「ビジネス書」とは、なんぞいや?


いろいろな考え方もあるのだが、

「仕事に役立つ本」という定義に

それほど異論はないはずだ。


さらにもう少し細かく定義すれば、

「今を含めて、これから先の仕事に役立つ本」

ということになる。


誰だって、転職した以前の仕事に役立つ本を

読みたいとは思わないだろう。


そうなると、「ビジネス書」も

即効性が求められる本と

即効性は期待できないが

教養や基礎知識など、仕事上での

自分独自の知恵の発揮のために

読んでおけば、いずれ効果が発揮出来る

可能性があるという本の二種類がある。


前者がいわゆる「ノウハウ本」や

「ハウツー本」で、後者が古典や名著だ。


当然、売れた、売れていないとは関係ない。

本が売れるには、タイトル(日本では出版社が

決める)や表紙のデザイン、宣伝広告の違いに

大いに影響されるからだ。


人間と同じで、

見てくれと中身がなかなか一致しないのが

ビジネス書」なのだ。


翻訳本なら、翻訳の質にも影響される。

コンピュータ関連の仕事の経験があって

なおかつ翻訳能力が高い人が訳した

IT関連本は分かりやすいが、

普段文芸書や一般的なビジネス書を

翻訳している人が訳したIT関連本には

誤訳が散見する。


さらに、翻訳本のビジネス書は

出版社側の事情で部分訳になっている

ケースが多い(コスト圧縮のため)のも

要注意だ。

日本語訳だけで、その本の価値を

決めつけてはならないのだ。


もう一つ、付け加えておく必要があるのが

時代の流れに即しているというのが

「ビジネス書」の条件だ。


産業が時代とともに変わってきたように、

その産業に付随して必要とされる

「ビジネス書」も変化するからだ。


「ポケベル」なんて過去の遺物だが、

携帯電話が出現するまでは

ビジネスマンには必需品だった。


当然、「かしこいポケベルの使い方」

なんていう本も売れた時代もあったが

今はよっぽどのマニア以外は

読むことはないはずだ。


「PHS」についてもそうだ。


1995年の「ビジネス書ベスト10」の

第六位は、『「図解」60分でわかるPHS』

という本だったのだ!


「「ノウハウ本」や「ハウツー本」には

旬や即効を求められる半面、

時代と共に陳腐化してしまう本も多いが、

それはそれでやむを得ないのだ。


今現在、本屋さんで

スマートフォン関連の本が平積みになっているが

10年後でも役立つ本は恐らく一冊もない。


それでも、今必要な旬の本に違いない。


最後に大事なことを。


「ビジネス書」は、

どれも「読んで終わり」ではない。

「読んで実行」しなければ意味がない。


「いいこと書いてあるなぁ~、

確かにそうだ、いずれ私もそうやってみよう!」

と思っただけでは、正しい「ビジネス書」の

読み方ではない。

読んで、実行してみること。


時代が変わったため、

そのやり方では即効性がないことが

やってみて分かったということも

あるはずだ。


それも、正しい「ビジネス書」の

読み方なのだ。

「ビジネス書」を読んで己の血肉とすること。


それが、結果として

あなたの仕事を変え、人生すら変えるのだ。


もちろん、ある人にとっての良書が

別の人にとって毒書となるかも知れない。


「金持ち父さん貧乏父さん」を読んでから

不動産に投資して成功した人もいれば、

失敗して借金だらけになった人もいる。


役立つ「ビジネス書」は、

そういう意味では百人百色なのだが、

それでも多くの経営者たちが役に立ったという

「ビジネス書」は、もし未読なら

一度は手にとって読んでみる必要はあるだろう。


そんな「ビジネス書」を

少しずつこのブログで取り上げていきたい。