情報から感情移入へ:3
21世紀のトレンド
今日の益々複雑化するビジネスへの対処と
そのビジネスにおいて一歩先んじるためには、
三つの大きなトレンドの活用が不可欠だ。
テクノロジー、コミュニケーションと専門化。
テクノロジーとコミュニケーションは、
特に大企業において、
組織を変え、合理化を推進させてきた。
旧世代のビジネスノウハウは、
なめらかなプロセスとシステム化によって
一気に塗り替えられてしまった。
テクノロジー、コミュニケーションと専門化は、
ビジネスの速度を永遠に変えたのだ。
しかし、今日、
企業にとっての大きな問題は、
フォーカスの振り子が
テクノロジーやプロセス、システムの方へ、、
そして、人間個人の技術(巧みの技)から
あまりに遠くヘ揺れてしまったということだ。
多くの組織が、
時代に乗り遅れまいと基本を放棄し、
プロセスやシステムにフォーカスしすぎてしまい、
ビジネスというものは
一人の人間が抱えている問題を
別の人間が解決してあげることだという
最も「コア」な部分を忘れがちになってしまった。
皮肉なことに、
企業における大きな投資は、
社員であるセールスパーソンを
より一層先鋭化させるための
テクノロジーやコミュニケーション、
システムに対して行われるようになった。
そして、その結果、
最前線で営業活動を続ける
セールスパーソンは、情報収集のため
より多く顧客と会うようになり、
そんな彼らをサポートするスタッフや
リーダーも同様に
セールスパーソンとのミィーティングに
さらなる時間を割くようになった。
企業が、セールスパーソンに
対人関係の基本を教えることに背を向けながら、
その社員に対して、(家族よりも)より多くの
他人と過ごすための時間を、
さらに増やさせようとしていることは
いかがなものだろうか?
(ビジネスがシステムされたことで、
合理化となり就業時間が短くなるどころか
逆に長くなってきている!)
気になるのが、「専門化される」ということだ。
「ビジネス・プロフェッショナル」と
呼ばれる人たちは、今や
自分たちの市場や業界においての
文字通りの「専門家」となっている。
クロスオーバーがまだあるかも知れないが、
いわゆる「プロ」が他業界へ転職することは
限りなくゼロに近いと言えるだろう。
例えば、
ソフトウェア・セールスの誰かが
気まぐれでMRIやCTなどの医療機器分野の
セールスに転職するということは、
非常に難しい。
この「専門化される」というトレンドにおいて、
ビジネス・プロは、近現代史の中の
いかなる時代よりも
己個人としての「ブランド」と
「人間関係」に頼らざるを得なくなってきている。
ある企業が成長して、工業化が推進され、
テクノロジーとプロセスを受け入れた時、
最も重要なことは、
取引先との長続きする良好な関係を築くために、
プロとして自分たちの業界でのトップに
上り詰めても、なおかつ
最上位をキープし続けようとする、
セールス・プロたちの現場での「柔軟性」に
拠るところが大きい。
自分の人脈を構築し育て、活用することは、
自分のキャリア・ゴールの達成にも繋がる
ということであり、このことは
Bob Beaudine(ボブ・ボーダイン)の書いた本
”The Power of Who”の
基本的なテーマの1つとなっている。
- The Power of Who/Bob Beaudine
- ¥1,659
- Amazon.co.jp
とても完璧に、組織をトレーニングし
システムとプロセスに集中させたとしても、
コミュニケーション・スキルを
ビジネス・プロセスと連携する方法を
一体誰が、次世代の人々に教えるのだ?
(つづく)
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あの聖書の時代から
どうすればより効果的に人々を説得できるのかと
誰もが悩んできた。
ある宗教の信者を増やす(布教活動)ことは
セールス能力が問われることでもある。
ただ我武者羅に、その新興宗教の教えを
大声で叫べばいいというものではない。
相手を知り相手の立場を考慮して、
相手とのシン、パシーを意識しながら
お互いの共通点を相手に意識させ
その上で、相手の現在の悩みを聞き出していく。
そうやて、人間関係が構築出来てから
ようやく、「私は、この教えで心が救われました」
と語りかける。
キリスト教を布教した信者たちも
偉大なセールス・パーソンだったのだ。
人が買うのは、間違っても嫌いなヤツからではない。
好ましい相手からだ。
いくら安くても、嫌な相手からは
決して買ったりはしない。
例えあなたがWeb3.0の新たな戦略をとっていても
そこから見え隠れする、「あなた」が好かれなければ
意味はない。
押し付け(アウトバウンド)セールスの時代は
終わったのだ。
これからは、引き寄せ(インバウンド)セールスの
時代だ。
是非、「あなた」を買ってもらおう!
by ウルフペンギン