この記事は、中部大学教授、武田邦彦氏のブログから

記事の転載許可を得て、以前ネコペンギンのブログ

『幸せな成功のための魔法の杖』で連載しておりましたが、

2011年2月18日朝、アメブロによってそのブログが

突然削除されてしまい、ご紹介ができなくなってしまいました。


そこで、ウルフペンギンのこのブログで改めて

ご紹介していくことになりました。

なお、本文中の誤字脱字は訂正してありますが、

基本的に内容はそのままにしております。


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私たちが2009年の総選挙で民主党にダマされた原因を

ハッキリしておくことは、今度の総選挙でも

同じ事をくり返すことがないためにも大切なことでしょう。


かなりハッキリした公約、

たとえば「脱原発」なども当てになりません。

当選して政権を取ると正反対のことをする可能性が

高いからです。


今の政治家はそれほど誠実な人は多くありません。

多くの政治家は「政治に誠意を尽くす」のではなく、

「議員になって儲ける。もしくは名誉を得る」ことに

目的があるからです。

そうでないと、多の職業から見て日本に

「自分が損しても、国のため」などという人が

500人もいるはずもないからです。


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第一の見分け方は「政党名」です。


政党というのは「民主・公開のもとで国民が参加し、

国を発展させ、国民の生活を良くして、

幸福にするかについて現状を革新し

未来に向かう」ことを目標にしています。


この目的とは違う政党は今のところありません。

だから、この文章の中に入っている言葉は

「目的」であって「方法」ではありません。


誰もが「独裁的、国民が参加しない、国を衰退させる、

国民の生活を犠牲にする、不幸にする、現状のままで良い、

未来を見ない」という目標では

賛成しないことは明らかです。


問題はその目標に至るのに採るべき「方法」が異なり、

かつてなら「資本主義」で目標に到達しようとする西側諸国と、

「共産主義」の方が良いという勢力がいましたが、

これはまともで「どういう目標か」ではなく、

「何をするか」の違いがハッキリしています。


資本主義ではお金を中心として自由な競争をすることで

人の活性を引き出し、最終的には

国を発展させるということですし、

共産主義はみんなが平等で

みんなが努力するということでした。


ちょっと聞くと、共産主義の方が良いように見えたのですが、

「人間はエゴ、政治家はお金と権力」ということを

忘れていましたので、みんなが平等で

みんなで努力ということで始めたら、国民はサボり、

政治家は私費を肥やすことになって崩壊しました。


「理想」や「美しい言葉」ではなく、現実に「人間はエゴがある」、

「政治家はお金や権力が欲しくて頭を下げている」という現実も

直視しないと大変な事になることを示しています。


つまり、「民主党」というのは、日本の政党の中で

全部が「民主的手続き」と言っているのですから、

「無名党」と同じだったのです。


だから、「その日限りの政策」とか「耳障りの良い政策」だけで

勝負ができます。

全体のつじつまを合わせる必要は無く、

「子ども手当を支給」と言えば良く、「その財源は?」と

何回聞いても返事をせず、当選したら忘れるということになります。


だから、民主、公明、国民、みんな、国土、発展、生活、

幸福、新しい、革新、維新、未来、太陽・・・などは

政党の名前になり得ないものです。


このような党は心の中では

「何をすれば良いかわからないから、

目標だけを書いておこう」ということで

政権を取ったら何をし始めるかまったくわかりません。

だから、多くの国民が「どの党に入れようか?」と迷うのです。


その中で本来の政党の名前を持っているのは、

共産党と減税党だけで、共産党は共産主義ですし、

減税党は減税をするという

「国民が幸福になる革新的手段」が示されています。


そのほかの党の場合、

「本来の党名をつけることができないぐらい

場当たり的」であるか、あるいは

「頭が整理できず、まだ基本的な方法がついていない」

ということでしょう。


個別の政党を批判するのがこのブログの目的ではないので、

代表的な「自由民主党」、「民主党」、「維新の会」だけについて、

若干の解説をしますと、

自由民主党は最初は「自由資本党」でした。

つまりできるだけ個人の自由を尊重して企業を盛んにし、

お金を中心とするという考えで、

1980年代まではそうだったのですが、

次第に変化して「利権、軍事」に傾いています。

それが良いかどうかではなく、

今では「特定利権・再軍備党」と命名するのが良いでしょう。


民主党はもともと党名がないのと同じで、

政権について主要公約の真逆をしましたから、

「虚偽党」が良いでしょう。


