世の中には、マスコミが垂れ流している

イメージと実像が大きく違う経営者がいる。

しかも、そういう企業に限って

従業員に非情なブラック企業なのだ。


3.井戸実(いどみのる:1978年1月19日生まれ)

(株)エムグランドフードサービスの創業者で

代表取締役社長)


神奈川県川崎市出身。

「ロードサイドのハイエナ」を自称し、

「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」など

人気店を次々に出店。


【主な経歴】

1998年 (株)築地すし好入社 

寿司調理人として従事


2001年 (株)レインズインターナショナル入社 

立地開発業務に従事


2003年 (株)小林事務所入社 

業態開発、加盟開発業務に従事


2004年 店舗流通ネット(株)入社 

業務委託店舗の営業開発に従事


2005年 (株)ワイズフードシステム入社 

取締役として経営に参画


2006年 (株)まいど 代表取締役就任


2006年 (株)エムグラントフードサービス設立


2010年 半額東京(株)に堀江貴文らと共同出資


(株)エムグラントフードサービスは、

2006年9月に設立されたが、わずか5年のうちに

百数十店舗を数えるほど急成長。


閉店した郊外の飲食店をそのまま利用するなど、

コスト削減と低価格化を図っているのが特徴。


「倒れるのはそいつが悪いだけ。



自己管理の問題だ。

そもそも労働基準法がおかしい。

なぜ週40時間以上の労働が残業になるんだ!」

(「東洋経済オンライン」インタビューより)


彼のこの発言は、

外食産業で注目された「過労死事件」について

質問されての答えだ。


「労働基準法」に真っ向から挑戦する発言だ。

ここで働いて、病気になろうが過労死しようが、

全部本人の自己管理の問題にされてしまう。


日本の外食産業の繁栄は、

先日の「がんこ」チェーンの書類送検もそうだが

従業員やアルバイトの過酷な勤務によって

支えられている。


長時間労働やサービス残業が常態化していると

それは、単にお店のスタッフの待遇問題だけでなく、

その経営姿勢が、結局は「食の安全」を

蝕むことになり、いつかは

お客(利用者)にも害が及ぶことになる。


食中毒が起きたのは、神奈川県相模原市にある

「ステーキハンバーグ&サラダバーけん」

鵜野森店。


相模原市保健所によると、

2011年10月23、24日に牛ステーキを食べた

4人が下痢や腹痛を訴え、うち3人から

腸管出血性大腸菌O-157が検出された。


11月8日に食中毒発生を発表するとともに、

この日から3日間の営業停止処分にした。

保健所は、原因食材の断定はまだできていない

としているが、エムグラントフードサービスでは、

カナダ産ハラミカットステーキの調理に

原因がある可能性が高いとしていた。


このニュースが流れると、ネット上では、

井戸実社長が「問題発言」をしていると

大騒ぎになった。


ツイッターで、発表前日の7日に、

生焼けとクレームを入れてきた女性客がいたと

報告し、「スタッフは100%悪い事をして無い」、

さらには「この手のクレーム客は

来ないで頂きたい」とまで言い切った。


また、3日ごろには、

「アレルギー?知らねーよそんなもん。

何食ってもビクともしない体を作れや!」とさえ

つぶやいている。


いずれもツイート後すぐに削除された。


保健所によると、

食中毒の疑いで最初に店の

立ち入り調査に入ったのが10月31日。

つまり、井戸社長がこれらの発言をした時点で、

彼はすでに事態を知っていたということになる。

何と言う傲慢な経営者だ。



ウルペンのドリームピラミッド-ステーキのけん


「安かろう、悪かろう

(価格は安く、スタッフの待遇は悪い)」は、

結局は「危なかろう」なのだ。


こんなお店を利用してはいけない!


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