9月24日、NHKBSプレミアムで21時から

映画『ココ・アヴァン・シャネル』を放映していた。

劇場でも観た映画だったのだが、

気になっていたこともあり、

三度目の視聴となった。


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主演は、あのオドレイ・トトゥ。


劇場で1回。

DVDで1回、計2回は観たのだが

シャネルの男関係の微妙な作り方というか

男との出会いを活かして

成りあがっていく様を再確認したかったのだ。


映画の中のシャネルは、

無愛想で気分屋で自分勝手で

ヘビー・スモーカー(大事なお客の仮縫いの最中でも

タバコをふかしている!)で、

それでいて、女性のファッションの

旧態然とした価値観(コルセットで腰を締め付ける、

大きな帽子、過剰なフリル飾りなど)に

疑問を感じ、ゆったりとして、

過度な装飾を廃止した、シンプルな

デザインの洋服や帽子を

彼女の直感や感性で生みだしていく。


もちろん、そういうことができる

自分のお店を持てたのも

付き合った男から貢いでもらったお金が

あってのこと。


恐らく彼女は、その瞬間その瞬間の

自分の感情に正直に生きてきたのだろう。

意図して計算づくで男に近づいたわけでは

ないと思うのだが、結果的に彼女の成功は

男によってもたらされている。


伝記を読めば、彼女の男性遍歴の

凄さに驚かされる。

生涯一度も結婚をしていないのは

自分を捨てた父親への不信感からなのか、

家庭を持つことに不安感だったのか、

正直よくわからない。


20歳から23歳まで

シャネルはお針子として働きながら

カフェで歌手のアルバイトをしていた。


この頃の彼女の夢は、

お針子の仕事を辞めて

舞台女優で身を立てることだった。


場末のカフェでは人気があったが、

いざ、ちゃんとした劇場でのオーディションを

受けると落ちてしまう。


やがて、彼女はそのカフェで知り合った

フランスの金持ちの元騎兵隊将校、

エディエンヌ・バルサンの邸宅に

転がり込むようにおしかけて

彼の優しさゆえに、愛人として

その家に居座らさせてもらう。


これが、シャネルの愛の遍歴の始まりだ。

彼女の才能が、ここから開花していく。


バルサンの女友達の舞台女優の

帽子を作ってあげたことから口コミで

評判となり、依頼が次々と舞い込んでくる。


映画では、そのバルサンの親友で

イギリスの上流社会の独身の若者、

アーサー・カペル(通称ボーイ)と

恋仲になり、彼におねだりして

ついに自分のお店(ブティック)を

出すようになるところまで描かれている。


カペルが親の勧めである女性と

どうしても結婚しなければならなくなっても

お互い了解して、彼がフランスに来れば

逢瀬を楽しむようになる。不倫の始まりだ。


しかし、カペルは

ある日シャネルとデートした後、

自分の車を運転して帰る途中で

自損事故で木に激突して亡くなってしまう。


映画は、そんな悲しみを乗り越えた彼女が

自分のお店で披露した新作の

お披露目ファッションショーの成功で

幕を閉じる。


他にもこんな映画もある。


こちらは、主にその後のシャネルを描いている。

アメリカ進出での騒動や、

同業者からの嫌がらせで

頼んでいた生地が予定していた業者から

仕入れできなくなった際、

彼女が機転を利かして

「ジャージー」を使って乗り切ったエピソードなども

描かれている。


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しかし、シャネルが付きあった男性は

これだけではない。



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明らかに男女関係があったと

分かっているだけでもかなりいたのだ。

それも大物たちが・・・。


ロシア皇帝ニコライ二世の従弟、

ドミトリー・パブロヴィッチ大公

(彼との出会いが、あの「シャネルNo.5」誕生の

きっかけとなった)、


作家で「ゲイ」だったジャン・コクトー

(金銭的に援助しただけという話もある)、


作曲家のイーゴリー・ストラヴィンスキー

(彼の場合もシャネルがパトロンとなるも

肉体関係については否定的な意見もある)、


画家のパブロ・ピカソ


詩人で後にパルチザンとなった

ピエール・ルヴェルディ、


イギリス首相のサー・ウィンストン・チャーチル、


プリンス・オブ・ウェールズ

(後のイギリス国王エドワード八世)、


イギリス国王のエドワード八世の従弟

ウェストミンスター公爵(通称ベンドア)、


イラストレーターのポール・イリブ、


パリ社交界のミューズ、ミシア

(つまり彼女とは同性愛だったことになる!)、


そして、ドイツ外交官と自称していた

ナチスの大物スパイ、ディンクラーゲ男爵

(要するにシャネルはナチスのスパイだった!)、


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あっと驚く男性遍歴・・・。



シャネルの最初の夢は

舞台女優になることだった。


もし彼女が、その夢に向かって

例えオーディションで何度か落とされようが

女優目指して頑張っていたら

どうなっていただろうか?


「シャネル」というブランドは

生まれなかったことは確かだ。

そして、シャネルもしくはココという女優も

生まれてはいなかっただろう。


彼女の生き方から学ぶことは、

当初の夢や計画に固執しないこと。


どういう形であれ、「幸せになる」という

固い決意を忘れないこと。


直観力を鍛え、出会う人や風景、絵画や

雑誌、物など

あらゆるものからインスピレーションを

得ること。


特に新たな人との出会いには

積極的に挑戦すること

(チャンスもアイデアもお金も愛も

全部人との出会いで生まれる)、


中でも異性との出会いは運命と考え、

形式にこだわるよりは、

積極的にアプローチして先に関係を築くこと。

(道徳的には問題ありなのだが・・・)


時に「おねだり」を素直に言ってみること。


自分にしか出来ない

没頭できる仕事を見つけること。


長くなりそうなので、ここらでストップ。

シャネルがナチスのスパイだったというお話は

またいつか・・・。


by ウルフペンギン