成功した作家(ベストセラーを生み出し、
ドラマ化されたり、映画化されたりする)は
精々100人だ。

その一人ひとりの背後に、ベストセラーを生み出せなかった作家が
100人はいる。
さらに、その一人一人の背後に作家になれなかったが、
一応本となるはずだった原稿をコンテストに応募したり、
出版社に原稿を送って採用されなかった人が100人はいる。

その一人一人の背後に、原稿は書き上げたものの、
結局どこにも送らず机の引き出しの中に仕舞ってしまった人が、
100人はいる。その一人一人の背後に、
作家になれたらいいなと思っただけで、
生涯何一つ書かなかった人が100人はいる。

これは作家だけのことではない。
カメラマン、役者、映画監督、歌手、漫画家、服飾デザイナー、
野球選手、サッカー選手、ダンサー、弁護士、ドライバー、
脳外科医、内科医、外科医、小児科医、歯科医、獣医、
プログラマー、営業マン&ウーマン、ラーメン店経営者、
居酒屋経営者、喫茶店経営者、通訳、画家、書道家、
アフィリエイター、ネットワークビジネスのディストリビューター、
犬のブリーダー、りんご園経営者、旅館経営者、
ペンション経営者、投資コンサルタント、お笑いタレント、
アナウンサー、個人貿易業経営者、ブロガー、
もう何だって該当する。

その分野で成功した人一人の背後に、
成功しなかった人一万人、十万人、百万人は
軽くいると思わなければならない。

何かの分野でプロとなり成功するのは、
どの分野であれ、凄いことなのだ。
成功という山は、失敗した人の山を乗り越えた人だけが登れる
山だからだ。

登り始めるのは簡単だが、最後まで登り続けるには、
才能だけでなく、運を引き寄せる本人の魅力や
チャンスに気づく繊細な感覚も必要だ。

画家としては芽が出なかったが、
独裁者として歴史に名を残した人もいる。
主婦としては失格だったが、
女優として歴史に残る人気を得た人もいる。
サッカー選手として怪我で挫折するも、
歌手として大成功した人もいる。
野球選手として怪我で挫折するも、
生命保険の営業で世界的に有名となった人もいる。
作曲家としては芽が出なかったが、
アムウェイのディストリビューターとして大成功を収めた人もいる。

自分が登りたい山と登れる山を見極めることは重要だ。

この山ではないなと気づきながらも、
まだ登ろうとしているのは時間の無駄というものだ。
労多くして益少なしだ。
さっさと降りて別の山を登った方がいい。

今、仕事で悩んでいる人は、場合によっては、
登る山を変えることで、意外と大成功するかも知れない。

山は逃げない。
その山が大好きで、しっかり準備して十分な装備と体力があれば
誰だって登れるのだ。
山の大小は問題ではない。
山に登ったことが大事なのだ。