日本での英語表記は、
”WORLD INVASION: BATTLE LOS ANGELES”
だが、アメリカでは単に”BATTLE:LA”
となっている。
要するに、「インディペンデンス・デイ」や
「宇宙戦争」などの宇宙人侵略SF映画だが、
宇宙船とアメリカ空軍の派手な戦闘や
市街地の破壊などよりも、
海兵隊による民間人救出と宇宙人との
地上戦を描いた映画。
地上で戦う相手は、いわゆる「モビルスーツ」で
身を固めた宇宙人と遠隔操作で動く
ドロイド(戦闘マシーン)たちだ。
宇宙人がなぜ地球に攻めてきたのかという
明確な説明はなく、テレビのニュースで
科学者らしき人物が
「彼らは地球にある資源、水を狙って飛来した
のではないでしょうか?なぜなら、水が
惑星の表面上に液体として確認できる惑星は
地球しかないからです」と話しているシーンがある。
それは、この太陽系ならではということで、
太陽系外から飛来してきた宇宙人なら
もっと他の恒星系も探索してきたはずで、
それなら水が液体として表面にある惑星は
他にも存在する可能性は大となり、
わざわざ地球を狙う理由としてはなくなる。
また水が個体として(つまり氷)として存在する
惑星は、外惑星ならあるわけで、
太陽系外から飛来する技術力があるなら
氷を効率よく溶かして水にする技術くらい
あってもよさそうだ。
それでも、水というのは分子としては
非常に安定した物質なので、
水をそのまま化学反応させるというのは
エネルギー・ロスが多く、それよりも
宇宙で一番多い物質、「水素」から
「水素イオン」として取り出して
エネルギーとして使った方が効率もいいはず。
となれば、わざわざ地球を侵略する必要は
ないってことになってしまう。
このあたりの説明は、あやふやなままだ。
続編(この映画がヒットすればだが)で
明らかにされるのかも知れない。
主役は、マイケル・ナンツ2等軍曹役の
アーロン・エッカート。
今年43歳だが、注目され始めたのは
2000年の『エリン・ブロコビッチ』からという
遅咲きの俳優だ。
これが、ブラッド・ピットやジョージ・クルーニだと
役よりも先に役者が目立ってしまうから、
リアリティーを追求したかった
ジョナサン・リーベスマン監督としては、
ちょうどいい配役だったのかも知れない。
<プレミア試写会での記者会見で>
他の出演者は、大半が顔なじみではないが
唯一、エレナ・サントス空軍2等曹長役の
ミシェル・ロドリゲスだけは知っていた。
彼女は、あの『アバター』で
元海兵隊大尉のパイロット、
トルゥーディ・チャコン役で「SA-2サムソン」という
輸送用ヘリを操縦していたのだ。
<映画『アバター』より>
<プレミア試写会での記者会見で>
さて、どうやってこの宇宙人をやっつけるのか?
映画『インディペンデンス・デイ』のように
未知の星からやってきたエイリアンの
母船のコンピューターを破壊するのに、
アップルのノートパソコンで
ウイルスを作成して、それを母船に送信して
コントロール不能にさせるというオチだったが、
宇宙人のスパコンはいつからiOSになったんや!
と思わず突っ込んでしまったが、
今回は、そこまでマヌケなことはないので安心。
もちろん、この種の愛国心を高揚させる映画では
必ずと言っていいくらい、仲間を助けるために
率先して自己犠牲を払う人物が出てくることに
なっている。
アメリカは、侵略されたという口実で
またどこかで戦争でも始めるつもり
なのだろうか?