また「維新の会」は

幕末から明治維新を念頭においていますが、

幕末は「武家政治から絶対主義へ」という方向が決まっていて、

それが「維新」だったのですから、

「方法」はハッキリしていますが、今回の場合、

「維新」とは「改革」と同じですから、方法ではありません。

東京と大阪が連合したのですから、

「大都市党」か「ピンハネ党」が良いのではないかと思います。


2009年の選挙で私たちがダマされたのは、

「優しく親切に聞こえ、お金がもらえるのではないか」と

つまらないことを考えたからです。

今でも「何もないところから自然エネルギーで

電気を作ることができる」とか、

民主党と同じで「財源がないのに***手当」

などとしているところもあり、警戒が必要です。


今度の選挙で、私たちが再び、非科学的、

自分の利益だけを考えると、

本当に私たちの子どもの時代はダメになってしまうでしょう。

毎日、子どもによかれと思って育てた努力も

無になってしまいます。


「原発をやらない」という点では口先だけではなく、

一貫して主張している所はほとんどありません。

さらに「原発の代わりに再生可能エネルギー、

自然エネルギー」と言っているところは口先だけということです。


勇気を持って「原発の代わりは

化石燃料」というところでないと

政権を取ったらクルッと変わるでしょう。

10年ぐらい国会を休止し、

霞ヶ関の活動をやめたら日本は良い国になりそうです。


(平成24年12月3日)
武田邦彦


「no001_00017131713.mp3」をダウンロード


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社会主義の究極の目標が「共産主義国家の樹立」です。


但し、それが実現し、継続するには

政治家のトップが、私利私欲のない、

マザー・テレサのような人物ばかりでないとダメで、

その上、産業界のトップには

共産主義国家でありながら、

業界改革、新規開拓、新規参入を率先垂範出来る

幹部がいないと、その国家の産業は全て

衰退してしまうことになります。


というわけで、人間に「私利私欲」や「エゴ」がある限り、

「共産主義国家」で国民が幸せにはなれないのです。


ならば、なぜ「日本共産党」は、

未だにトンチンカンな「共産党」を党名に使っているのでしょう?


それは、党幹部の「エゴ」と「私利私欲」によるものです。

彼らが、歴史はあっても矛盾している

「党名」を変えない限り

いつまでたっても、未来永劫、少数野党のままでしょう。

(個人的には、「日本労働者党」がいいんではないかと

思っていますが・・・)


本来、「政治活動」は「マーケティング」であり、

中でも「選挙戦略」は、「マーケティング」そのものです。


「マーケティング」は、「最小努力で最大効果」を

如何にして上げるかを考え実行することです。


選挙もしかり。


そういう意味では、住民がたった50人しかいない

山奥の過疎の村には

どこの候補であれ、誰も選挙カーで行こうとは

しないのです。残念ながら、それが現実です。


逆に、東京や横浜、大阪、名古屋、京都などの

大都市では、党の幹部などが入れ替わり

応援にやってくるわけです。


たった2週間で、最大限効果を上げようとすれば

当然、人口の多い都会を

選挙カーが走ることになるわけです。

今の日本の選挙制度では、

ツイッターやフェイスブックを活用しての「選挙」は

違反とされてしまうからです。


「選挙はマーケティングである」という観点から見れば、

衆議院議員がたった9名しかいない「日本共産党」が

何故、300ある小選挙区で299人もの

候補者を擁立させて、全員が小選挙区で落選するというのは

正気の沙汰ではありません。


これが、企業なら

さしずめ「シャープ」か「パナソニック」でしょう。

全く利益を生まない新製品を

新規事業として立ち上げ

市場に投入しているようなものです。


各小選挙区で、「日本共産党」の獲得票率は

5%~7%程度しかありません。


それだけ、「日本共産党」の候補者の

演説は、一般大衆(国民)の気持ちを

掴み取る事が出来なかったということです。

比例区単独23名と合わせて計322名を擁立させながら

小選挙区で299名全員が落選し、

比例区でかろうじて8名が当選したに過ぎません。

(つまり、322分の8です!)


それなのに、毎回選挙では

大量の立候補者を擁立させては

大量の落選者を出すという事を

戦後何十年と続けている政党なのです。


お金と時間の圧倒的な無駄遣いです。

これほどまでに「マーケティング」センスのない党が

仮に何かの拍子に与党にでもなれば

あらゆる国政の現場で、民主党や自民党以上に

「人、モノ、金、情報」の無駄遣いが発生するでしょう。


さて、長くなりましたので

自民党や民主党、それに日本維新の会などについては

近いうちに改めて書く事にします。


by ウルフペンギン