いつ、あなたの製品やサービスは

完成しますか?

いつ、あなたはそれを市場に

出さなければなりませんか?

いつ、それが確実に人々の手に

渡るのでしょうか?、


おそらく、それはあなたの不安が消えるよりも

もっと早くです。


一旦あなたの製品を世に出す必要があると

確信したならば、

直ちに市場に出してください。


あなたが未達成リストを手にしているからといって、

することが何もないというわけではありません。

2、3の遣り残しがあるからといって、

他の全てのことを諦める必要はないのです。

あなたは、残ったことを後でやれるのです。

そして、後でそれらをするということは、

ある意味、もっとうまくやれる

ということでもあるのです。


このことに関して次のように考えてみてください。

もし、あなたが2週間でビジネスを

立ち上げなければならないとしたら、

あなたは何を取り除くでしょうか?


おかしなことに、こういう質問が

何にフォーカスすべきかをあなたに教えてくれます。

あなたは、多くの不必要なことがあることに

突然気づきます。

その結果、本当に必要とするものが、

はっきりしてくるのです。

最終期限を自分に押し付けることで、

見えてくるものがあります。


それは、

「我々にとって、必要ないものはこれだ」という

直感を得る最善の方法です。


起業時に必要でないものは何であれ

延期してください。

今すぐ必要なものだけを作り、

詳細な装飾部分は後で心配してください。

あなたがそれについて真剣に考えれば、

必要としないものの大半が

初日に見つかるはずです。


我々が「Basecamp」を立ち上げたとき、

顧客に請求する仕組みさえありませんでした!

毎月締めで請求を出すことになっていたので、

我々はそれを作り上げるのに、

まだ30日間の猶予があることを知っていました。


それで、我々は、立ち上げ前には

先ず最初に本当に重要な

より緊急の課題を解決するために時間をかけました。

これで、30日間の猶予が得られたのです。


靴のブランドであるCamper(カンペール)が

店をサンフランシスコにオープンしたとき、

店はまだ完成しておらず、

「Walk in Progress(歩行中)」と呼んでいました。

(訳注:【Work in progress:工事中】に対する洒落)


カンペールは店内の壁に

お客に好きな絵や言葉を

描いてもらうことにしたのです。

カンペールは、

何十もの靴箱を重ねた上に置いた安い合板に、

靴を並べました。

顧客によって書かれたメッセージで

一番人気だったのは、

「店をこのままにしておいて」でした。(*)


同様に、

Crate and Barrel(クレート・アンド・バレル:

日用雑貨のお店)の創業者も、

オープン時は、よくある展示台など

持ち合わせていませんでした。

彼らは、商品が入っていた木箱(crate)と

樽(barrel)をひっくり返して、

その上に製品を積み重ねていたのです。

(そのことが、店名の由来になっている)(**)


このアプローチを、

品質さえも切り詰めることだと勘違いしないでください。

あなたは、もっと素晴らしい何かを

作りたいではずです。

ただこのアプローチによって、

ちょうどそこに着く最高の方法が

繰り返しであることがわかるはずです。


何が一番効果的かなんて考えるのは止めて、

現実に目を向けることです。

(つづく)


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(*)このエピソードは、2007年12月出版の

Fara Warner著の”Walk in Progress”で紹介されている。

参考サイト

http://www.fastcompany.com/magazine/58/lookfeel.html


(**)こちらのエピソードは、2001年6月出版の

Matt Valley著の”The Crate and Barrel Story”を参照のこと。

参考サイト

http://www.retailtrafficmag.com/mag/retail_crate_barrel_story


(なお、上記の本は両方とも今のところ日本では入手困難)



「完璧を期そうとして、タイミングを逃すな」

ということだ。


あらゆるビジネスに、「旬」のタイミングがある。

そのタイミングこそが大事なのであって、

そのタイミングでビジネスをスタートできるなら

それ以外は省略しようが、遅らせようが、安く済ませようが

外注しようが、どうでもいいことなのだ。


店舗ビジネスだけでなく、

インターネット関連ビジネスでもしかり。

あなたが思いついたアイデアは、

日本のどこかで、あるいは世界のどこかで

今この瞬間に別の誰かが同じようなことを

思いついているかも知れないのだ。


完璧さを追求する前に、スタートさせて

実績を作ることの方が大事なのだ。


いいセンスのWebサイトやロゴ、オリジナル封筒や便箋、

請求書、包装紙、築朝浅のきれいなオフィス、

これらは、最悪、オープン時に

間に合わなくってもどうにかなるものだ。


誰かの描いた金儲けのシナリオに

無批判で乗っかるのではなく、

あなたのオリジナル・アイデアを基に

ビジネスを小さく立ち上げよう。


そのためには、

世間の反応、いや、友人、知人、

そして家族や親戚の反応などに

左右されてはいけない。


あなたのアイデアを形にしよう!

広い世界では、

そのアイデアを今も待ち焦がれている

人たちがいるはずだ。


さぁ、ビジネスを立ち上げよう!


但し、何やってもいいというわけではない。

各人の強みを生かした上で、

市場の「ウォンツ」(「ニーズ」ではない)に

フォーカスしたビジネスを始める必要がある。


その辺りのノウハウをこれからも紹介していこう。


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Jason Fried(ジェイソン・フリード)と

David Heinemeier Hansson(デイビッド・H・ハンソン)

という若者が1999年に、Webデザインの

コンサルタント会社を立ち上げた時、

全社員は彼らを含めてたったの3人だけだった。

(成功した今でも社員は20名に満たない!)


ウルペンのドリームピラミッド-Jason Fried

<JKason Fried>



ウルペンのドリームピラミッド-David H. Hansson

<david Heinemeier Hansson>


ところが、彼らの会社、「37signals 」は、

彼ら自身が作り出した様々なWebツール、

中でも「Basecamp 」が評判となり、

今では世界中にユーザーが3万人以上にも

なっている。


さらに、彼らが発信するブログも評判となり、

読者との交流からまた新たなサービスを

誕生させたりもしている。


そんな成功した彼らが、

「起業してやろう」と思っている人たちへの

率直なアドバイス(従来とは違った視点から

ビジネス・チャンスを見つけて

成長させていったノウハウも含めて)が

評判になっている。


このブログ記事は、

そんな彼らの考え方を含めて

これまでに自分でビジネスを立ち上げようなどと

夢にすら見なかった人々や、

既に会社を立ち上げて成功させ

成長させている人たちとは明らかに違う人たち

のために書くブログ記事だ。


そう、これから「成功しよう」という意欲があり、

一歩踏み出そうと決意した人たちのための

ものだ。


当然、古い価値観の人が読めば、

「そんなバカな!」とか、

「それはたまたまうまくいったんだよ」とか、

「誰にも出来るわけじゃないよ」

といった反応を示すかもしれない。

いや、もしかして、怒りだすかもしれない。


そういう意味では、

この記事は「毒」になる可能性もある。

但し、大抵の「薬」に「副作用」があるように、

「毒」は使いようによっては「薬」になることを

忘れてはいけない。


あなたにとって、「毒」となるか、「薬」となるか、

読んで試してみるといい。



参考文献:『REWORK』

Rework/Jason Fried

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