建築家たちは、

どのタイルをシャワー室に使うかとか、

台所に設置する食洗機をどのブランドにするか

といったことは、間取り図が完成するまで

心配することはありません。


彼らは、これらの詳細は後で決定する方が良い

ということを分かっています。


あなたも、同様の方法で

自分のアイデアにアプローチする必要があります。

詳細は違いを生みます。

しかし、あまりに早く詳細に夢中になることは、

意見の相違、会議と遅れに至ります。


あなたは、実際には重要でないことのために

余計な時間を取られるのです。

あなたは、いずれ変わりそうなことの決定に

時間を浪費します。


だからこそ、しばらくの間、

詳細を無視してください。

最初に基本を釘づけにして、

後で詳細について心配してください。


何かを設計し始めるとき、

我々はボールペンの代わりに

大きくて太いSharpie marker(シャーピー・マーカー

=アメリカの国民の80%が使っていると

いわれているマーカー・ペン)でアイデアを描きます。


なぜ?

ボールペンのペン先は、あまりにも細く、

あまりにも高解像度だからです。


それらは、点や点線を使って

濃淡を付けて完成させたりするような、

まだ心配しなくてもいいことを

心配するようにさせるからです。


結局、ボールペンを使えば、

まだフォーカスしなくてもいいことに

集中することになってしまうのです。


シャーピー・マーカーでは、

深く穴をあけることは不可能です。

ざっくりとした外観や線と箱を

描くことが出来るだけです。


だからいいのです。

大きい絵こそが、あなたが始めに、

心配しなければならない全てなのです。


Walt Stanchfield(ウォルト・スタンチフィールド

=ディズニー・スタジオでの有名な

スケッチ・インストラクター)は、

アニメーターたちに、最初は

「詳細を忘れる」ことを奨励したものです。(*)


理由: 初期のステージにおける詳細なことは、

間違いなくあなたに何一つ買ってくれません。

(訳注:何も与えてくれないということ)


また、実際に何かを作り始めるまで、

最も重要な詳細部分を

しばしば認識することができません。


それは、

何により多くの注意を払わなければならないか

じっくりと観察すべき時なのです。


何かが足らないように感じたとしたら、

それこそが、

素早く動くのではなく、

あなたが注意を向けるべきときなのです。


(つづく)

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(*)Walt Stanchfield

Drawn to Life: 20 Golden Year of Disney Master Classes,

Vol.1, The Walt Stanchfield Lectures(2009)


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思いついた事からとっかかって、

そこを詳細に固めてから次へ行こうとすると

既に出来上がった部分が「足かせ」になってしまうことが

多い。


それは思考整理術でも言えることで、

「マインドマップ」や「ディシジョン・ツリー」などの

思考整理術を活用する事で

大局的に高視点で全体を眺めることができる。


その製品やサービスを活用した顧客に

どんな気分になって欲しいのか、

それがビジネスの目標であり、

そのために今何が出来るか、次に何をやるべきか

などが「マイルストーン」として重要になってくる。


それなのに、多くの起業家は

詳細な部分に最初からこだわってしまうことが

多い。

結果として、細かい部分までよく出来ていても

顧客のハートを掴めない成製品やサービスが

出来上がってしまう。


創業時は想像以上にエネルギーが必要だ。

そのエネルギーを分散させてはいけない。

「これができないとビジネスを始める意味がない」

ということに、とことんフォーカスすべきなのだ。


どうしてもやりたいビジネス・プランが複数あるなら

優先順位をつけて、一つずつ実行していくこと。

そして、細かい部分は後回しにして、コアな部分を

しっかり押さえるようにすること。

当初は思いつかなかったアイデアが

後になって思いついたり、

有能な人材と出会えるようになることが多いからだ。


その結果、当初は難しかったことも

後になれば、ずっと楽にできるようになるのだ。


誰かの描いた金儲けのシナリオに

無批判で乗っかるのではなく、

あなたのオリジナル・アイデアを基に

ビジネスを小さく立ち上げよう。


そのためには、

世間の反応、いや、友人、知人、

そして家族や親戚の反応などに

左右されてはいけない。


あなたのアイデアを形にしよう!

広い世界では、

そのアイデアを今も待ち焦がれている

人たちがいるはずだ。


さぁ、ビジネスを立ち上げよう!


但し、何やってもいいというわけではない。

各人の強みを生かした上で、

市場の「ウォンツ」(「ニーズ」ではない)に

フォーカスしたビジネスを始める必要がある。


その辺りのノウハウをこれからも紹介していこう。


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Jason Fried(ジェイソン・フリード)と

David Heinemeier Hansson(デイビッド・H・ハンソン)

という若者が1999年に、Webデザインの

コンサルタント会社を立ち上げた時、

全社員は彼らを含めてたったの3人だけだった。

(成功した今でも社員は20名に満たない!)


ウルペンのドリームピラミッド-Jason Fried

<JKason Fried>



ウルペンのドリームピラミッド-David H. Hansson

<david Heinemeier Hansson>


ところが、彼らの会社、「37signals 」は、

彼ら自身が作り出した様々なWebツール、

中でも「Basecamp 」が評判となり、

今では世界中にユーザーが3万人以上にも

なっている。


さらに、彼らが発信するブログも評判となり、

読者との交流からまた新たなサービスを

誕生させたりもしている。


そんな成功した彼らが、

「起業してやろう」と思っている人たちへの

率直なアドバイス(従来とは違った視点から

ビジネス・チャンスを見つけて

成長させていったノウハウも含めて)が

評判になっている。


このブログ記事は、

そんな彼らの考え方を含めて

これまでに自分でビジネスを立ち上げようなどと

夢にすら見なかった人々や、

既に会社を立ち上げて成功させ

成長させている人たちとは明らかに違う人たち

のために書くブログ記事だ。


そう、これから「成功しよう」という意欲があり、

一歩踏み出そうと決意した人たちのための

ものだ。


当然、古い価値観の人が読めば、

「そんなバカな!」とか、

「それはたまたまうまくいったんだよ」とか、

「誰にも出来るわけじゃないよ」

といった反応を示すかもしれない。

いや、もしかして、怒りだすかもしれない。


そういう意味では、

この記事は「毒」になる可能性もある。

但し、大抵の「薬」に「副作用」があるように、

「毒」は使いようによっては「薬」になることを

忘れてはいけない。


あなたにとって、「毒」となるか、「薬」となるか、

読んで試してみるといい。



参考文献:『REWORK』

Rework/Jason Fried

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