寝ているときに見る夢はその人の潜在的な欲望を表すとよく言う。
忘れられない夢を見た。
夢のなかで私は立っていられなかった。地面がふにゃふにゃで一人で歩くことができない。
私はそこで生きていくために、そこにいた好きでもない男にしがみついた。すると、地面がふにゃふにゃなことに変わりはないのに、とても安心した気持ちになった。私がしがみついた男は私にとても優しく、同時に一人で立ってる人を憐れみ優越感を覚えた。
男がふと私のそばを離れた。とたんに不安な気持ちが私を襲い、また私のことを支えてくれる人を探した。女の子が支えになってくれることもあったが、それは束の間で男の人といるときのように安心しきってもたれるようなことは出来なかった。
私は一人で立っている人が不思議で仕方がなかった。あの人はどうやってこのふにゃふにゃな地に足をつけているのだろう。
男の人といたほうが楽しいし、安心するし、一人の時よりずっとずっと充実するのに。本当に不思議。
目が覚めた。私に彼氏はいないし、できたことがない。
いつも好きな人の話ばかりする友達を見て、なんで四六時中そのことしか考えられないのだろうと不思議に思っている側の人間だ。一人で立てる。自分は自分を裏切らないから自分でご褒美を与えてやっていけるタイプ。
目が覚めたと同時に恋愛体質の女の子の気持ちを完全に理解したような、私はそんな女の子に潜在的に憧れているのかなんなのか。