最近、英語を公用語とする日本企業が話題となった

ことがありましたが、そこまでしていなくても

英語能力(英会話スキル)が

仕事の能力評価の一部となっている企業は

結構あるものです。

(ユニクロや楽天以外にも、日産、SHARP、SMK

日本板硝子などが、実質英語が公用化されており、

双日、Panasonic、野村ホーレディングス、伊藤忠商事

なども英語の公用化を準備中)


外資系企業はもちろんですが、

金融機関やIT関連だけでなく、

CEOが外国人になった企業や

大手ゼネコンでさえ海外プロジェクト関連では

実務能力もさることいながら

英会話能力も必然とされる時代となりました。


私などは、

高校生の頃の英語担当教師の

「でもしか」レベル(他に才能もないし、

興味もないし、まっ英語は出来るほうだから

英語の先生にでもなるか)に辟易して

英語嫌いになってしまいました。


小学校の頃に、

週2回程度、YWCA(YMCAではなく)の

子供英会話教室に通わされていた時は

担当の美人先生や時折出会う外国人の方に

ドキドキしていた思い出があります。


バザーやクリスマス、感謝祭などの行事も

楽しく、その頃は、将来は

外国の方と英語で会話するような

仕事に就きたいなと漠然と思っていたくらいでした。


が、それが受験勉強となってからは

一気に興味が失せてしまいました。


中学、高校と英語が必須科目でもあり、

受験にも英語があったにも関わらず

全く英会話なんて出来ませんでしたし、

その必要性も感じませんでした。


当然、英語の本を読むなんてことも

ありませんでした。

(例外は、アメリカの月刊『PLAYBOY』誌。

センター・グラビアの黒塗り部分をいかにして

消すかという努力と平行して、アメリカの雑誌は

海外の雑誌や書籍を売っていた丸善で

よく立ち読み(立ち見?)していました。)


教科書的英会話なんて、

現実の世界や映画の中では全く出会ったことがなく、

よけい英語への興味を失わせた可能性もあります。


自分が鉛筆を持ち挙げて、

”This is a my pencil”なんて言わないでしょう?

日本だと

「これは私の鉛筆です」となりますが、

普通は、「これ、僕の」とか、「あたしのよ」

ってな感じでしょ?


そうやって、英語暗黒時代が続いたのですが、

社会人になってビジネス書を読むようになってから

日本で売られているビジネス書の多くが

アメリカのビジネス書のパクリだということに

気が付いたわけです。


分かり難い表現も

元の原書で読んだほうが分かるのではないかと。


営業やマーケティング関連だけでなく

心理学や成功哲学関連の英語の本を

たまに丸善などで買っては

辞書を引きながら読み始めたものです。


そして、ハリウッド映画。

学生時代と違って、

自分で稼いだお金で月に1,2本は

観に行くようになってから、

映画の字幕と実際の会話に違いがあることに

少しずつ気が付くようになったのです。


字幕では、

「おまえ、遅かったじゃねぇか?」

「ちょっと、道が混んでてね」

となっていたのに、会話では

「おまえ、どこで遊んでいたんだ?」

「乗りこんだ飛行機が間違っててさ、

モスクワ経由でさっき着いたとこなんだ」

というムチャクチャな言い訳だったりして

笑えたのです。


その後、いろんな本を読んで知ったことがあり、

それは、外国語習得能力は

遺伝的要因に左右されるということです。


最近でも2009年に報告された

アムステルダム自由大学のビンカウゼン博士らの

調査によれば、

第二言語の習得は、

環境よりも遺伝的要因が強く、

前者が29%に対して後者が71%にもなる

とされているのです。


2010年にも同様の調査研究が

アメリカのニューメキシコ大学のデイル博士ら

によって発表され、ここでは遺伝的要因が67%と

されていました。


どちらにしても、外国語の習得進捗度の

約7割が遺伝的要因ということです。


他にも、赤ちゃんの時に

早く言葉を話せるようになったということと、

外国語の習得の早さには

全く何の関連性もないということです。


となると、

日本人で英会話習得が苦手な人は

遺伝子的要因の影響度が強い可能性があり、

最初に紹介したような

英語を公用語とする日本企業は

明らかに「遺伝子差別」を行っていることになります。


英語公用化の企業では

いかに能力があっても英語がからっきしダメな

社員は出世が難しいということになります。


それはいかがなものか?


むしろ、本末転倒じゃないか

などと思ってしまうのであります。


仕事で英会話が必要なのに

英会話がまるでダメ・・・、

でも仕事はめちゃできるという人を

活かせないということになるからです。


例えば、日本のSNSゲーム開発メーカーで

日本語がカタコトのフランス系カナダ人を

採用するだろうか?

彼が、その分野でのプログラミングで

ものすごいスキルを持っていても

日本では難しいだろう。


ところが、かつてのゴールドマンサックスでは

そういう人材を平気で採用していたのです。

英語がカタコトしかは話せないフランス人を

本社で採用していたりする。


そんな例を改めて紹介したい。


英語が不出来でも心配なし。

それ以外ですごい能力があなたにはあるはず。

それを伸ばすことをもっと真剣に考えましょう!


(つづく)