ワンルームに世界中のすべての芸術作品を

入れることによって、大きな博物館を作れる

わけではありません。

あったとしても、それは倉庫です。


博物館を大きくするものは、壁面にはないものです。

誰かは違うと言うでしょうが。

Curator(キュレーター)は、博物館で、

そこにあっていいものと、そうでないものとを、

意識的に区別します。 (*)


そこには、一つの編集プロセスがあります。

壁面よりも壁から離れたところにこそ

より多くのものがあります。

最高のものは、すべての可能性の一部の

さらにその一部のそのまた一部なのです。


あなたが何を取り除くかが重要です。

ゆえに絶えず、削除し、単純化し、そして

合理化できるものを探してください。

キュレーターであってください。


本当に重要であることに固執してください。


後になって最も重要なものが残されるまで、

あなたは、それ以外のものを取り除いてください。

それから、もう一度それをしてください。

必要とあらば、あなたは後から、

いつだって途中で付け加えることができるのです。


Zingerman's(ジンジャーマンズ)は、

アメリカで最も有名なデリカテッセンの1つです。

そして、そうなったのも、オーナーたちが

キュレーターとして考えてきたからなのです。

彼らは、単純に店の棚を一杯にしようとはしません。

彼らは、自分たち自身を

キュレーティングしているのです。


ジンジャーマンズで売っているチームの

あらゆるオリーブ・オイルにその理由があります。

彼らは、それぞれが素晴らしいと信じています。


実は、彼らはかなり以前から

オリーブ・オイルの供給元を知っていました。

そこで彼らは、現地を訪問し、自分たちの手で

オリーブを摘んだのです。

そういうわけで、彼らはそれぞれのオイルが

本物であり、力強い風味があることを

保証することができるのです。


たとえば、ジンジャーマンズのオーナーが

会社ウェブサイトでどんな風に、

Pasolivo Olive Oil(パソリボ・オリーブ・オイル)

を説明しているのかを見てください。


「私は数年前、ランダムに選ばれたサンプルで

初めてこのオイルを味見しました。

多くのオイルが、

誰かに伝えたくなる非常にかわいらしい物語と共に

素晴らしいビンの中に詰められています。

もちろん、このオイルも例外でありませんでした。

しかし、このオイルに関しては

それは大したことではありませんでした。


私がこのオイルを味見すると、

従来のものとは対照的に

パソリボはすぐに私の注意を惹きました。

それはパワフルで、

口の中一杯にフルーティな風味が

広がったのです。

私にとって、欠点など一つもない、

全てが素晴らしいオリーブ・オイルだったのです。


トスカーナ地方の素晴らしいオリーブによる、

それはアメリカにおける最高のオイルの1つとして、

未だに際立っています。

是非、ご賞味ください。」(**)


オーナーは、実際にオイルを試して、

その味見の結果、

「それ」を店まで運ぶ方を選びます。
「それ」は、パッケージやマーケティングでもなければ、

価格でもありません。

「それ」は、品質です。


彼は「それ」を味見した結果、

「それ」を店まで運ばなければならないということを

知ったのです。


「それ」は、

あなたもまたしなければならないアプローチです。


(つづく)


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(*)Curator:

キュレーターとは、一種の専門職で、

美術館や博物館で企画や展示を担当する人のこと。

例えば、既存の作品や展示資料の意味や価値を問い直し、

コンテンツを選択して絞り込み、それらを結びつけて

新しい意味や価値を生み出していく。


同じ展示物であっても、並べ方や組み合わせを変えるだけでも

来場者に訴えるものは変わってくる。

美術館や博物館の入場者が増えるかどうかは、

このキュレーターの腕にかかっている。


そのキュレーターと同じ発想が、

あらゆるビジネスにおいて求められるようになってきた。


このことについて、最近分かりやすい本が出版された。


キュレーターをどうビジネスに生かすべきか、

興味がある方は一読をお勧めする。


石ころをダイヤに変える「キュレーション」の力/勝見明
¥1,365
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(**)Zingerman's Pasolivo Olive Oil


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ウルペンのドリームピラミッド-Jason Fried



日本の政治家や官僚がすることは、

我々が見習うべきこと真反対のことだ。


問題解決の先送りと時間稼ぎ、そして責任逃れ・・・。


朝起きたら、「今日もまた何かを決定しよう」と

自分に言い聞かせることだ。


もし、万が一、夜寝る前に、

「今日、何を決定しただろうか」と自問自答してみて、

間違いに気づけば、明日修正すればいいのだ。


もし、創業時に何一つ決定することがなかった日があれば、

それは停滞ではなく、逆行なのだ。


常に、決定し、また決定し、そしてまた決定する。

間違ったと気付けば、修正する。


このリズムを身体に浸み込ませること。


誰かの描いた金儲けのシナリオに

無批判で乗っかるのではなく、

あなたのオリジナル・アイデアを基に

ビジネスを小さく立ち上げよう。


そのためには、

世間の反応、いや、友人、知人、

そして家族や親戚の反応などに

左右されてはいけない。


あなたのアイデアを形にしよう!

広い世界では、

そのアイデアを今も待ち焦がれている

人たちがいるはずだ。


さぁ、ビジネスを立ち上げよう!


但し、何やってもいいというわけではない。

各人の強みを生かした上で、

市場の「ウォンツ」(「ニーズ」ではない)に

フォーカスしたビジネスを始める必要がある。


その辺りのノウハウをこれからも紹介していこう。


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Jason Fried(ジェイソン・フリード)と

David Heinemeier Hansson(デイビッド・H・ハンソン)

という若者が1999年に、Webデザインの

コンサルタント会社を立ち上げた時、

全社員は彼らを含めてたったの3人だけだった。

(成功した今でも社員は20名に満たない!)



<JKason Fried>



ウルペンのドリームピラミッド-David H. Hansson

<david Heinemeier Hansson>


ところが、彼らの会社、「37signals 」は、

彼ら自身が作り出した様々なWebツール、

中でも「Basecamp 」が評判となり、

今では世界中にユーザーが3万人以上にも

なっている。


さらに、彼らが発信するブログも評判となり、

読者との交流からまた新たなサービスを

誕生させたりもしている。


そんな成功した彼らが、

「起業してやろう」と思っている人たちへの

率直なアドバイス(従来とは違った視点から

ビジネス・チャンスを見つけて

成長させていったノウハウも含めて)が

評判になっている。


このブログ記事は、

そんな彼らの考え方を含めて

これまでに自分でビジネスを立ち上げようなどと

夢にすら見なかった人々や、

既に会社を立ち上げて成功させ

成長させている人たちとは明らかに違う人たち

のために書くブログ記事だ。


そう、これから「成功しよう」という意欲があり、

一歩踏み出そうと決意した人たちのための

ものだ。


当然、古い価値観の人が読めば、

「そんなバカな!」とか、

「それはたまたまうまくいったんだよ」とか、

「誰にも出来るわけじゃないよ」

といった反応を示すかもしれない。

いや、もしかして、怒りだすかもしれない。


そういう意味では、

この記事は「毒」になる可能性もある。

但し、大抵の「薬」に「副作用」があるように、

「毒」は使いようによっては「薬」になることを

忘れてはいけない。


あなたにとって、「毒」となるか、「薬」となるか、

読んで試してみるといい。



参考文献:『REWORK』

Rework/Jason Fried

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