何のためにビジネス書を読むのか?

一言で言うと、

「スキルアップ」と「キャリアアップ」のため

ということになる。



「スキル」とは、広辞苑第6版によると

「熟練した技術。手練。」とある。

つまり、仕事の技能のことだ。
知識や訓練などを通して、

その人が身に付けた能力のこと。
さまざまな技能がスキルとなるし、
資格もスキルの一種と言えるだろう。

手練という言葉通り、

「スキル」は職人的な技術でもあるが、
ビジネスシーンでは、

人間的な基本能力のほうが

重要視されることが多い。

つまり、「スキル」とは、

聞く能力やコミュニケーション能力、

整理整頓術、時間管理術、交渉術、

セルフ・モチベーション能力、ノート(&メモ)術、
ビジネス文書作成能力、パソコンの技能などと

いうことになる。


「スキルアップ」とは、

これらの能力や技術の向上を図ることだ。


片や、「キャリ」とは、同じく広辞苑第6版によると

「1 (職業・生涯の)経歴。
 2 専門的技能を要する職業についていること。
 3 国家公務員試験1種(上級甲)合格者で、

本庁に採用されている者の俗称。」

となっている。

ビジネスでは、1の意味が強く、

その人の職歴をキャリアと言う。
どんな仕事をどのくらいの期間やったか、

といた意味である。

ゆえに、いろいろな仕事をこなしていれば、
また同じ仕事でも長く続けていれば、
それはそのまま「キャリア」となる(はず)。

例えば、「法人営業15年のキャリア」とか、

「建設業の経理で8年のキャリア」、

あるいは、「東京電力で管理職5年のキャリア」

といった言い方となる。


ゆえに、「キャリアアップ」とは、

従来の経験を活かして、

さらに大きな職責に就くことを目指す

といった意味だ。


つまり、先ず「スキルアップ」してから、

「キャリアアップ」を目指す、

ということになる。


「スキルアップ」の方が先なのだ。


「スキル」がないと、

「キャリア」を上げることは難しい。

単に勤続年数が長いだけの

「ロングキャリア」では、

「キャリアアップ」は出来ない時代なのだ。

(右肩上がりの好景気の時代には

年功序列で毎年給与もボーナスも

上がっていたが、今はそうはいかない)


そこで、己の経験不足からくる「知恵不足」や

「能力不足」を少しでも補おうとして読むのが

「ビジネス書」ということになる。


「スキルアップ」には、

「社会人としての基本的知識」や

「業界の知識や知恵」から

その職種に応じた「専門知識」まで

幅広い読書が必要となってくる。


さらには、最も基本的な

「人間性を高める(価値ある人間となるため)」

読書というのも、ビジネス書の範疇に入るだろう。


欧米系の企業に勤めたていたり、

取引先に外資系企業があれば、

「聖書」の基礎的な知識も必要となってくるだろう。


中国系企業なら、

孔子、孫子、孟子などの知識も必要となってくる

だろう。もちろん、中国共産党に関する知識も。


しかし、これらの知識は

出来るビジネスマンとしての「常識」的「知識」

とも言えるだろう。


ビジネス書を読む理由は、

結局は「スキルアップ」と「キャリアアップ」の

ためなのだが、

他にも、政治経済が不安定な昨今、

「時代の先読み」することで得られる

「安心感」のためということも考えられる。


対中国輸出ビジネスは、

10年後にはどうなっているんだろう?


SNS関連サイトは、

今後どう変化していくのだろうか?


自分の老後のライフスタイルは、

どうなっているんだろうか?

(老後資金を今から増やしておくには

どういう投資が一番いいだろうか?)


国外に生産拠点を移すとしたら

どこの国が一番リスクが少ないのだろうか?


これらの問いに、

100%完全な答えというものはないが、

関連したビジネス書を何冊か読むことで

おぼろげながらも見えてくるものがある。


それが、ビジネス書を読んだ成果だ。


但し、忘れてならないのは、

読んだだけでの「知識」では、

己の「血と肉」にはならないということ。


失敗してもいいから、

ビジネス書を読んで得た知識やノウハウを

実践で試して、己の「血と肉にすべきなのだ。


万が一、それで失敗しても

それは前に進むための「教訓」となるからだ。


さて、ビジネス書は、

大きく分けて「縦軸」と「横軸」で分類される。


「縦軸」は、「時系列」。

「横軸」は、「分野別」。


このことについて、改めて述べてみたい。