今年10月5日に亡くなった、

スティーブ・ジョブズに関しての本が

世界中で出版ラッシュとなっている。


彼の人生と仕事の成果を時系列的に網羅したもの。


彼の発言をピックアップして、

その発言の背景と教訓を探ろうとしたもの。


業界内外の多数の人々へのインタビューで

スティーブ・ジョブズという人物像を

浮き上がらせようとしたもの。


製品とその開発裏話に絞ってまとめたもの。


などなど、百花繚乱である。


また、成功した彼のノウハウをまとめ、

起業家へのアドバイスとしたものもあるが、

いくら考えても、ジョブズの成功は

本人の類まれなる発想力と努力以外にも

時代背景や育った土地柄、

出逢えた友人や知人などの影響度も

見逃せない。


創業時のAppleというと、我々は

ジョブズとウォズニアックという二人のスティーブ

の名前しか思い浮かばないが、

実際には、個人資産92,000ドルを出資し、

自分の個人信用でバンク・オブ・アメリカから

貸付を取り付けたマイク・マークラがいなければ、

Appleは絵に描いた餅で終っていた可能性も

あったのだ。


つまり、こういう人たちとの出会いも含めて

場所、時代などの全てが

ジョブズの成功に寄与しているため、

21世紀の日本で我々がいくら頑張っても

第二のジョブズには絶対なれないのだ。


では、

我々はジョブズから何も学べないのだろうか?


彼の成功や失敗には(そう失敗にもだ)、

例え国や人種や年齢、業界が違っていても

強いリーダーシップを発揮するための

大事な要素が間違いなく含まれている。


それなら、読者各人の自分の仕事の現場でも

大いに参考になるのではないか?

そう考えて、ジョブズの考えや行動を

9つのキィーワードで整理してみたいと思う。


キィーワードは、次の九つ。


誕生(何を生み出すのか)、

再生(失敗から成功をどう生み出すのか)、

モデル(どこを模倣すべきか)、

顧客(顧客をどう捉えるのか)、

ヴィジョン(何を夢見てどう語るのか)、

文化(差別化でき真似されないものとは)、

製品(戦略と戦術とは)、

メッセージ(何を伝えるのか)、

ブランド(生き続ける影響力とは)。


これらのテーマに絞って、

ジョブズから何を学べばいいか、

少しずつ考えていきたいと思う。


基本は、

「ジョブズなら何をする?」だ。


彼が亡くなったことで、これ以上新たな

彼の業績を我々は見ることができなくなった。


しかし、彼が生きていて、こういう場面に遭遇

したらどうするだろうか?と、考える事は可能だ。


我々一人ひとりが周囲に対して、

そして何よりも自分に対して

真のリーダーシップを発揮できれば、

この国も少しは変われるのではないだろうか。


私が知りたいと思ったのは、

そういうジョブズのリーダーシップだ。