを手に入れて

観戦に行きたいなと思っています。

 

今後構成にはさらに磨きをかけるのでしょうが

これベルサイユで観たら号泣しそう。

えーんえーんえーん

 

 

ジェシカ自身は世代的に

そこまでは考えてないかもしれませんが

平和の祭典に

ベルサイユでこれを観る

フランス人観客のうち 60代以上はもう

 

 

 

ずきゅーーーーーーーん!!

 

 

 

ですよっていうあざとさ、ですね。