情報から感情移入へ:2
電球はいつか切れる
サンフランシスコで友人と一緒にランチをとっている間、
Jeb Blount(ジェブ・ブロント)は、
これから書く予定の新しいセールスの本の概略を
ナプキンに初めて書きとめた。
ブロントとその友人は、
セールスに関する大抵の本やトレーニングが
過去10年間にどれくらい複雑になったかについて、
議論していたのだ。
二人は、セールス仲間として
まるで学生時代に戻ったように
セールスやビジネスに関する
何百冊もの本を読みまくった。
この地球上で、最もアクセスが多い
セールス関連のウェブサイト
http://www.SalesGravy.com の管理者としての
ブロントへの書評依頼のため
毎週何冊かの新たなビジネス本が
出版社から彼に届けられる。
各々の本の著者は、
セールスとビジネスでの成功のために
新たなアプローチで、
従来の本よりも一枚上手に出ようと
悪戦苦闘しているようにも思われるとジェブは言う。
確かに、本屋にはセールス関連の新刊本が
絶えず補填されており、
その多さに驚くことがある。
本の狙いや主張はそれぞれ違う。
ある本では、
ビジネスマンは、最新のそして偉大な理論でもって
さらなる商談の契約が可能だとし、
また小さなビジネスに携わっている人々へは、
より大きなビジネスへと成長させることで
セールスにおいて一切の迷いがない
悟りの境地に達せられるとし、
また別の本では、リーダーが、
勝利するチームを作り上げることが出来ると主張し、
そして個人にとっては、より素晴らしいキャリアアップが
可能だと主張する。
この種の本は、内容を鵜呑みにした読者を
どれだけ混乱させたか計り知れないものがある。
毎月のごとく出版される
新たなセールスやビジネス関連本は
枝葉末節の独自手法に拘るあまり、
人と人との繋がりや感情といったものを
大抵は無視してしまっている。
ブロントの最初のセールス・マネジャーは、
「セールスは、基本的なルールと法則によって
支配される」と彼に教えた。
内容が複雑で数百万ドルという高額な取引に
二人は一体となって取り組み、
その間、いつでも熱心にこれらのセールスの基礎について
マネジャーはブロントにコーチしてくれたのだ。
彼らの業績が業界でも常にトップクラスだったのは、
セールスの基本から逸脱しなかったからだ。
ブロントはセールスのプロとして20年間、
この基本からめったなことでは
逸脱することはなかったという。
万が一、道を外れた時、
ブロントは、「失敗の重力」のせいで、
同じ過ちを犯すようなことはしないと、
固く決心したという。
ブロントは、「成功のための魔法のサプリメント」的な
解決方法があると信じることは、
とても魅惑的だということを、
彼自らのセールスのプロとして、
あるいはセールス・マネジャーとして
そして重役としての経験から知っている。
但し、ビジネスにおいて、年々歳々成功を継続するには
基本に対して強くしっかりとフォーカスすることが
必要だということも。
(つづく)
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電球は、いつか切れるものだ。
今、どんなに明るく煌々と輝いていてもだ。
そんな簡単なことを
セールスの現場では、つい忘れがちとなる。
それが「基本」というものだ。
成功するセールス・ノウハウ本や
これであなたもお金持ちになれるといった内容の本が
あまりにも多い。
このブログで、再三書き込んではいるが、
ナポレオン・ヒルがアンドリュー・カーネギーから
多くの成功者に会って、その成功の秘密を
聞き出してまとめろと言われたというのは
後年になって(A・カーネギーが亡くなってから)
ナポレオン・ヒルが創りだした嘘だ。
ロバート・キヨサキが、世界的なベストセラー、
「金持ち父さん貧乏父さん」で紹介した
金持ち父さんも貧乏父さんも彼の創作だ。
モデルは、キース・J・カニンガム。
そういう事実を知りもせず、
この手のノウハウ本を鵜呑みにすることは
非常に危険だ。
その反面、太古の昔から
商取引において絶対的な真実として
誰もが知っていたことを
これらの多くのノウハウ本では
ほんの少ししか触れていない。
まぁ、簡単に言えば、
あなたもそうだが、誰も虫の好かないヤツからは
何一つ買いたいとは思わないってことだ。
人が買うのは、間違っても嫌いなヤツからではない。
好ましい相手からだ。
いくら安くても、嫌な相手からは
決して買ったりはしない。
例えあなたがWeb3.0の新たな戦略をとっていても
そこから見え隠れする、「あなた」が好かれなければ
意味はない。
押し付け(アウトバウンド)セールスの時代は
終わったのだ。
これからは、引き寄せ(インバウンド)セールスの
時代だ。
是非、「あなた」を買ってもらおう!
by ウルフペンギン